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一休さんと一日暮らし

今朝は早起きしてしまった。最近は眠剤を飲むものの夜中に目が覚めることが多く、つい二度寝をすることが多かった。

今日は水彩画教室がある日である。近所の公民館で開かれていて、それでいながら教えてくれるのは美大の非常勤講師をされている一流の画家の先生だから、初心者ながら教わり甲斐があり、充実感もある。

しかし、今日は少し荷が重い。先月に水彩画教室の教室展があって繁華街のギャラリーで受付の当番をしたり、私用で一日通えなかったりと、教室に通うのに間が空いた。しかもである、なかなかやる気だ起こらずにここしばらくは部屋で課題を仕上げるのが進まなかった。はっきり言って今日水彩画教室に出かけるのが気が重いのだ。

先生から「あなた、全然描いていないじゃないの!」と叱責まで行かなくとも注意されるだろうし、大の大人が満座の前で恥をかくということもあり得るだろう。子供のための教室でもなく、一流の画家の先生がわざわざ時間を作って来られているのだ。それほど甘い教室ではないのである。

つまりは久々にやらかした。前々回に提出して指摘された部分を直した一枚と、昨日に急いで頑張って描いて、けっこう上手に描けた一枚の、合計二枚を今日は先生に見せるつもりだ。どう言われるかは分からないが。ちょっとした心配が募る。

いい大人が恥をかくのを怖がるというのも、自分としては情けない話ではあるが、ここで思い出すのは禅の教え「一日暮らし」である。臨済宗の中興の祖白隠禅師の師匠である正受老人のモットーで、生きるのも心配するのも今日一日で足りる。つまりは、今日一日だけを意識して精一杯生きなさいという教えなのである。作家の故水上勉さんがモットーにされていた言葉で、もちろん水上勉さんの禅に関する単行本も買った。

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥ということわざもあるが、叱られる(かもしれない)のも今日一日。叱責されるのも自分にとっては水彩画への取り組みを再確認するのに良い日取りかもしれない。日々是好日という禅の言葉がある。いろいろ注意されて、その後教室で二時間水彩画を描くという、ある意味心理的には落ち込みそうな体験もいい勉強になるかもしれない。今日は「一日暮らし」を意識してみたい。

話しは歴史的に有名な一休さんこと一休宗純禅師に移る。白隠禅師や正受老人という臨済宗の大物格の名前を出したので、白隠禅師と並ぶ名僧の一休宗純禅師を持ち出してみる。

一休さんは晩年に女性と暮らしたり、私生活が破天荒だったりと、破戒僧として名を馳せているが、あの室町時代に禅の教えを庶民に布教しようと、わかりやすい和歌である道歌を読んだり、京の街で説法したりと当時の出世欲のお坊さんにはありえない態度で庶民に臨んだ。ある意味浄土真宗の親鸞に似た部分があるのかもしれない。一休さんと親鸞の孫?の蓮如上人とは近江の国で面識が有ったりしたから、案外浄土真宗と一休さんは考えが近い部分があるのかもしれないと思う。

ところが、一休さんは有名な割に、曹洞宗の道元禅師と比べて読み応えのある書籍が少なかったりする。あっても分かりづらかったりするし。しかし、ようやく嬉しい本を手に入れた。出版されたばかりの禅僧枡野俊明先生の本「悩みを笑い飛ばす力」である。

さすが累計数290万部に迫る勢いのベストセラー作家のお坊さん、枡野俊明先生である。内容的に正しく読み応えがある。元々持っていた一休さんの本との整合性が取れ、ある意味リニューアルされて読み応えがある。内容を簡単に言うと、一休さんの道歌のように禅の教の根本がギュッと一冊に凝縮されたような内容だった。今日の午前中に絵画教室に出かけるが、あれこれ注意されると思う。でも、それも人生の中の一日。今日一日を大切にするという禅の教えを心がけて過ごしてみたい。

以下に禅僧で庭園デザイナーの枡野俊明先生の一休さんの新刊を貼っておくので、良かったら読んでみてくださいね♪


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