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なんでわたしが仙台に? 神戸-青森の長い旅でみつけたこと

ちょっとちょっと、なんでわたしが仙台へ?

仙台駅 23:02着

なんで仙台おんね〜ん!

夜中の仙台駅前で写真を撮りながら、思わず笑ってしまった。神戸から青森に向かっていたはずなのに、なんでわたしが仙台おんね〜ん! と。ネイティブじゃないのに関西弁が思わず口をついて出てしまうほどの事態。(ほんとに口に出してた)

ああ、わたしのファースト仙台がこんな形で。(ファーストキスみたいに言うな)仙台にはね、ちょっと憧れていたのよ。だってここは伊坂幸太郎の聖地なんだもの。それがまさかこんな形で訪れることになるなんて。

なんで神戸から青森に向かっていたわたしが仙台で夜を明かすことになったのか。それには語るも涙、聞くは笑いの長い物語があってだな。とにかく順を追って話すね。

まさかの仙台ナイト

わたしが青森に行く理由

その日、わたしはあるイベントのために青森県の弘前市に向かっていた。あるイベントとは、「こぎん刺しのウェディングドレス」の完成披露イベントのことだ。

こぎん刺しのウェディングドレス

ドレスをつくる仕事をしているわたしは、昨年秋、青森県の「神戸ー青森ビジネス交流会」に参加させてもらい、その交流会で知り合った弘前市の事業者さんとコラボして「こぎん刺しのウェディングドレス」を製作した。今回は、そのお披露目イベントに登壇する予定だった。

会場は弘前れんが倉庫美術館

青森県弘前市の「弘前れんが倉庫美術館」で行われるお披露目イベントは、3月3日、日曜日の午前10時から開催予定だった。そのため前日の3月2日に弘前に入り、このプロジェクトの主催者であるA.select佐藤秀子さんと夕食を兼ねた打ち合わせをする計画を立てていた。

▼経緯はこちら

12:45 神戸空港から青森空港へ

この日の神戸の天気はくもり。神戸でもときおり小雪がちらつくほどの寒い日。

わたしは、ワクワクしながら神戸空港12:45出発、青森空港14:20着のFDA機に乗り込んだ。

今日はピンク かわいい

神戸空港上空から見た海は、濃い鉛色だった。雲が多いからだろう。揺れないといいな、と思う。

離陸 神戸上空 12:45

機長からのアナウンス。青森の天気は雪、気温はマイナス5度だそう。マイナス5度ですって!? さ、寒そう。でも雪景色がきれいだろうな。ワクワク。そう、このときはまだ、「雪も楽しみ」だと思っていたのだ。

到着が近づく頃、機長から、青森空港の除雪作業のために到着が遅れるとのアナウンス。まあ雪だからしかたないよね。

14:00 青森空港上空にて

14:00ごろ、飛行機が着陸態勢に入る。雪山が見えてきた。きれーい。

14:10

と、思ったら雲に包まれる。

えっ

機体が降下したと思ったら、また上昇する。除雪作業のために到着が15:00になるとのこと。何度か降下しては上昇を繰り返している。思ったより揺れは少ないけれど、ちゃんと降りられるのかなあと不安になる。

するとまた上昇し始めた。あれって滑走路だよね? みるみる遠ざかる滑走路。

飛行機はぐんぐん上昇し、あれっ、雲の上に出てしまった。そしてシートベルト着用サインが消えた。

「ただいまシートベルト着用のサインが消えましたが、くわしいことはのちほど機長からお知らせします」

客室乗務員からのアナウンス。えっ。くわしいことってどういうこと? 

そのアナウンスをきっかけに、乗客が次々とトイレに立ち始めた。土曜日ということもあって、仕事風の人はおらず、旅行客が多いように見受けられた。とくにシニア世代のツアー旅行客が多いようだ。

窓の外を見ると、雲の隙間から海岸線と風力発電機が見えた。海岸線の位置などから察するに、秋田や新潟あたりの日本海側を南下しているように思える。き、気のせいだろうか? すると、機長からアナウンスが。

「当機は青森空港悪天候のため神戸空港へ引き返しております」

ええっ! 

青森空港上空を旋回していたが、天候の回復が見込めないために引き返していると。

嘘でしょ〜! 

ところが、機内は(おそらくみんななんとなく察していたのか)大きな混乱が起きることなく、みなさん現状を受け入れているようだった。大人世代の旅行客が多いという理由もあったかもしれない。

いやわたしは仕事なのよ! みんなどうすんの? 仕事の人はいないの? っていうかなんで神戸?

そのとき機長から、北日本が悪天候で、代替空港の花巻空港にも着陸できず、他にもさまざまな要因が重なって、やむなく神戸空港に引き返すというアナウンスが入った。きっと、ものすごくがんばっていろんな調整をされたうえで、乗員乗客の安全性を考慮しての決断なのだろう。客室乗務員さんも終始落ち着いて対応されていて、安心できた。

こればっかりはしかたないよね。誰が悪いわけでもないし、天候のことだもん。

ああ、それにしても、電波が届かないってなんてもどかしいんだろう。代替交通を調べようにも先方に連絡を取ろうにも、今はどうしようもできない。

仕方がないので、神戸に到着したらやることを優先順位を決めながら日記帳に書き出していった。わたしはピンチや困ったことがあると、とにかく今できることを書き出してみるというのをよくやっている。(どんだけピンチ慣れしてんだ)こうすると優先順位が決まるし、覚悟ができて腹をくくれる。

冷静に考えて、今日中に飛行機で青森に行くことは無理だろう。振替があるとしてもおそらく翌日以降のはずだ。それだとイベントに間に合わない。心は決まった。

とにかく陸路で向かおう

イベントに間に合わせるためには、陸路、つまり新幹線で青森に向かうしかない。とにかく、きょう行けるところまで新幹線で行く。それが一番現実的だ。体だけ新幹線の駅に運んだらなんとかなる。あとは動きながら考える。

そう決まったら心が落ち着いて、「今はもうできることないし」と、持ってきた文庫本を読むことにした。いつも読もうと思ってなかなか読めなかった本を、じっくり読みすすめることができた。そう考えると、どんなピンチのときだって何かしらいいことがある。

客室乗務員さんがりんごジュースを配ってくれた。バッグに入れていたチョコレート菓子といっしょに食べる。今日はこれがお昼ごはん。いつもはお菓子を持ち歩かないのに、きのうはなぜか気まぐれにバッグにお菓子を入れたんだった。

上空は晴れているのにね

走りながら考える

神戸到着は16:30ごろとのアナウンス。飛行機はどんどん高度を落としている。

雲が切れ、海岸線が見えてきた。そうそう明石海峡大橋がね〜、きれいに見えてるよね〜。

って、なんで明石海峡大橋やね〜ん!

と、心のなかでつっこんでみた。

16:30 神戸空港ー三宮駅

16:30ごろに飛行機が着陸し、すぐにイベントのグループラインで報告、主催のA.selectさんに電話。「とりあえず新幹線で行けるところまで行きます!」そう伝えてダッシュする。

16:45 荷物を受け取り、ポートライナーにすべりこんでまず三宮へ。神戸空港から三宮へはポートライナーで18分。三宮から新幹線駅の新神戸までは地下鉄で一駅。

ポートライナーのなかで時間を調べると、17:24新神戸発ののぞみに乗れば今日中に新青森まではつけそう。しかし最大の難所は2ヶ所。ひとつはポートライナー三宮駅から地下鉄三宮への乗り換え。人混みの中を荷物を持って突っ切れるかどうか。ふたつ目は地下鉄新神戸駅から新幹線のりばへの道のり。新神戸駅は山にあるので、やたらとエレベーターや階段が長い。そこを走って登りきれるのか。

どうしよう。気が動転していてすぐに判断ができない。ばくばくする。スマートEX(新幹線アプリ)を開ける。しまったパスワード! 焦る。パスワード地獄に陥りながらなんとかログイン。うわあ、これ東京までしか買えないのか! これじゃあ乗り継ぎがよくわかんない。何よりもじぶんのからだが間に合うかどうかがわからない。しかもスマホの充電がピンチ! 充電温存して、新神戸の駅の窓口で聞こう。こんなときは焦ってじぶんひとりで判断しないほうがいい。

ポートライナー三宮駅につき、人混みをかき分けて突っ走る。すぐ目の前に、FDAのタグをつけたスーツケースを持って、同じようにダッシュしている若い男女がいた。この人たちも新幹線で向かうんだろう。(ついていこう)

地下鉄を待つ間、男女に声をかけたら、明日青森で仕事があって、どうしても今日中に行かないといけないのだという。わたしもです。

男女は、新神戸駅で降りるやいなや、ものすごい早さで階段を駆け上っていった。わたしはあえなく離脱。ごめん無理。

17:34 新神戸駅

新幹線駅のきっぷ窓口で、飛行機が欠航になったので青森県の弘前まで行きたいと伝える。

「弘前ですか」と少し驚きながらもすぐに調べてくれる駅員さん。あわてて「弘前が無理なら、青森か新青森でもいいんですけど」と伝える。

「今からだったら…青森も無理ですね…あと10分早かったら行けたんですけど」

あの男女は間に合ったのだろうかと頭をよぎる。

「そうですか…、ではどこまで行けますか? 午前中には弘前に着きたいんですけど」

「うーん、新青森…も無理だ。…盛岡もダメ」

うう、だんだん南下してくる。わたしはきょう一体どこで寝るのか。

「……仙台だったら今日中に行けますね。『のぞみ』で東京まで。東京で『やまびこ』に乗り換えて仙台まで。次の日の始発の『はやぶさ』で新青森、『特急つがる』で翌日9時38分に弘前に着きます」

仙台! 

土地勘がなく、距離感がわからないなりにも、東北の地名であることに安堵する。

「ではそちらでお願いします」

「座席は窓際ですか? 通路側ですか?」

若干食い気味に「窓際でお願いします!」

窓際なら充電あるはず。(なかった)

17:52 のぞみ

のぞみに乗り込むと、窓際の席なのに充電コンセントがない。あとで調べると、系統によっては窓際でも三列席(C、D、E)の窓側には充電がないものもあるのだとか。うわ〜、確認すればよかった。

かそけき充電のなかで、青森関係者に連絡。グループラインには「いざとなったらzoomで」というメッセージもあった。オンライン登壇か。そういう手もあったか。(ふつうこっち)でもその選択は1ミリも考えていなかった。とにかく行くことしか。

わたしはからだが行くことが一番強いと思っている。人に会うことが一番強い。そうやってわたしは旅でいろんな人と出会ってきたし、そうやって繋がってきた。最初はたったひとりで旅した青森に、いまは待ってくれている人がいる。だからぜったい行く。

A.select秀子さんは、その間、急いで関係各社に連絡し、調整をしてくれていたらしい。いっしょに登壇する予定だった津軽こぎん刺し界のレジェンド、佐藤陽子先生に連絡したとき「イベントにはトラブルがつきものよ〜」と笑い飛ばされたらしい。気が張っていた秀子さんはふっと力が抜けたみたい。こういう時に、ひとの力をふっと抜いてくれる人って、すごいと思う。焦ってテンパりがちなわたしはいつも、そんな方々に助けられている。

さらにかそけき充電のなかで、どうにか仙台駅前のホテルを予約した。翌朝、始発のはやぶさに乗るので、駅近でぐっすり眠れそうな宿を。到着が遅くなる旨のメッセージを送ると、お待ちしておりますとの返信。ひとまず安心。

なんとか関係各所に連絡、ホテルの予約完了。充電温存のため車内では引き続き読書。やっぱ紙の本って最高。充電いらないし。

20:56 やまびこ

東京駅でやまびこに乗り換え。充電コンセントはあったよ。(ホッ)

初のやまびこ。疲れているのだけど、鉄オタの血が騒ぐ。これ、ちょっとうれしいぞ。

東北新幹線「やまびこ」は、東京から仙台・盛岡を結ぶ新幹線だ。新幹線で東北に行くのはじめて。停車駅は上野、大宮、小山、宇都宮、那須塩原、新白河、郡山、福島、終点仙台までは約2時間の旅。

埼玉県、栃木県、福島県、宮城県。行ったことのない県ばかり。まさかこんなかたちで、通り過ぎるとは思わなかった。

外はもう真っ暗で、いくつものまちの明かりが通り過ぎる。今まで通りすぎていたまちにも、知らなかった場所にも、人びとの暮らしがある。

夫に仙台に泊まることになったことを報告すると、こんな言葉が帰ってきた。

「仙台に行くのもなにか意味があるんかもしれんな。3・11も近いし」

意味か…。

夫がそう言うのには訳がある。なぜならば彼の誕生日は3・11だから。しかも、震災とは関係はないのだけど、3・11は彼の父親の命日でもあるから。夫は、じぶんの誕生日の「意味」を背負っている。神戸に住んでいるという「意味」もある。だから夫は、仕事を通じて震災の支援や、防災関連の仕事にも携わっている。仙台や福島にも行っていた。

人はどうしても「意味」を求めてしまう。わたしだってそう。広島に生まれた意味を、神戸に住んでいるいまも頭のどこかでずっと考えている。わたしたちが「意味」を背負うのはしかたのないことなのかもしれない。

それでも、とわたしは思う。3.11だって1.17だって、1.1だって、誕生日は、誕生日。それはそれ。だからせめてわたしはちゃんとお祝いしたい。生まれてきてくれて、生きていてくれて、ありがとうってせいいっぱいお祝いをしたい。

誕生日、おめでとう。いつもありがとう。

この日が誕生日のひと、みんなみんなおめでとう。

走る街を眺めながら、そんなことをウトウト考えていた、やまびこの夜。


23:02 仙台

23時過ぎ、仙台に到着。

当然のようにお店はみんな閉まっている。せめてパネルとこけしを撮影。こけしの街なんだね〜。

かわいい

ずっと移動をしていたのでさすがに疲れはて、どこにも立ち寄らずにホテルへ。ベッドに横たわって目を閉じると、体内にふわふわした移動の感覚が残っていて、船のなかで眠っているような気持ちになった。

「ぐっすり眠れそう」で選んだKOKOHOTEL

6:30 仙台駅

朝早く、仙台駅へ。

街灯に、伊達政宗がいた。

せいいっぱいの「仙台らしさ」をカメラ(iphoneだけど)におさめる。

伊達政宗って、愛妻家だったみたいで好感度大
朝焼けがきれいだった
駅前の道幅の広い道は、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』の首相パレードを連想させる
おはようSENDAI

せめてもの、とずんだ餅と朝食を駅の売店で買う。店員さんとことばを交わしたとき、ほんの一瞬、かすかにサンドイッチマンを感じた。どのワードが、ってわけじゃないんだけど。

すごい。仙台味わえた。さすが仙台観光アンバサダーのサンドイッチマン!

でも朝ごはんに買ったのはおにぎり。

これがわたしの、せいいっぱいの仙台。

仙台味噌焼おにぎり
牛タンおにぎり

美味しかった。

お土産はずんだ餅

わたしの仙台は、以上です。

えーん、もうちょっとゆっくり楽しみたかったよう。伊坂幸太郎の聖地めぐりもしたかった。

またいつか、仙台に呼ばれますように。(わたしの「呼ばれる」とは、「行く理由ができる」という意味です)


6:40 はやぶさ95号

6:40発の「はやぶさ95号」にて新青森へ。

わ〜、すごいね、これに乗ってたら函館まで行けるんだ! 日本は繋がっている!

おお、はやぶさとこまちの連結!

はやぶさとこまちは盛岡で切り離される。鉄オタとしては切り離しの作業を見たいところだけど、乗り遅れたらこわいのでおとなしく車内で待機する。

6:40 仙台を出発。

車窓からの雪景色がきれいだった。

どんどん雪が濃くなる。北へ向かっている。

9:02 新青森到着

やっと、やっと、新青森まで到着。ホームに降りると空気がひんやりしている。雪だ。ああ、雪国のこの空気! ただ寒いのとは寒さの匂いが違う気がする。

新幹線でよぐ来たねし! うえ〜ん、ほんとに!

ねぶたがお出迎え

新青森駅でこぎんの柄を目にしたときは、マジで泣きそうになった。神戸からはるばる、津軽に来たよ〜!

9:11 特急つがる2号

すぐに特急つがるに乗り換える。写真撮ってる場合じゃない、急げ急げ!

待って〜、乗りま〜す!

窓の外はすっかり雪景色。

神戸市内→弘前 こんな乗車券、見たことない

とうとう、冬の津軽に来たんだね。

きれい

9:38 弘前、到着!

列車は弘前に到着。りんごやりんごやりんごを横目に見ながら、ダッシュでイベント会場の「弘前れんが倉庫美術館」へ。

りんご(後日撮影)
りんご(後日撮影)
また会えたね、りんごポスト


9:55 ゴール!

やっと着いたあああああああ!

弘前れんが倉庫美術館

会場に到着すると、もうお客さまがいっぱい入ってくださっている。荷物をガラガラと引きながら会場のうしろを横切って控え室へ。なんと本番数分前! 

「タケチさ〜ん! 間に合ってよかった〜!」
「タケチさん、お会いしたかった〜!」

みんながよろこんでくれた。来てよかった。

しかし次の瞬間、「写真とります!」と言われ、再会をよろこぶ間もなくスノーブーツを履き替えてすぐにスタンバイ。鏡を見ることもできないまま新聞社三誌の撮影に応じる。取材陣に写真を撮ってもらったらすぐに会場へ。

会場は満席。緊張するヒマもなかった。佐藤陽子先生と壇上で「わ〜!」と手を振り合う。ああやっぱり、来てよかった。

間に合った〜! 

▼そのときに撮っていただいた写真はこちら。まさかたったいま到着したとは思えない顔で笑っているのがわたし。

(お披露目会の様子は、また改めてレポートします!)

10:00 お披露目会スタート

そうして無事に、お披露目会はおひらきになった。あまりにも直前に到着したので、緊張するヒマがなかったことが、かえってよかったかもしれない。

何より、「やっと、この地に辿り着きました!」という、津軽に恋い焦がれる感じが、嘘っぽくなく出ていたと思う。

だって、ほんとに、うれしかったんだ。

恋する津軽に来れて。(もはや遠距離恋愛)

雪も恋しい


日本は長かった

日本は長かった。

西日本に生まれて関西に住んでいると、東京より北へ行くことは少ない。だから、東京より北はなんとなくぼんやりしている。それはたぶん、東北の人にとってもそうだろう。関西のことはよくわからないと思う。Aselectの佐藤さんだって最初、「名古屋と神戸って、近いですか? ついでに行けます?」って言っていたくらいだから。

飛行機で飛ぶと、スキップしちゃうから、「経緯」がわからない。そう、「経緯」って経線けいせん緯線いせんのことだ。布に例えると、経糸たていと緯糸よこいとのこと。

今回、新幹線で行くことで、立ち寄れてはいないものの、わたしの頭のなかで東北が地続きになった気がする。

阪神淡路大震災は、新幹線に乗れば新神戸から新大阪までほんの12分ほどの距離の間でのこと。都市直下型なので被害は大きかったが、支援が集中しやすく復興も早かった。東日本大震災は、わたしが新幹線で走ってきた約4時間もの間でおこったことなのだ。規模が違う。その圧倒的な現実はやはり、ショックだった。

通り過ぎただけではあったけど、わたしのなかで東北が地続きになった。縦糸と緯糸で頭のなかに編み込まれた。もう、どこか知らない、ぼんやりした空間ではない。地図や数字や記号じゃなくて、灯りがついていて、ひとが住んでいる場所。

地続きになる。それはやはり、意味のあることだったと思う。


まとめ

神戸から青森への長い陸路の旅でみつけたこと

  1. ピンチのときは今できることを考える

  2. 行けるところまで行く

  3. 「会いに行く」のが一番強い

  4. 新幹線に乗るときは充電コンセントを確認

  5. どんなときもいいことを見つける

  6. せいいっぱい「ご当地」を楽しむ

  7. 日本を地続きで考える

  8. 「経緯」を大切に


8000字もの長文を、最後までお読みいただいて、ありがとうございました!

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ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。 日本各地の布をめぐる「いとへんの旅」を、大学院の研究としてすることになりました! 研究にはお金がかかります💦いただいたサポートはありがたく、研究の旅の費用に使わせていただきます!