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児童センターの子どもたちの自由研究、子どもたちが地域を知る時間のデザインをおこないました

「子どもたちが普段住んでいる地域のお店がどんな場所かを知る」そんな時間を目指し、浦添市立浦城っ子児童センターの子どもたちと企画をおこないました。

沖縄県浦添。すこし昔、在米軍の方を中心に外国人の居住区として使われていた港川地区。そのなかで「子どもたちに、木のオモチャに日常的に触れてほしい」の気持ちから、カーサマチルダというお店を運営されている、オフィスハートさん。

カーサマチルダ

木のオモチャを販売するだけではなく、浦添市内3ヶ所で(!)児童センターの運営もされています。今回の企画は、児童センターの1施設、浦城っこ児童センターでおこなわれました。

まずは、インタビューの練習から


企画に参加したのは小学校1〜4年生までの4人。

子どもたちは、午前中にインタビューとは何か、インタビューをするときに気をつけることを学び、本番を想定して練習をしました。

午後からは、歩いて10分の伊波薬局と児童センター斜め向かいにある照屋金物商会へ足を運び、どのようなお店か、どんな人が働いているのかについて話を聞きに行きました。

インタビューの内容は、ワークシートにまとめて夏休みの自由研究として学校に提出する予定です。

子どもたちにとって、知らない人にインタビューをするのは初めての経験。何を発見し、何を感じたのでしょうか。

ゆうじ先生からレクチャーを受ける子どもたち
子どもたちは始終大盛りあがり!



「地域の人が元気になってくれることがやりがいなんです」


まず足を運んだのは、浦添で39年の歴史がある伊波薬局。薬局には薬以外に何が売られているのか、薬はどこで作られているのか、子どもたちは興味津々。

奥の棚に並んだカルテについて聞いたり、薬が薬草から作られていることや、別のお店から仕入れられた薬が店頭に並んでいることを知りました。
小学校1年生の子は、初めは質問をするのを恥ずかしがっていましたが、お店の人が働いているときに嬉しいと思うのはどのような時か、最後に質問しました。

貴重なお話をありがとうございました
質問、がんばったね!


39年、薬を提供するだけでなくお客さんの相談にも乗り、地域を支え続けてこられた、薬局の店主である伊波重宏さんは、元気のない人が薬を
出すことで元気になってくれるのが一番嬉しいと答えてくださいました。

お店の前で



驚きから質問へ

2番目に訪れた照屋金物商会さんは、浦城っ子児童センターの斜め向かいにあるお店。お店の場所は子どもたちも大人も知っていましたが、実際にお店に入るのは初めての体験でした。

中に入ると、ドリルや釘、ねじなどの工具が所狭しにずらりと並んでいます。子どもたちは品数の多さに驚いていました。

小学校3年生の子は、レジ横の棚にびっしり並んだ鍵を見て驚きました。その驚きから、予め考えていた質問をした後に、「あの鍵は何本あるんですか?」とさらに質問。

たくさんの商品に囲まれて


考えてきた質問を読み上げるだけでなく、その場で観察して発見したり驚いたりしたことをもとに質問を考えて聞けました。
お店にインタビューをしたことで、知らないことを知る術を子どもたちは習得していました。


「何気なく通り過ぎていた地域のお店に入ってみる」ということ



児童センターに通う子どもたちは、児童センターの近くに住んでいる、この地域でこれまでもこれからも育っていくみんな。伊波薬局も照屋金物商会も店名は馴染みがあります。が、どのようなお店か知っている子は少なく、お店の人と話したことがある子はいませんでした。隣にあるお店でも、児童センターにとって近いようで遠い存在だったのです。

子どもたちが実際にお店に足を運び、お店の人がどんな思いを持って仕事をしているのかを知ったり、何を売っている場所なのか、商品はどのようにしてお店に届いているかを知ることができたことで、地域と児童センター、子どもたちの距離はぐっと縮まる体験になっているとうれしく思います。



子どもたちがインタビューを楽しむ工夫


参加した子どもたちは、インタビューをすることはもちろん、分からないことを発見して質問をつくることも、インタビューをした結果をまとめることも初めて。
インタビューをするときにどのような視点で質問を作ればいいのか想像しやすいよう、「どんなお仕事?」「ここがすごい!」といったようなタイトルシールを予め用意し、それに沿って質問を考えました。


用意したワークシートなど
まとめシートのタイトルはシールで用意し、レイアウトに自由さをもたせました


また、子どもたちがお店の人に自己紹介がしやすいように、名刺も作成。本番のインタビューでは、お店の人と名刺を交換しました。名刺の名前の漢字が読めない時はお店の人に聞き、その場でメモをする姿も。

「社長さんの名前が照屋さんだから照屋金物商会さんなんだ!」と、お店の名前の由来にも気づくことができていました。

「浦添おしごと調査団」!
名前を書き込んで、完成!
名刺は両手で渡すことも教えていただきました


普段、児童センターのスタッフの方は「センターのなかを、いかに素晴らしい空間に保つか」に情熱を持ち、そしてセンターは、スタッフのみなさんの素晴らしい仕事に支えられ、子どもたちのみならず地域の様々な年代の方が集う素晴らしい場所として浦添のなかで存在感を放っています。

センターの近くにあるお店に今回ご協力いただけたのは、お店の方の取り組みに対するご理解や、地域で子どもたちを育もうとする姿勢があってこそ。
そして何より、児童センターのスタッフの皆さんが毎日丁寧に子どもたちと関わることで、子どもたちがいきいき、のびのび過ごせる空間が生み出されているからこそ、子どもたちは安心して新しいことにチャレンジできたのだと振り返っています。

ご協力いただいた浦添市立浦城っ子児童センターのスタッフの皆さま、伊波薬局さんや照屋金物商会さん、保護者の方もありがとうございました!


みんなありがとう!

【浦城っこ児童センター 地域のお店にインタビューをしてみよう!】
designer|座間味侑也
facilitator|小倉優香
thanks|浦城っこ児童センターのみなさん、伊波薬局さま、照屋金物商会さま、株式会社オフィスハートのみなさま
director|中尾岳陽

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