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ロマンティックロシア 観覧しました

渋谷にある Bunkamura(株式会社東急文化村)で現在開催されている、「国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティックロシア」を観覧してきました。

主に写実的な人物絵、風景絵を集めた展覧会です。
本展覧会の感想の前に、ちょっとだけ余談。

自分は絵画を扱う展覧会は観にいきます。

昔は図録や美術本で見ればいいかと思っていましたが、間違いでした。

実物と本では、全く色合いが違うのです。

それは現代の印刷技術をもってしても、色を再現できないのです。
色が徐々に変化していく、グラデーションも、印刷では色がかなり違う印象です。

また油彩画は、絵の具が何度も塗り重ねているので、多くの作品が立体的です。
そういった凹凸も印刷では表現できないため、実物を観るべきだと思います。
※日本の浮世絵も、色ではなく凹凸で着物や帯模様を表現していることがあり、当然印刷に出ません。

自分は絵画を観覧する際は、少し体勢を低くして、見上げるようにします
そうすると、絵画の表面の凹凸がよく見えるのです。
上記に述べた油彩の凹凸、そして、筆の跡が見えるのです。
筆の跡は、作者がどのように塗っていったのかがわかるため、絵を描く自分としてはとても参考になります。

今回の展示では、油彩画が多く、凹凸や筆の跡を堪能できました。
特に、今回の目玉である、イワン・クラムスコイ作の「忘れえぬ女」。

この作品は何度か来日していますが、観るのは初めてでした。
コートの毛の描写や革手袋の質感が実物のようでした。
また、本作品の女性は、目線が合います。
そういう風に描かれているのでしょう。
その技術もすばらしいと思います。

また、同作者の「月明かりの夜」も、まるで写真のようで、且つ中央の女性が月明かりに照らされ淡く光っていました。
どんな技法を使えば、こんな表現になるのか色々と考えてしまいました。

あとは、イワン・シーシキンの風景画は写真と見紛う美しさでした。
光源から照らされた被写体の濃淡がとても美しかったです。

自分は絵画では、写実的なものが好きです。
今回は人物絵、風景画ともに写実的なものが多く、時間を忘れて観覧できました。
会期は来年1月27日(日)までなので、ぜひ観てみてはいかがでしょう。

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