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すする「啜る」❗

大切にしたい日本の食文化

      先日テレビで、外国人が日本の食文化についてコメントするバラエティー番組があった。
      出演していた外国人は、欧米人はもとよりアジア、アフリカ、中東系など、偏りがなくいろいろな方から、自国の食文化と比べての日本食にたいする批評が聞かれて、なかなか面白かった。
     日本食といえば
             寿司、天ぷら、ラーメン、そば
といったところがメインなのだろう。
     それらの日本食にたいするコメントが多かったが、一番頭に残ったのが、東南アジア系の女性のコメントで、それは
           日本は、麺類をすすることができる
           自分の国では、麺類をすすることは
           マナー違反だが、日本ではOKなので
           日本に来たら、ラーメンやそばを
           すするのが楽しみです

というものだった。
    これを聞いて、司会の日本人男性が、他の出演者に、麺類をすすることについて話をふっていたが、全ての方が
               麺類をすする食文化がない
               自国では、すするのはマナー違反
などととコメントしていた。
    驚いたのは、中国や東南アジア系など、食文化的には、日本に近いものがあり、箸を使う国々でさえ、麺類をすするということに対しては、否定的な意見が多かったということだ。
    ということは、「啜る(すする)」という食べ方は、日本だけだろうかと思って、ちょっと調べてみた。
    すると国語辞典的解釈でゆけば、啜るとは
         液状のものや麺類を、音をたてて
         吸い込むようにして、 口のなかに
         入れる食べ方
ということらしい。
    またその由来は、蕎麦(そば)を食べる時に、啜ることで蕎麦の香りを鼻からも味わうということから始まっているようで、どうもその食べ方が、麺類全般に広まったらしい。
(但し、諸説あるのであえて断定はしない。)
     そして、蕎麦をはじめ、今でこそ日本食の定番ともなっている、寿司、天ぷらについても、もともとは江戸時代の屋台から始まった庶民の食べ物で、寿司を手で摘まんだり、麺類を啜るのも、マナーにこだわらない庶民的な食べ方だったのかもしれない。
    確かに、外国人からみれば、自国にはない
「啜る」という食べ方をする日本人は、当初は奇異なものに思えたかもしれない。
     それが今や多くの外国人が、日本に来れば、美味しそうにラーメンや蕎麦を啜って、寿司を摘まんでおり、自然とジャパニーズマナーを受け入れている。
    おまけに、今や日本食は、ユネスコの世界文化遺産でもある。
    ということは、「啜る」という食べ方も十分尊重に値するものだ。
     何も食そのものだけが、食文化ではない、
食べ方も食文化として、大事にしなければならない。
      中東の国々では、食事を手で直接取って食べるが、あれも立派な食文化なのだ。
     フォークとナイフで、音を立てずに静かに食べる食べ方だけがワールドスタンダードではないのだ。
     日本人よ。
     長い食文化に裏打ちされた「啜る」いう食べ方に自信を持って、おおいに啜ろうではないか。
       季節もだんだん寒くなり「啜る」出番が増えてきた。
      たまにはラーメンでも
                   「啜り」
に行くか☀️❗

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