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メタンハイドレートて何?

遂に日本が資源大国に!

 先日ニュースで、西村経済産業省が
   2023度内にメタンハイドレート
   開発計画を策定
ということを報じていた。

 メタンハイドレートとは海底資源のひとつで、メタンを主成分とする化石燃料のことである。
 海底では氷状態で存在することから、別名は「燃える氷」とも言われている。
 メタンハイドレートそのものは、1930年代はじめにシベリアの永久凍土から見つかっていたので 、その存在はかなり昔から知られていたことになる。
 ただ海底深く存在することから、その拙作技術がなかなか確立されず、コストの面からも石油や天然ガスにはかなわず、長年夢の資源と言われてきた。

 その後日本近海には、天然ガスに換算して約100年分のメタンハイドレートが眠っていることも判明した。
 おまけに日本近海に存在する海底資源は、メタンハイドレートのみならず石油や天然ガスなどこれまでのエネルギー資源はもとより、レアアースなど中国がそのほとんどを牛耳っている最先端産業に必要な希少金属まで多量に眠っていることが判明し、日本を「隠れた資源大国」と言う人も現れるほどなのだ。
 実際これを資源化できれば、日本は資源大国となることも夢ではないのである。
 実は中国や韓国が尖閣や竹島を領土問題にしている真の狙いは、我が国領海や排他的経済水域内に存在するメタンハイドレートやレアアースなどをはじめとした莫大な海底資源なのだ。

 このメタンハイドレートの開発計画については、今は亡き安倍総理の政権時に
   2018年までに具体的な計画に着手する
というような構想もあったらしいが、なぜか頓挫して現在に至っていた。
 その理由は、近年になって世界規模で言われるようになった
   温室効果ガス問題
である。

 メタンハイドレートの主成分であるメタンには、二酸化炭素の約20倍の温室効果ガスが含まれているため、別名「悪魔の資源」とも言われており、これを資源化すれば脱炭素に舵を切っている世界の潮流にそむくことになるのである。

 このことが足かせとなって、その開発には二の足を踏んでいたところであるが、最近メタンに含まれる二酸化炭素を常温常圧で個体にする技術が開発されたのである。
 また拙作技術も近年目覚ましく発展し、商業化できるレベルまで到達したことから、そのことも踏まえて今回の開発計画発表となったのであろう。

 もし、日本近海の海底資源の商業化が軌道に乗れば、石油や天然ガスに頼らずとも自国でエネルギー資源を確保できるという、他国から見れば夢のような構想も現実味を帯びてくることになる。
 ちなみにメタンハイドレートを天然ガスにかわるエネルギー資源として利用することになれば、そのコストは天然ガスの10分の1程度らしい。
 そうなれば、石油や天然ガスで世界を牛耳っているサウジアラビア諸国やロシアはこのことを看過できないはずだ。

 問題は、日本が具体的に海底資源の開発に着手した場合に予想されるそのような国からの外圧をどのように解決していくか。
 このことのほうが大きな問題となるであろう。
 なにせ世界のエネルギー事情が一変するような事態になるかもしれないからだ。
 ただウクライナ情勢が混迷を極める現在、ロシアからの天然ガス輸入に自国のエネルギー資源を頼っている国にとっては朗報となるかもしれないが、世界には日本の大国化を望まない国も少なからず存在する。

 もし日本が単なる経済大国だけではなく、資源大国にもなるということになれば、アメリカだっていつ手のひら返しをするか分からないかもしれない。
 なにせ先の大戦前までは、日本がアジアで大国化することを恐れてそれを圧倒的な軍事力で潰し、戦後も日米安全保障と称して、自国の軍隊を日本の隅々に駐留させているほどである。
 むろん、それに甘えて自国の防衛を他人まかせにして経済的繁栄のみを追求してきた日本人にも責任はあるが、もし日本が資源大国化を望むのであれば、その前にやるべきことは自衛隊の国軍化であろう。
 自国の防衛を他人任せにしているようでは、真の独立国とはいえない。

 ただ外圧に弱い日本政府ではあるが、最近はその傾向も少し変わってきているように思う。
 今中国は、日本が原発の処理水を海洋放出することに対して、国際社会で唯一
   汚染水の放出だ
などとクレームをつけている国で、日本からの海産物輸入に伴う検査を強化している。
 IAEAが科学的根拠に基づき問題ないとしているのにである。
 ところがこれまで中国からの外圧に弱かった政府は、なぜかこの問題については処理水放出の方針を変えず、林外務大臣をはじめ外務省までもが一体となって、世界に日本の原発からの処理水放出が問題ないことを情報発信しており、中国に対して冷静な対応を求めている。
 このようなことは今までなかったことである。

 中国が今恐れているのは、日本の原発が処理水の問題をクリアすれば原発が完全稼働してエネルギー問題が解決し、日本経済が軌道に乗って再び中国をGDP(国内総生産)で追い越すことだ。
 実際、中国は今不動産バブルの崩壊、40パーセントを超えると言われている若者の失業率、米国からの経済制裁、国内からの外資系企業の撤退など、未曾有の経済的危機に直面しているのである。
 
 このように、近い将来日本が資源大国となるためには、世界に情報発信をして日本の味方を増やす努力が必要になるだろう。
 日本では「沈黙は金」という諺がある。
 これは
   沈黙することは多くを語る以上に
   価値がある
つまり
   下手な弁解や言い訳をするくらい
   なら黙っていたほうがましだ
という意味だが、それは世界では通用しない。

 日本には先の大戦前に、当時の中国やその後ろだてとなったソ連による反日プロパガンダに毅然とした反論をすることなく泥沼化する日中戦争に引き摺り込まれ、その後国際社会からも孤立せざるをえなくなったという苦い過去もある。

 これからは、今回の処理水放出を巡っての情報発信のように、日本も世界に向かって自分の立場や主張を正々堂々と主張していくことが非常に大切になるだろう。
 言われなき誹謗中傷に対しては、毅然として正論で対応すべきだ。
 
 日本の資源を求める人もたくさん出てくるはずだ。
 そのような人に向かって、日本が新しい資源大国として自国の利益のみを追求するのではなく、世界に貢献していくということをアピールすることが重要だ。
 その先に資源大国という明るい未来が実現する。



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