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WWE王者こそ現代の『四皇』である!

それにしてもザ・ロック=ドウェイン・ジョンソンはレッスルマニアXLに向けて一人何役を演じるつもりなのだろうか?元旦のRaw からロイヤルランブル明けの SmackDownでローマン・レインズに向き合うまでは、4つの時代を制覇すべき絶対的なヒーロー。それはハルク・ホーガンから始まった『ヴィンスサーガ』を締める究極の主役ポジションな筈だったが、『X』の『物語』はそんな安直な完結を許さない。ザ・ロックに与えられた次なる配役はヴィンス無きレッスルマニアでのヴィンス。ところが満を持してのヒール登場だった今週の SmackDown でいつか見たザ・ロックのガチな苦虫面。Smackdown 創成期のデジャブゥ。究極のベビーフェースとしてコーディ、究極のブーイング相手としてダーティ・ドム(ドミニク・ミステリオ)が存在する今のWWEにおいてはロック様でさえも居場所が無いのだろうか?

Abema解説もそんなロック様の現状をロッキー・メイビアやハリウッド・ロックの復活と手探りしていたが、今週のロック様を観てある大物の姿を思い出した。ストーンコールドを絶対的な存在にした役割としてのマイク・タイソンである。20世紀後半において『世界最強の男』とはプロボクシングの世界ヘビー級チャンピオンを指していた。だからこその猪木vsアリだった。21世紀最初の四半世紀においてそれはUFCを代表とするMMA王者を現す事が多くなった。だからこそWWEもこの10年はブロック・レスナーを重宝してきた。しかしアリとタイソンのソレは強さと共に世界的な知名度を有す存在でもあった。今世紀唯一その存在に近づいたのがロンダ・ラゥジーでありレッスルマニア35での史上初女子レスラーによるメインだった。
シャーロッテ・フレアーが『ビッグマム』に ”ザ・マン”ベッキーリンチが『赤髪』に進化する為には『惑星最凶女子』ロンダの存在が必須だった。
今回WWEユニバースがザ・ロック=ドウェイン・ジョンソンに求める配役は、ホーガンでもヴィンスでもなくマイク・タイソンなのかもしれない。

ホーガンからたすきを受け取り同時代の雄ストーンコールドの介錯を行いながらも、ザ・ロックが次世代ジョン・シーナにリングでそれを引き継げたのかは微妙である。その一旦途絶えた何か?或いはジ・アンダーテイカー系統の最強称号を繋いでくれたブロック・レスナーはその風貌通りプロレス界の『白髭』として大事な役割を果たしてくれた。『ヴィンスサーガ』最後の10年はこの『白髭』レスナーとシールドによる時代だった。WM31で史上初のMITBキャッシュ化に成功したセス・ローリンズが『赤髪』”ザ・マン”ベッキー・リンチの旦那としてコーディとともに『X』の『物語』でロック様に喧嘩を売った事はやはり必然である。そして10年超しで『白髭』レスナーから最強の称号を、真の『黒髭』に変貌する事でローマン・レインズが継承した。コロナ化を逆手にとったパートタイム長者による長期政権こそがまさに『黒髭』ローマン・レインズに相応しい『物語』である。

今年 2024年は奇しくもワンピース的な『新時代』世界が開幕した年である。
昨年のレッスルマニアまでは『黒髭』ローマン・レインズが青のユニバーサル王座と黒のWWE王座を独占していた時代だったし、『ビッグマム』シャーロッテや『赤髪』”ザ・マン”ベッキーが象徴だった女子王座もまだ赤と青のブランド別で男子ベルトと比較すると明らかに格落ちするモノだった。
この時代の『四皇』として闘龍門をルーツに持つIWGP世界ヘビー級王者『カイドウ』オカダ・カヅチカが堂々と君臨していた。そのオカダがいよいよワノ国を出て、セス・ローリンズがいみじくも最近の Raw で語った通りWWEは『黒髭』の独占王座を統一した上でもう一本の常勤王座を新設し更には女子王座も世界王座に一新して迎える最初のレッスルマニアの年である。
漫画ワンピースとはパラレル世界になってしまったが、『黒髭』ローマン・レインズ、『赤髪』の旦那セス・ローリンズと女子王座のリア・リプリー、イヨ・スカイ(紫雷イオ)が『新時代』の『四皇』と呼ぶべき存在である。
レッスルマニアXLは『ヴィンスサーガ』の完結であり、まだ仮称である『新時代』の始まりでもある。

『新時代』と言えば今週 SmackDown と契約したリック・スタイナーの息子ブロン・ブレイカーを観て運命的な何かを感じた。どうやらロイヤルランブルでの大活躍の裏には何らかの事情で流れた『白髭』ブロック・レスナーの緊急代役だったらしい。そもそもレスナーのWM40での想定相手はグンターだったらしいので私の期待していた中邑戦は初めから無かった事になるが(苦笑)、『黒髭』ローマンに隠れて継続中のグンターによるIC王座長期政権『物語』を完結させる最も相応しい存在に急浮上した感がある。
更に言えばもしちょっとタイミングがズレていれば『黒髭』レインズの『物語』を終わらせるにも相応しい存在だったのかもしれない。でもだからこそコーディ・ローズを選んだ『X』の『物語』に運命を感じえない。かなり強引だがコーディは『D(Dusty)』を受け継ぐ者でもある。そう言えばお父さんは『麦わら』でこそなかったが良くあんなカゥボーイハットを被っていた。

最後に余談だが元『カイドウ』オカダ・カヅチカの去就について。。。
現時点ではAEW移籍が濃厚との噂だが、私もその選択が正しい気もする。
結局オカダ・カヅチカにとって問題だったのはギャラ(待遇)とマンネリに尽きると思う。実は最近神のような方のお陰で新日本プロレスの第4回MSGシリーズ映像を再び見る事ができた。それこそ時の人コーディの父ダスティ・ローデス(当時の名称優先)がアントニオ猪木と組んだり決勝戦のセコンドに付いたりの大活躍!一方で優勝戦ではこの年新日本を去る事になるエース外国人シンとハンセンと猪木が最後の『黄昏』一騎打ち!なんかも見応えがあったがやはりその移籍の原因をつくったブッチャーの新日本初登場シーンを放送した当時のワールドプロレスリングは早すぎた Raw でもあった。
かなり脱線したが。。。オカダ・カヅチカに言いたい事はただ一つ!

 『オカダよ!アブドーラ・ザ・ブッチャーになるな!』

である。新日本とUWFインター全面対抗戦の当時に恐らく菊池孝さんが『高田よ!ストロング小林になるな!』という寄稿をゴングにされていた。
当時私は残念ながらS小林さんを正当に評価しておらずこれを良く理解できて無かったが今ならわかるし、だからこそ同じことを言いたい。
オカダ・カヅチカは今こそ真に『カイドウ』になるべきであると思う。

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