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日本でのロボット関連スタートアップの資金調達(2023前半)

今週はユニクロなどの物流などの現場で自動化ソリューションをどんどん展開しているMUJINさんが123億円という大型の資金調達を行いましたね。

2019年に75億円を三井住友銀行から借り入れ(デット・ファイナンス)で調達したことで話題になりましたが、今回は第三者割当増資で、エクイティ(株主資本)による調達だそうです。これで累計の調達額は205億円!

というわけで、今週のnoteは、2023年になってから、ロボット業界における資金調達はどんなことになっているのか気になったので、ニュース情報をもとに調べてみました!
※ネットでザっと調べただけですので、見落としもあるかと思います。ご指摘いただければ追加するようにします!


イケイケはやはり物流!?

金額的に最も大きかったのは、小売、物流などの遠隔操作ロボットなどを手掛ける「Telexistence」でしょうか?

7月には230億円を調達し、累積調達額は275億円。投資家には、ソフトバンクグループ、台湾・鴻海精密工業グループのFoxconnなどが名を連ねています。

物流関係では、LexxPlussが23年上期だけでも2回にわたる約16億円の調達を発表しており、日本だけでなくアメリカでの取り組みを加速させているようです。

完全無人倉庫の事業を狙っている東大発で米国に本社を置くRENATUS ROBOTICSも、物流事業者などから、シードラウンドとしてSAFE型新株予約権の発行による200万ドル(約3.0億円)を調達しています。

また、22年に65億円の大型調達を行ったラピュタロボティクスは、JA三井リースと資本業務提携契約を締結したことを発表しています。

食産業も結構投資が盛ん!

AIカフェロボット「root C」などを展開するNew Innovationsも、54.1億円の資金調達を発表しています。累計調達額は56.5億円。駅などでパーソナライズされたコーヒーを飲んだこともある方もいるかもですね。カフェロボット以外にも「OMOソリューション」の新規事業の開発に費用は使ったりするそうです。

同じようなカフェの自動化という点では、日本メーカではないですが、出資する方が日本側というパターンもありました。リアルテックファンドが、シンガポールで全自動のロボットバリスタを開発するCrown Digitalに出資したりもしています。

また、食品製造分野で日本を代表するTechMagic、コネクテッドロボティクスの2社もそれぞれ調達を行っています。

TechMagicは、シリーズCラウンドのファーストクローズにおいて、キユーピーを引受先とした資金調達を実施し、累積調達額を約33億円としています。両社は、食品製造における業務自動化技術の開発に取り組み、食品工場全体における生産性の向上と人手不足へ対応するとともに、2030年を目標にした「未来型食品工場」を目指す!とのこと。

また、TechMagicは、味の素株式会社と資本業務提携を締結したことも発表。味の素とは2021年10月から協業を開始しており、炒め調理ロボットの開発において味の素の「おいしさ設計技術」を活用したりしているそうです。

一方、食産業向けロボットサービスの研究開発および販売を行うコネクテッドロボティクスは、シリーズBで安川電機やホシザキなど複数の企業から総額17億円の資金調達を完了。シリーズB完了に伴い、専用ホームページを作り、多くのイベントもやられていたので、ご存じの方も多いかもですね!

シードラウンドの案件もありました。つくば?のCloserもAIロボットで食品産業を中心に労働力不足を解消しようということで、1億円の資金調達の資金調達を実施しています。

食の中でも、少しタイプが違うところでは、田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発している有機米デザインが2億円の資金調達を完了。あまり知らなかったのですが、アイガモロボは、2023年1月から500台限定で販売を開始しているとのことです。ロボを活用した有機米の生産って個人的には好きです!

次は宇宙だ!!

大型の調達を実現したのは、宇宙向けロボット開発のGITAI。日本のGITAI JapanとアメリカのGITAI USAによる調達で合計40億円を集めています。

「宇宙に安価で安全な作業手段を提供する」を掲げ、宇宙ステーションや月面などでの作業を担う汎用作業ロボットの開発に取り組み、宇宙で働く時の労働力コストを100分の1とすることに挑んでいるとのことです。

さらに、シリーズ B エクステンションラウンドで約20億円の追加調達も発表。追加分には、VCだけではなく、三菱 UFJ 銀行からのデットが含まれるようで、累計金額は90億円以上になっているそうです。

まだまだ移動ロボットも頑張ります!!

自律移動型の警備ロボットなどを手掛けるSEQSENSEが、総額17.9億円のシリーズB資金調達を実施してます。

最近は川重さんとかにも技術提供したりもしているようですが今回の調達でVCなどに混ざって引受先となっています。累計調達額は29.9億円。

アバタータイプの移動ロボット「newme」を開発するANAスタートアップであるavatarinは、第三者割当増資により、シリーズAラウンドにおいて20億円の資金を調達。ANAHDからの出資額と合わせ累計調達額は40億円に!

屋外配送ロボットを開発するHakobot も確か最初はホリエモンからの出資?などで話題になった気がしますが、今年はねじを中心としたファスニング製品の専門商社 サンコーインダストリーから第三者割当増資による資金調達を実施、とのことです。

大学発のスタートアップでは、九州工業大学発で全方向型AMR(協働型自律移動ロボット)の開発を手掛けるTriOrb(トライオーブ)が、シードフェーズとして7000万円の資金調達。総額1.1億円。

ユニークなやり方では、搬送ロボット、掃除ロボットなどの移動ロボットを手掛けるRobot Bankは、クラウドファンディングで1400万円ほど集めるというやり方も取っています。

ものづくり、建築、生薬、海、風、現場はさまざま

多くの現場で活躍するロボットを開発する会社も何社か調達を実施しているようです。

モノづくりの現場での三次元形状処理エンジンを活用した産業用ロボットの自律化を展開するリンクウィズは、2022年の資金調達に続き、シリーズBエクステンションラウンドとして、第三者割当増資にて3,000万円の資金調達を実施。

建設現場の省力化・省人化を実現するロボットソリューションを提供する建ロボテック建ロボテックも、第三者割当増資による総額1.5億円のシリーズBの資金調達を実施。累計資金調達額は約6億円。最近はシンガポールなど海外での活動も目立つようになってきていますね!!

AI・ロボット開発のロビットは、ツムラと資本業務提携を結び、第三者割当増資により約5億円を調達。両社は、AIやロボットを活用した生薬選別機の導入や成分解析装置の開発を推進する予定とのこと。

自動運転船舶ロボットを開発する炎工業もドローンファンドから調達。金額は不明ですが、ドローンファンドも多くのロボット系企業に投資してますね!

風力発電機のメンテナンスロボットを開発しているLEBO ROBOTICSは、第三者割当増資により、3億円の資金調達を実施。高所で風力発電のブレードをメンテナンスするロボットは、GXブームの中で、今後世界中で拡大する風力発電機のことを考えると目の付け所がステキです!!

介護、リハビリも頑張ってます

テクノロジーで介護者支援を目指すabaも、第三者割当増資。今回の調達額はわかりませんが、累計資金調達額は約12億円。今回の資金調達で排泄センサー「ヘルプパッド」の改良・拡販を行うとのことです。

そして、ロボット義足を開発・販売するBionicMは、3.7億円の資金調達に成功してますね!

コア技術で戦う会社も

慶応発?のロボットのハプティクス技術を開発するモーションリブ社も、シリーズBラウンドの資⾦調達を完了。22年に実施した調達と含むて、総額6億円となったよう。

メーカー以外の業界を支える媒体も

ロボット業界の人は誰しも一度は見たことがある記事があるのではないかと思うロボットスタートも、シリーズAの資金調達を完了し、累計調達額が4.65億円となったそうです。

資金調達という分類ではないかもですが

ソフトの技術をコアにロボット開発を進めていたスマイルロボティクスは、アイリスオーヤマグループとの株式譲渡契約を締結し、アイリスオーヤマグループが全株式を取得し、100%子会社としてアイリスオーヤマグループ傘下になりました。

海外はというと中国系を軽く調べただけでも、

数十億、100億円規模の案件がゴロゴロありそうです。かつ、使い道の迫力も力強いす。

「普渡科技(Pudu Robotics)」は、シリーズC4で数億元(数十億円超)を調達。3カ月前にシリーズC3で1億元(約19億円)を調達したばかり。累計調達額は10億元(約190億円)超。

自律走行搬送ロボット(AMR)を 手掛ける「炬星科技(シリウスロボティクス)」は、約1億元(約19億円)を調達。調達した資金は、年産5万台規模のロボット工場建設のほか、スマート物流やスマート工場、清掃業務など活用場面に合わせたロボットの能力向上に充て、海外展開を加速。

清掃など業務用ロボットを開発する「景吾智能(Jingwu Robotics)」がシリーズA+で数千万元(数億円〜十数億円)を調達。調達した資金は業務用清掃ロボットの製品ラインナップのアップグレードや、海外での事業エリア拡大を推進するとのことです。

術支援ロボットメーカー「康諾思騰(Cornerstone Robotics)」が8億元(約160億円)の資金調達を実施。康諾思騰は今後、手術支援ロボットの新製品開発、臨床試験、海外進出などを加速。

スマートロボットの開発を手がける中国ユニコーン企業「達闥機器人(Dataa Robotics、海外名称:CloudMinds)」が、シリーズCで10億元(約200億円)を調達。同社は年内に香港で上場する可能性も。

2015年に設立されたCloudMindsは上海市に本社を置き、主要製品はクラウド型スマートロボット開発プラットフォームや「Cloud Ginger」に代表される人型サービスロボットと配送、パトロール、清掃、自動販売などを行う多機能ロボット。


勢いがあるところを見るのは、刺激になりますね!!
がんばっていきましょう~~~

では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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