見出し画像

五欲はなぜ悪しきものなのか(877)

そもそも五欲(ごよく)とは、五感によって見聞き匂うというような「色・声・香・味・触」の感覚対象を指しており、その五つは欲望を引き起こす(あるいは誘惑される)源だと言われているので五欲と呼ばれているのです。たとえば、美味しそうな匂いにつられて食欲をそそるといった具合です。

 [注] 欲を引き起こし、満足されない時に煩悩となり、
    悪を行わせるので「賊」とも。
    財欲・色欲・飲食欲・名欲・睡眠欲の五つも五欲
    と呼ばれる。

五欲がなぜ悪者扱いされるかと言うと、次のようなことが起きるためです。

 ・一つの欲望が満たされても、それで十分だと感じることがなくなる。さらなる欲望へと変わる。
 ・欲が満足されないと、悪いことをしてでも手に入れようとする。欲を満足させようとすると、人を害することも起きてくる。窃盗、傷害、詐欺など。
 ・身勝手な欲であるがゆえに、益なし(役立つことなし)である。本人は充足感に満たされず、他者は翻弄されることがある。
 ・限られた資源に対して複数の人が手に入れようとすると、争いが増す。

上記のことから、実なしと言えるのです。ちなみに、五欲自体は久しからざる(長きにわたらない)ものであるのが特徴です。たとえば、違うものに興味が向いてしまうと、現在の欲しているものの興味が無くなっていくようになりがちです。

多くの人は、五欲に貪著(とんじゃく、むさぼり執着)して、死ぬまで手放そうとしないものです。それゆえに後世に無量の苦を受け渡していくことになります。後世と言わず、現在においても身内や関係者に無量の苦を強いることが起こりうるのです。たとえば、罪を犯した者の身内は(その人自体が悪いことをしていなくても)周りからいろいろと言われるものです。

要するに、悪しきことをする程度の差はあるものの、多くの人たちは五欲の隷僕(れいぼく、召使い)となっているのが現状です。

ひいては、仏道や禅の修行者の邪魔者となるのです。だから、五欲は大賊とも言うのです。

****************************************************************
#心 #ストレス #あるがまま #関係する人 #正しい見方 #禅 #禅の言葉 #迷い #自分学 #リーダー #役に立つ情報 #平尾隆行 #生き方を極める #禅的自分学 #迷いを放下する #新しい自分

電子本の案内:

●ストレスをなくしてあるがままの「こころ」で生きる Kindle版 など
[Kindle 無料アプリをインストールして お読みください。]

●『「あなた」が変わる古典の言葉』
( https://amzn.to/3HybqFD  [短縮URL])
には、55の禅語を解説しています。

******************************************************************

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?