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「断酒・だんしゅ・レボリューション」

 公私共に付き合いのある友人より突然、「酒をしばらく止めるから」と宣言を受けた。なんでも12月の忘年会から続き、1月中も飲んで、飲ませて、飲み返して、不思議なコトに飲みが飲みを呼び続けてしまい、今に至ったと言う。

 それだけ周りから必要とされているのであれば、それはそれで幸せなんじゃないかしらと無粋な思いもあったが、本人からすると仕事と飲みが繰り返す内に体調も元より、お財布の中も寒くなってしまったと。それじゃあ仕方がない。

 その次の日。彼女がBARへ来店する。

「あら、断酒中なのではなかったの?」

「しているわよ。だから今日はノンアルコールビールと煙草だけね」

「ブル・ショット?」

「そういう優しさは要らないから」(禁酒日のあるフィンランドなどでも、ウォッカをビーフブイヨンで割ったこのスープカクテルは当日でも許されているようだ)

 この子がノンアルコールだなんて今まで見た事がない。明日はきっと雪ね!

『バーテンダーの視(め)』はお酒や料理を題材にバーテンダーとして生きる自分の価値観を記したく連載を開始しました。 書籍化を目標にエッセイを書き続けていきますのでよろしくお願いします。