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サーモンの生簀から

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南米・チリで、サーモンの養殖産業を取材し、現場や現地の人の暮らしをお届け。環境への悪影響や、食品としての安全性が疑問視されることもあるチリサーモン。とはいえ、いろいろなところで目… もっと読む
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#コラム

交わらない正義が共在する一つの海

 約束の場所には、50隻ほどの漁船が停泊していた。やや遅れて到着したが、チロエ島・ダルカウ…

志田岳弥
4年前
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チリサーモンの加工場で働いた男の話

 さて、最近は何かと居候話になっていたので、今回は本来の主たる活動であるチリサーモンにつ…

志田岳弥
4年前
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偶然を引き寄せるため、歩く

 アルゼンチンから急いでチリに戻ってきたのは、赤潮早期予測システムの構築・運用を目指す、…

志田岳弥
4年前
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「個の時代」に個性より(?)大事な心得を、南米で教わる

 チリでのビザなし滞在期間を延長するために、アルゼンチンのネウケンという都市にやってきた…

志田岳弥
4年前
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最悪で最高なチリサーモンの渦にハマる

 四六時中、チリのサーモン産業について考えている。それもそのはず。文献を読んだり、事業者…

志田岳弥
4年前
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チリサーモンのサステナビリティレポートを読む。抗生物質?ASC認証?

 チリにはSalmón Chile(サルモン・チレ)という、サーモン養殖事業者やその関連企業で構成…

志田岳弥
4年前
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他力本願な人脈よりも、情報源としての人脈で前進する

 業界紙の記者をしていたころ、オフィスにいることは恥ずべきことだった。なぜなら、机に突っ伏していても業界の動向は分からないから。怠惰な記者だったぼくは、人と会いまくったけれど一文字も記事を書かなかった日もあったくらい。だから毎日誰かと合わないといけないみたいな恐怖症が、まだ若干残っている。そんな恐怖症から昨日予約したセミナーに参加してきた。短い記者時代にそうしていたように、誰かと会って情報を取り入れることで業界を知ろうとした。これから書くことはタイトルに集約されているから、時

チリのとある島についての論文を読んで

 アルゼンチンの大学に在籍するある政治学博士の論文を読んだ。チリの港湾都市・プエルトモン…

志田岳弥
4年前
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シンプルな言葉は本当に伝わっているか

 チリでスペイン語(西語)を扱う日々を送っている。宿の近くの小さな売店で、洋梨を買うとき…

志田岳弥
4年前
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日本人の踏跡を訪ねて:白石博士孵化場

 7月前半は、チリ南部のアイセン州で過ごした。半分はサーモン養殖会社の拠点で取材(別note…

志田岳弥
4年前
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外来産業と外来種の共通項

 チリのサーモン養殖は、かなり独特な産業だと思う。輸出金額では、トップ3に入ろうかという…

志田岳弥
4年前
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フィヨルドの静寂と広漠

 いわゆるパタゴニアと呼ばれる地域にある、養殖会社Cooke Aquaculture Chile(以下クック)…

志田岳弥
4年前
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【後編】サーモン養殖産業の源流では、いかしたグローバル企業が活躍している

 前回の種苗会社に続き、サーモンの養殖用飼料を生産するグローバル企業を紹介したい。餌は、…

志田岳弥
5年前
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【前編】サーモン養殖産業の源流では、いかしたグローバル企業が活躍している

 6月26日、27日は、チリのサーモン養殖産業の源流ともいえる2社を訪ねた。一つはHendrix Genetics(ヘンドリックス)。25カ国に拠点があり、チリではサーモンの種苗会社として機能している。遺伝的な改良を重ね、よく成長し免疫力もりもりな養殖に適したサーモンの卵を、養殖会社に販売している。二つ目はSKRETTING(スクレティング)で、養殖用の飼料を生産する会社。2社には「サステナビリティ」が共通している。チリにとっては外資系企業になる2社での会話は、まるでどこかの