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財政健全化目標は、2025年度に達成可能か?:東京五輪後の日本の経済財政

東京オリンピック開会式の前々日、7月21日に、経済財政諮問会議において、内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」(以下、中長期試算)が報告され、2030年までの経済財政の見通しが示された。

五輪後の日本の経済財政はどうなるか。

中長期試算の1つのポイントは、政府が閣議決定している財政健全化目標が2025年度に達成できる見通しか否かである。

今年1月に公表された中長期試算では、経済成長率が高めと想定されるケース(成長実現ケース)でも、財政健全化目標(国と地方の基礎的財政収支黒字化)は2029年度にしか達成できないという結果だった。

基礎的財政収支とは、今年度の政策的経費を今年度の税収等で十分に賄いきれるかを表す指標で、目下大幅な赤字となっている。赤字ということは、今年度の政策的経費は、今年度の税収等だけでは賄いきれず、その不足分を借金を増やして賄っている状態である。

今般、7月に改訂された中長期試算では、財政健全化目標は、成長実現ケースで2027年度に達成できるという結果となった。

なぜ財政健全化目標の達成年次が2年早まったのか。そして、2025年度の目標達成は可能なのか。中長期試算の内容を精査して、その可能性を探る。


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