料理の勉強を通じて「勉強の仕方」を勉強する

 最近よくオムレツを作ります。好きだから。ホテルのビュッフェでコックさんがその場で作ってくれるふわぁぁとろぉぉぉぉぉなやつを自宅で再現するのが目標。以下のyoutube動画を参考にして作ってます。
https://www.youtube.com/watch?v=D2fLfPf9Oz0
 クックパッドも良いんだけど、動画を見ながらじゃないと卵の混ぜ方すらあやしい超ビギナーなので、基本 youtube 先生に教わってます。材料少ないし簡単じゃろーと思っていたのですが、なかなかあの黄色い幸福のイデアには至らず…一人暮らしを始めてから8回くらい作ったのですが…難しいですね。これまでの結果を振り返ると、

・一回目
 動画を2,3回繰り返し見ながら作る。火加減や動作の意味がぜんぜん理解できてないので、のっけからバターを焦がし、慌てて卵を突っ込んだらあっという間に固まってしまって、ボソボソのスクランブルエッグ的なものに…

・二回目
 最初慎重にやったらバターは焦げなかったけど、まだ火が強くて卵がカチカチに。形はオムレツっぽくなった、一応。

・三回目
 もう少し火を弱く…とようやくいい感じに柔らかく固まって、ふんわりしました。でもまだトロッができない。

・四回目
 さらに火を弱めてトライ。すると液体部分が残ったまま皮もできて「おぉ、これ巻いたればふわとろじゃん!」と思ったんだけど、液体が残ったまま皮が巻けない。フライパンの端によせても液体が溢れてるからひっくり返せない…結局グズグズしているうちに皮が分厚くなってしまって…

・五回目、六回目
 火加減いい感じなんだよなぁ、ひっくり返すのうまくやりゃ良いのかなぁ…と最後の卵を寄せるところを試行錯誤するものの、毎度液体があふれてしまって口が閉じられない。固まるのを待ってれば良いのかと端っこで火にかけ続けるものの、火にあたってるのは液体部分じゃなくて皮だからそれがどんどん厚くなってしまってあわわわわ

・七回目
 なんかおかしいいなぁ、と思って、動画を見返してみる。と、あれ?卵けっこう粘り気あるな?火にかけた状態でめっちゃ混ぜてるけど、これじゃね?これだよこれ。という天啓を得て、再チャレンジ。手の動かし方はいい感じになってシャバシャバからトロトロへのメタモルフォーゼ!行けんじゃん!と思ったら火加減のコントロールがおろそかになってちょっと固まりすぎた…

・八回目
 間を開けずに翌日にリトライして、今度は火加減も注意、よしいい感じ。あまりコンロから外さず熱が均一になるようにシャカシャカ混ぜて、おぉぉぉ動画とおんなじ感じのとろみが出てきてる!あとはくるむだけやおりゃぁぁぁあ皮破けた…

 てかんじでまだ成功していないんです。けど最後のやつでオムレツの中からトロッが5ccくらい観測されたのでひとまずOKとしたいです。
 いや奥が深いなぁ(小並感)。ここまでくるのに8回かかってるんですが、毎度毎度すごい勉強することがある。最初の方は火加減くらいしか気にできてないんですが、その火加減だってバーみたいな所で見るか炎の大きさで見るかで違う気がするし(多分炎の大きさで見るべき。)、ずっと同じじゃなくて強火でバター溶かしてから中火で卵温めるし。そのうち、手の動かし方(フライパンと菜箸)がテキトーだとふわとろにならないことに気づくけど、そっちに注意してると今度は火加減がテキトーになってしまって、で、実はまだ調味とか食材の選び方とか意識できてないパラメータって沢山あるんだけど、そこまでたどり着くのにあとどれだけ卵を食べることに成るのか…板東英二かよ…(板東英二はゆで卵か…)
 料理するってのは家計面でも栄養面でも良いことなんですが、勉強の仕方の勉強、って意味でも結構効果あると思うんですよね。作り方見ながら流れを記憶して、やる前の段取りして、各パートでの動作の仕方を試行錯誤して、トライアルアンドエラーで修正して、うまくいかなくなったら参考情報(動画)を再確認して修正して、そうやって徐々にうまくなってく。で、一番難しくて鍛えられるなぁと感じるのが、どんどん変化していく食材に対して、瞬間瞬間に与える操作(軽く混ぜるだとか大きく揺するだとか少し火から離すだとか)を最適化していくこと。短い時間に色々なことが起こるから、全部を考えながら処理するってのは限界があって、だから何回も繰り返し練習するうちに抽象的な経験値をためてって無意識でできることを増やしてくしかないんですよね。けどワントライで各パートは一回しかできなくて、かつ、各パートでの自分の行為がどのようにアウトプットにつながってるのか、あんまり明確じゃないから、良いフィードバックループを作るのも難しくって、うーん。
 これって仕事とかとおんなじだと思うんですよね。センス良い人だったら2, 3回でできるようになるんだと思うんですけど、そうじゃないから試行錯誤を繰り返して行くしかなくって、だから自分の場合は毎回仮説を一つは立ててそれを検証することに注力しつつ、他の部分の動作も最適化してくみたいな感じでやってます。料理の場合は一回の練習が5分くらいで終わるから、繰り返しやってもそんなに苦にならないってのは良いことですね。あとミスっても自分で責任もって食べれば良いだけ笑
 …ただ同じミス三回やったこと考えると、最初は ABC Cooking Studio とかで基礎身につけたほうが効率良い気もする。(会社の仕事できる同僚は「ちょっとしたコツとか、直した方がいい癖とかは人に教わらないとわからないでしょ?」と言ってました。正論。だから仕事でもいい上司いい環境で働いたほうが伸びるんでしょうね。)まぁでも通うの大変だし男一人でお料理教室はなかなか気が引けるんで、もう少し家で頑張ります。

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