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「Others:アフターディナーの過ごし方」─ていくすりーの酒場学

 飲み会もちろん、デートや接待に欠かせない、アフターディナータイム。せっかく良いリストランテにて美味しい食事を取ったならば、その余韻をもっと大きな喜びへと変えたいもの。

 ただ人間は面白く、基本的には皆時間で行動を起こすために、ガヤガヤとした二次会の場や、そもそもお店に入れなかったなどは、極力避けたいモノ。

 そんな時、BARに行くとどうでしょう。

 お店にも寄りますが、オーセンティックバーであれば、あまり席を沢山置かず、他のお客様との距離感が取りやすいお店作りをしている所が多くありますし、うちは予約を受けませんというBARであっても、「席は今空いていますか?」や「10分後に座れますか?」など、電話での確認はむしろ大歓迎。非常にスマートで働いている側としても、好感が持てます。もしエスコートをする相手が一緒にいるのならばなおの事、扉を開けてから座れませんでしたでは格好がつきませんよね。

 ただ、お店の場所が分かりませんという電話はなるべく控えましょう……。BARは常に少数精鋭。そんなガイドを何件も受けていたらすでに座っている方々へ接客が出来ず、愛想をつかされてしまいます。だからこそのデート前の下見は、このネット社会の現代になっても必要なのかも……。

 ウイスキーやカクテルは皆さん知っての通り度数がある程度高く、何杯も飲む事が難しい。その分、1杯に対するバーテンダーの思いはとても強く、そのための勉強と練習は欠かしません。

 基本的にチャージ料やサービス料なども含めて、都内の町場のBARであれば1杯飲んで合計3000円前後。少し高く感じるかもしれませんが、良い空間作りの一環として、値段設定はかなりシビアです。

 沢山お酒を飲んでくれる方が良いお客様だと僕は思いません。

 ただ、グラスが空いているのに何時間も居座るのはどうかなと。それでいて一端のサービスを求めるのは違うんじゃないかなと、日々葛藤。

 アフターディナーでBARを選び、ゆっくり1杯。良質な時間の演出はバーテンダーにおまかせください。ただし、何事もスマートさが大事かなと。BARでの過ごし方に正解はないと思いますが、紳士・淑女でありたいですね。いやはや、自分も飲み過ぎには気を付けます。

直前の電話確認は大歓迎
ゆっくり1杯だけでもOK!
ただし、ダラダラ長居はしない


『バーテンダーの視(め)』はお酒や料理を題材にバーテンダーとして生きる自分の価値観を記したく連載を開始しました。 書籍化を目標にエッセイを書き続けていきますのでよろしくお願いします。