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KPI設計の際に押さえるべき "4つのA"

こんにちは。マインディアでマーケティング・広報を担当している石渡です。

先日LayerXさん主催のBtoBマーケター(特にマネージャーやリーダー職の方)向けのイベントにて「KPI設計 基本の『キ』」と題してLTをさせていただきました。

この記事ではそこでお話しした内容をかいつまんでご紹介します。

KPI設計

マーケ関連のマネージャー職の方であれば、

  • 獲得リード数などのチームのゴールが決まっていて、それを分解してKPIツリーを作る

  • 事業計画のマーケ部分を担当しブレイクダウンして数値を埋めていく

など、自身のチームのKPIを設計したご経験が一度はあると思います。その際、きちんとロジックを立てて設計したつもりでも実際に運用を始めてみるとなぜかうまくいかなった、ということはないでしょうか。

かくいう私も何度も同じ失敗を繰り返してきました。そんな中で「この4つのポイントを押さえるとロジカルかつ現場でも運用しやすいKPIができる」というものが見えてきました。

書いている人

株式会社マインディアというマーケティングやデータ関連のサービスを扱う会社でBtoC・BtoB両方のマーケティング・広報をしています。

何か気になる点があればお気軽に下記X (twitter) までご連絡ください!フォローもしていただけると嬉しいです!
X (twitter) @takahirostone

4つのA

私はKPI設計をする際にこの「4つのA」を意識しています。

4つのAとは、Available、Accountable、Actionable、Accessibleです。また、上図の並びにも意味がありますので、それを解説していきます。

<免責 (というか英語苦手な言い訳)>
内容を考えると、その項目には他の英単語を当てた方が適切な意味になるものもあると思いますが、全てAで揃えて「4つのA」とくくることでの覚えやすさを優先しています。

Available

「数値を定量的に計測できる」

定量的な数値を持たない指標をKPIとしてしまうと達成基準が曖昧になってしまうので、数値として計測できるKPIを設定することが重要です。
例えば「自社サービスに好感を持ってくれている人の数」という指標だと計測しようがありません。

Accountable

「ゴールとの因果関係を説明できる」

そのKPIの達成が積み上がるとちゃんとゴールが達成されるようになっていないといけません。また、ただ相関があるというだけではなく「因果関係」があるかどうかが重要です。
例えば「サービス名がX上でポストされた回数」だと、「ポスト回数が増えたことによって商談機会が増えた」のか、「商談機会が増えたから認知してくれる人が増えポスト回数が増えた」のかの説明が難しいです(頑張ればできるとは思いますが)。

Actionable

「KPIの改善に対してアクションできる」

KPIの進捗を見ただけでどんなアクションを取るべきか分かるのが理想です。
例えばトレードオフ関係にあるような2つの指標をKPIにしているとどちらを優先すべきか判断に迷います。また、「日本の◯◯業界で売上◯円以上の企業数」みたいな自分たちのアクションだけではどうにもならない指標をKPIにしてしまうと結局何のアクションにも繋がりません(もちろんTAMを算出するときに使ったりはすると思います)。

Accessible

「その数値を関係者誰もがすぐに確認できる」

BIツールやスプレッドシートなど、どう可視化するかは状況に応じて様々なパターンがあると思いますが、一部の人しか確認できないようになっていたり確認するのに時間がかかるような指標だとそのKPIに対する意識が薄れてしまいます。
例えば毎回SQLを書かないと見られない数値だと、そもそもチームに書けない人がいたら数値を見ることすらできませんし、書ける人でも確認に時間がかかります。

それぞれの項目の関連性

再掲です

この図のように、4つのAのうちAvailable、Accountable、Actionableは並列で、「KPIになっている指標自体」に対するチェック項目です。一方で、Accessibleは「その指標へのアクセスしやすさ」を表す項目です。そのため、上の3つを横断してベースとなるように配置しています。

よくある例

ここで例題です。次の2つのうち、"4つのA" の観点で推奨されるKPI設計はどちらでしょうか。

①  利益 = 売上 - コスト
② 利益 = (1顧客あたりのLTV - CAC) ✕ 獲得顧客数

この2つは本質的には同じことを言っています。LTV ✕ 顧客数 = 売上 だし、CAC ✕ 顧客数 = コスト です。分配法則を使って掛け算の順番を変えているだけですね。ですが、どちらかは "4つのA" に即していて、どちらかは反しています。ヒントは「Actionable」かどうかを考えてみてください。

正解は・・・

②が "4つのA" の観点では推奨されます。
①だと、「利益を出すにはコストを下げればいいよね。でもコストを下げたら売上も下がるな…」となってしまい、いきなり難易度の高い優先順位付けを迫られてしまいます。もちろんもっと深く分解していったところではそういう矛盾する指標を追わないといけなくなりますが、最上段でトレードオフがあると身動きが取れなくなるので、Actionableではなくなってしまいます。

ただし、PLは「①  利益 = 売上 - コスト」の構造になっているので、こちらの見方に意味がないと言っているわけではないです。あくまでも現場での動きやすさを考えたときに②に利がある、ということです。

Special Thanks

実は、もともと私は "3A" と言っていたのですが、LayerXの牧迫さんからAccessibleをパクって "4A" にさせていただきました。

最後に

KPI設計やマネジメントの話、toC・toBマーケティングの話、Salesforceの話などなど、何か引っかかるところがあればぜひカジュアルにお話しさせていただければと思っています!

ぜひお気軽にX (twitter) かPitta (Meety) までご連絡ください!

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