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【#05】イケてるエンジニアは己を知る。課題解決のための自己認識手法。

「イケてるエンジニアはココが違う!」をテーマに技術的で意識高い系の記事を投稿しています。こちらの目次に沿ってだいたい週1回ペースで記事を投稿していくので、この記事が「面白かった!」という方はフォローまたはシェアしてもらえると嬉しいです。

今回は、「イケてるエンジニアは己を知る。課題解決のための自己認識手法。」というテーマでお話します。自身が持っているスキルを自分で認識できてない、または、今後どのようなスキル獲得していこうかと考えているエンジニアには是非、知っておいて欲しい内容です。

前回の振返と今回の結論

前回、こちらの記事で「システムはユーザの課題に対して、解決策を提供している」というお話しました。

今回は「システム」を「私達自身」に置き換え、私達と世の中の課題の関係について考察していきます。

結論はこちら!
✅ 私達自身も社会の「課題」に「解決策」を提供する。
✅ 「解決策」を提供するために「できること」を認識する。
✅ 「できること」とは「理論」「実践」の合せ技1本!
では、いきましょう!

私達自身も社会の「課題」に「解決策」を提供する。

システムは社会の課題を解決することで、ビジネスを成功に導きます。それと同じように、私達自身も社会の課題を解決することで、自己実現を達成し、イケてるエンジニアに近づくことができると考えています。

例えば、心理学者マズローが「自己実現的人間」として選定した偉人達や、いわゆる「成功者」と呼ばれる人々を思い浮かべてみましょう。全ての人物が、社会課題の解決者ではないでしょうか?彼らは社会課題の解決策、つまり、「人が欲しがっているもの」を提供しているからこそ、結果的に世間から「偉人」や「成功者」と呼ばれているのでないかと思います。

水野敬也さんのベストセラー小説「夢をかなえるゾウ」に登場する関西弁の神様「ガネーシャ」は、主人公の青年に対し「人が欲しがっているものを先取りする」ことの重要性をこのように説いています。

「つまり、こういうことが言えるわな。『ビジネスの得意なやつは、人の欲を満たすことが得意なやつ』てな。人にはどんな欲があって、何を望んでいるか、そのことが見抜けるやつ、世の中の人たちが何を求めているかが分かるやつは、事業始めてもうまくいく。上司の欲が分かっているやつはそれだけ早く出世する」(人が欲しがっているものを先取りする
出典:水野敬也. 夢をかなえるゾウ

「人が欲しがっているもの」こそ、社会の課題に対する解決策に他なりません。そして、解決策を提供することが成功につながります。それは、普遍的な法則ではないかと思います。

「ウーバー」がアメリカ移民の課題を先取りして解決策を提供しているように、私達も個人レベルで、社会の課題を先取りして解決策を提供するような行動をとっていく必要があります

「解決策」を提供するために「できること」を認識する。

「個人レベルで『社会の課題を解決』って、ちょっとイメージできないなぁ。。。」と思われた方もいるでしょう。確かに、イメージできる人は少数ではないかと思います。では、どうしてイメージできないのでしょうか?もう少し、深堀りしていきましょう。

例えば、システム開発において、お客様から「会社に設置している機器の稼働状況を自宅でも確認したいんです。そんなこと、できます?」と相談を受けたとき、「技術的には可能です。詳細なご要求をお伺いできますか?」と回答できると思います。なぜなら、私達エンジニアはシステムの「できること」を暗黙のうちに認識しているからです。

尾原和啓さんの著書「ITビジネスの原理」では、インターネットの特長は私達の生活から場所と時間の制約を取り除くことだと解説されています。コロナ禍において、その利便性が全世界に一気に浸透したことはご承知のとおりです。この解説ように言語化できているかどうかは別として、全てのエンジニアが感覚的に認識している内容でしょう。

インターネットの最大の特徴は、空間(距離)的、時間的な制約なしに世界中を結ぶ、ということです。
出典:尾原 和啓. ITビジネスの原理 

一方で、私達自身の「できること」について、私達はどれほど認識しているでしょうか?

例えば、書籍「 AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 」において、トップ5%社員は自身の「できること」を認識して周囲に発信していると紹介されています。逆にいうと社会人の95%は、このような状態にないのではないでしょうか?

スキルや能力があるということは、「特定のことができる」と自己発信し、みんなに認められている状態にあります。
出典:越川慎司. AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 

孫氏の「彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず」の「己を知る」ができているかどうかということです。

私達は、システムの「できること」を暗黙のうちに認識しているので「システムが提供できる解決策」をイメージすることができます。一方で、自分自身の「できること」を明確に認識していない場合、「自分自身が提供できる解決策」をイメージできません。

私達がイケてるエンジニアに近づくためには、まずは自分自身の「できること」を明確に認識するところから始める必要があります。

「できること」とは「理論」「実践」の合せ技1本!

ただ、自分自身の「できること」といっても、ちょっと漠然としてますよね。どうしても主観や「このレベルで『できる』と言っちゃっていいのかな?」という心理が働きます。そこで、「できること」をより客観的に認識するために、「できること」=「『理論』を学び『実践』したことがあること」と定義してみましょう。

「できること」とは「理論」「実践」合せ技1本!というイメージです。逆に「理論」を学んだだけや「実践」したことがあるだけのことは、「できること」ではないということ意味します。

この定義は、展示会「ET West & IoT Technology」にて、慶応義塾大学 白坂成功教授によるシステムアーキテクチャのご講演の中で「人材育成は『理論』と『実践』の両輪が求められる」というお話を聴講し気付いた定義です。

また、この定義は自分自身の経験からも非常に納得感があります。

私自身、社会人になってからの数年間、システムのネットワーク設計業務を担当していました。しかし、当時は先輩が残した資料に従ってネットワーク設計を「実践」していただけで、体系的な「理論」を学ぶことはありませんでした。そのため、ネットワーク設計を「できること」として認識していませんでした。

しかし、その数年後、専門書「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 」に目を通して「理論」を学んだときに衝撃の気付きがありました。それは「え?オレ、全部やったことあるやん!?」という気付きです。

「理論」を学び直すことで、それまで行ってきた「実践」と「理論」が頭の中で有機的に結び付き「合わせ技1本!」という感覚になりました。それ以来、「できること」を認識手順として、以下のような思考を行うようになりました。

自分自身の「できること」認識手順
① 頭の中のデータマートに「できることTABLE」を作成
② 頭の中のデータレイクに溜まっている経験をFULL SCAN
③ 「理論」と「実践」の観点でETLし「できることTABLE」を更新

マニアックな表現ですいません(もっとイケてる表現があればコメント下さい笑)。

この「できることTABLE」の作成・更新は、全てのエンジニアの皆さんに是非やってほしいと思っています。1時間程度で、自分自身を見る目が変わります。自分を見直し、自分をより好きになることができるでしょう。

そうです。イケてるエンジニアは己を知っています

まとめ

今回の記事のまとめです。
✅ 私達自身も社会の「課題」に「解決策」を提供する。
✅ 「解決策」を提供するために「できること」を認識する。
✅ 「できること」とは「理論」「実践」の合せ技1本!

次回は、社会の課題に解決策を提供するイケてるエンジニア像について、考察したいと思います。

【参考書籍】

おまけ

慶応義塾大学 白坂教授のご講演動画。世の中に不足しているアーキテクト的な人材を目指すエンジニア、必見!メッチャ面白いです!こんな貴重なお話をタダで視聴できるって素晴らしい時代です。



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