変化

アナログでテクノロジーを包み込む-変化する社会や言葉を許容するデザイン思考-

昨年、LEXUS DESING AWARD 2017にてpanel winnerを受賞しました。

詳細:https://www.lexus.at/lexus-brand/design-events/lda-2017/finalists/mass-production-to-unique-items/

受賞作品の名前は「Mass production to unique items」

大量生産され、破棄される陶器を移動可能な陶芸窯で焼き直すことによって一点物を超えた唯一無二の陶器作品を生み出します。

HEAPS MAGAZINEでの紹介:http://heapsmag.com/kura-cocolono-mass-production-to-unique-items-craft-upcycle-ceramic

この作品名は受賞後のブラッシュアップでLEXUS DESIGN AWARD事務局と話し合いながら決めました。

私がこの言葉を気に入った理由が「Mass production」という言葉と「unique items」という言葉の関係性にありました。

LEXUS DESING AWARD受賞時点での「Mass production」は「大量生産された」と訳せますが、私には「大量生産された(現代版の翻訳)」と「合理的に生み出された(未来版の翻訳)」の2つの意味を感じていました。

後者の「合理的に生み出された」は未来を想定した翻訳で、今後テクノロジーがより進化し、例えばAIが合理的で使いやすい陶器を多様なデザインと共に生み出し、3Dプリンターによって大量生産されるような社会が来たら・・・。

「Mass production」は時代が変化し社会が変わるとその意味合いも大きく変わります。

しかし「unique items」には普遍に近い価値があると考えています。

受賞作品では100円均一などの陶器を移動可能な陶芸窯で焼き直すことで、自然の釉薬が陶器に定着し「唯一無二の陶器」を生み出すという価値を提案しました。

燃料や焼く陶器の種類、陶器を窯から取り出すタイミング、焼く季節など、ありとあらゆる条件によってデザインが変化します。

その唯一無二性はいつの時代においても価値があると思います。

「Mass production」は社会変化と共に「大量生産された」から「合理的に生み出された」に変わりますが「unique items」は普遍に近い価値となります。

社会が変わって言葉や物の意味が変化しても、発想やデザインの力によって「変わらない価値を創造する」。それが許容するデザイン思考です。

時代によって変わる言葉や物の意味。その中から普遍に近い価値を生み出すことこそ、これからの時代に大切なデザイン思考だと考えています。

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