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越境人材を意識するよりもやりたい事をやり抜こう!

ちょっと前の話になりますが、社内の公開イベントでトークをさせて頂く機会がありました。

私が話をさせて頂いたのは、「未来の越境人材を育む」というテーマだったのですが、本番を迎えて気づいたことは
・自分は越境しようと思ったことは一度もない
ということでした。

全くもって、イベントの趣旨に合わない登壇者になってしまったわけですが、よくよく考えると「越境」というのは何なんだ???という思いも強く湧き上がり、最近越境という言葉をよく聞くようになったので、当日話したことも含めて越境について思うことをまとめておこうと思います。

現状の自分の中での結論としては、
・そもそも世界に「境」はないというか、自分を含む誰かが勝手に決めた「境」しかない
・基本的には「境」を意識する必要もないし、勝手に決められた境よりも好奇心重視で好きにすれば良い。
・ただし、必要に応じて境を有効活用したら良いときもある。意図的に境の一方に閉じこもるも良し、境を超える(越境)も良し。
・大事なのは、しっかり自分で境の使い分けを意識しておくことではないか
という感じです。

そもそも越境人材って?

越境人材ってたまに聞くなと思ったのですが、関東でも関西でも越境人材を増やそうという流れがあるようです。

そんなに新しい言葉というわけではなく、少なくとも2015年にはWiLの伊佐山さんが「越境型人材」という言葉を使われています。

で、そもそも越境人材とは何なのか?という明確な定義は見つけられなかったのですが、経済産業省と一緒に越境人材に関するプロジェクトを推進しているSUNDREDさんのページには以下のように書かれていました。

インタープレナー(越境人材)とは、組織や所属の壁を越えて対話を行い、社会起点の目的を特定し、自らが動かせるアセットを動かしながら共創を通じて価値創造を行っていく、新しいタイプの自律した「社会人」

そして、理想の姿・行動も以下のように定義されています。

1 様々な社会の単位において、多様なメンバーとの対話を通じて社会起点の目的・課題を特定する。
2 特定した目的や課題を実現・解決するための仕組みを構想する。
3 課題解決や目的の実現のために、共感で繋がって一緒に動いていくチームを組成する。
4 所属する組織など自分が動かせるアセットを自在に動かす。
5 目的の実現・課題の解決をやり切って、それに応じた適切なインセンティブ、報酬を獲得する。
6 学びや繋がり、新たな興味・関心をベースに、次の目的・課題に取り組み、自由に社会と価値交換して生きていく。

読んだ感想としては、『確かにこれができていれば、よくできた社会人!』であることは間違いない。

えっ、みんな越境している??

なぜ最近越境という言葉をよく聞くのかはわかりませんが、2020年に経産省が進める「未来の教室」の中で、「越境学習によるVUCA時代の企業人材育成プログラム」というものを行っており、越境学習を行い、越境できる人材に注目が集まっているのでしょうか。

とはいえ、越境できずに困っているという話なのかと思ってみると、先ほどのSUNDREDの調査によると、「自分自身のことをインタープレナー(越境人材)だと思う人の割合は85%」ということで、アンケート回答者が関連イベントへの参加者という偏りはあるにしても、「やろう!と思ったら越境はできる」という状況にはあるような結果です。

えっっ、すでにみんな越境してるのに注目されてるの!?

というのが正直な感想ですが。
これだけよく聞く話題になっているということは、
・やろうと思えばできるけど、やるのがすごく大変
・自分ではやっていると思っているけど、経営層からしたらまだまだ全然
・やろうと思う人がそもそも少ない
などの問題意識があるということなのでしょう。

振り返ってみると、最初の越境は?

冒頭書いたように、私自身はそもそも越境人材になろうとか、越境しようと思ったことは一度もないです。

が、今回越境人材として声をかけて頂いたということは、周りからはそのように見えるということだと思うので、過去の自分の活動を振り返ってみたいと思います。

振り返れば小さい頃は日々越境の連続なのではないでしょうか。初めてのおつかいもそうですし、初めて電車に乗って学区外に行ったりするのもある意味では越境。

もう少し大人になったときの事例では、20歳過ぎの時に2年くらいビジネススクールでインターンをしたというのは、今思えば越境だったのかもしれません。

当時たまたま大前研一さんの本を読み、あまりの論理的なストーリーに感動を覚えた私は、巻末に書いてあった連絡先に連絡してみました。

来ていいよと言われたので事務所に行ってみると、その場でインターンすることが決まり、そこから2年間ほどビジネススクールの映像撮影、ウェブマーケティング、そして、講義の後は毎回懇親会に参加、という貴重な経験をさせてもらいました。

理系の大学四年生が院の途中まで、文系的なことを学ぶ社会人学校でインターンするというのは、文系理系という境、学生社会人という堺を超えた活動という意味では、越境とも言えるのかもしれません。

修論も本格的になり忙しくなり始め、インターンを終えることになった後は、研究に熱中するようになりました。

研究テーマはリハビリロボットということで、医工連携だったので、これも工学という境を超えて、医学側に足を踏み入れたという意味では、越境なのかもしれません。

というわけで、確かに言われると「越境」と言われるようなことをいつの間にかやってきたとも言えます。

境なんて、そもそも人為的なものですよね!?

振り返って思ったのは、当時の自分自身は越境しようとか、越境してるみたいな思いは、全くなかったということです。

インターンの時には感動したから連絡した。
研究の時には、面白そうだからやった。
ということ以外にはありません。

そもそも世の中に「越えるべき境」というものは存在しないです。

何かしらを効率的に運営したり、理解したりするためなどを目的に、誰かが勝手に決めたのが「境」という存在。

国境だってそうだし、文系理系などはその典型かもしれません。

境を作ることというのは、境によって何かと何かを分けるということになりますが、「わける」と「わかる」というのは非常に近い。

分けると分かりやすくなるので、ついついわけてしまいたくなる。

ただし、その分ける(境を作る)という行為をしているのは、基本は人だし、人の都合だというのを意識しておけば良いのではないでしょうか。

厄介なのは、既存の境はそれなりに安定して存在していることが多いので、動かしたり乗り越えようとするとパワーが必要になることがある。

もしくは、境を設定しているのは実は自分みたいなこともあり、知らず知らずのうちに境の中でしか考えられなくなったり、行動できなくなったりしてしまうこともあるのかもしれません。

それなら、好きにやっちゃえば良いのでは?

そんな勝手に作られた境に縛られて、越境できない!!となるのは実にもったいないです。

であれば、好奇心の赴くままにやってみれば良いのではないでしょうか。

そこには越境のためのテクニックとかはあまりないというか、根回しとかあるかもしれませんが、それより大事なのは、やはりやりたいとかやってみたいという想いです。

越境したテーマであろうとあるまいと、物事は大抵一発ではうまくいきません。越境であるかないかよりも、結局は想いがあるかないかだと思います。

怒られたら、素直に謝りましょう!

というわけで、取り敢えずやっちゃいましょう!

ただし、途中で書いたように自分が決めた境ではなく、誰か他人が決めた境の場合には、その境は安定状態になっていることが多々あります。

それはその境の存在がものごとを理解するためにわかりやすいというのもありますし、境のどちら側のルールも既にしっかり整備されていたり、既得権益があったりするからだと思います。

そのような場合には、勝手に越境すると気を悪くしたり、怒ったりする人もたまにはいるかもしれません。

その場合は、素直に謝ったら良い。

相手には相手の言い分があると思いますし、闇雲に否定するだけではなく、ちゃんと相手を理解することができたら、最高の良き理解者になってくれるかもしれません。

謝るのはタダです。笑

事前に越境の許可を取るよりも、事後に謝る方が100倍楽かもしれません。


というわけで、いろいろ考えてみましたが、結局は越境どうこうと考えるよりも、やりたい、やるべきと思ったことをやろうとしてみるというのが良いという結論になりました。

越境人材を意識するよりもやりたい事をやり抜こう!

では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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