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あなたの人生が大きく変わる『ゴール設定』の3つのポイント~認知科学コーチング Vol.1~

こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
こちらのnoteでは、認知科学に基づいたコーチングについて、知っておくべき用語の解説、コーチングの実践方法、コーチングの事例を解説しています。

堀内は何者か、なぜコーチングを始めたのかは以下のnoteをご確認ください。

数回にわたり、認知科学コーチングを実践するコーチ、コーチングセッションを受けるクライアント両者が知っておくべき用語について解説しています。

1回目は、「あなたを無意識に支配している『ビリーフシステム』とは?」ということについて書いています。

すべてつながっているので、ぜひ前回のnoteをざっと読んでから、今回のnoteを読んでみてください。認知科学コーチングの考え方や用語の整理ができると思います。

今回は『ゴール設定』について解説します。


『ゴール設定』をする理由

そもそも「ゴール」とは何か?

ゴールとは「生きる目的」である

生きる目的は何よりも大切なことですが、日々生きる中で忘れている、または考えることを止めている、という人が多いのではないでしょうか。会社ではパーパスやビジョンと言った言葉が使われていることが多いですね。また、個人ではリクルートのフレームで有名な「Will / Can / Must」フレームのWillに集約される部分のことですね。

言葉は自分の中でしっくりくるものを選べばよいと思いますが、認知科学コーチングでは「ゴール」を使いますので、認知科学コーチングのセッションを受ける方は、まず「ゴール」という言葉を頭に入れておいてください。

あなたの人生にとって、ゴールを設定をすることがなぜ大切なのか?

前述したとおり、自分の人生のゴール設定をしていないという人の方が多いと思います。問題はゴール設定をしなくても生きることができてしまうことです。

しかし、考えてみましょう。ゴールのないマラソンを走っていて楽しいでしょうか。カーナビに目的地を設定しないまま走っていて、ちゃんと遠くの目的地にたどり着くでしょうか。ゴールのないマラソンはすごく疲れますし、そもそもマラソンをしている意味を考えて立ち止まってしまいますね。また、カーナビで目的地を設定せずに遠い目的地に向かうことは不可能、または、非生産的ですよね。

人生のゴールは設定していないけど、人生はめちゃくちゃ楽しくて何の不満もない!私の人生最高!と言い切れる人はいいのですが、人生に疲れている現代人が増えているのは、VUCAと呼ばれる先の見えない時代において、自分のゴールを設定していないことがひとつの原因なのではないかと考えています。

ゴール設定が必要な理由は5つあると考えます。

理由①:ゴールがなければ、自己破滅、死が待っている
ロゴセラピーという心理療法を確立したヴィクトール・フランクルは言いました。

「人間にとって、理想や目標を持つことは不可欠だ。目標なしでは死んでしまうか、自己破滅的な行動に陥る」

彼の言葉が証明されたのは朝鮮戦争です。朝鮮戦争では、アメリカ史上どの戦争よりも捕虜が死亡しました。それは精神的拷問によって捕虜の生きる目標を破壊するということが行われたからです。仲間を密告するものに報酬を与えられたり、恋人や家族からの捏造された絶縁状を見せたりと、徹底的に捕虜たちの将来への希望を打ち砕いたのです。

捕虜たちは生きる希望を失い、まだ18歳から23歳ほどの若者がなんの肉体的原因もないまま死んでしまいました。この現象は「あきらめ病」と名付けられ、その後、子どもたちに見られる「引きこもり行動」と同じであることがわかりました。

結婚生活が長い夫婦のどちらかが死ぬと、残された方もすぐ後に続き死にます。また、何の目標もないまま退職した人は退職後平均18ヵ月で死んでしまいます。人は目標を持つか、死んでしまうか、どちらかしかないのです。つまり、目標をあきらめると、あるいは目標を持たずにいると、体の全機能が停止するのです。

理由②:意識的に自分にゴールを与えないと、代り映えのない日々を送る
自分自身に新しい理想、イメージ、向かうべきゴールを与えないと、明日は今日と代り映えがしないものになり、それどころか昨年と比べてもほとんど変化のないものになるでしょう。

人の潜在意識は現在の支配的なイメージを複製します。人々が型にはまった日常を過ごし、同じ仕事を来る日も来る日も続けることを自分に許してしまうのはそのためです。一般に、私たちはそれを「マンネリ」と呼んでいます。

マンネリに侵されないためにも、ゴール設定は絶対に必要です。私たちは、自分が考えるものに向かい、自分が考える人間にしかなれないのです。

理由③:自分自身でゴールを設定しないと、他人に使われる人になる
自分自身でゴール設定をしないと、あなたは周囲の動きにただ同調するだけになります。怠惰になったり、不安になったりして、自分で考えることができなくなってしまうのです。

極端な例は、DVを受ける人がDVをする人の言いなりになってしまうことがそれです。自分自身のゴールを持たず、また、考える思考が奪われているので、DVをする人のゴールに追従することが全てになってしまうのです。

「これはどう?」「ああ、それはいい考えだ。そうしよう。」
「これをしない?」「それはいいね、そうしよう。」
そうやって、いつものメンバーと、いつもの店で、いつものビールを飲む人生が繰り返されていきます。

理由④:ゴール設定によって、挫折への抵抗力をつける
ゴールを設定することで、すべての挫折を一時的なものにすることができます。一般的に「レジリエンス(回復力)が強い」と言われる人は鋼のメンタルではなく、明確なゴールを持っているのです。ひとたび価値あるゴールを決め、そのゴールに向けて自分自身を奮い立たせると、人は粘り強くなれるのです。

日々生きていれば様々なことが起きます。あなたの心が傷つくこともあれば、失敗して落ち込むこともあると思います。しかし、ポジティブなゴールに対して向かっている人であれば立ち直りは早いのです。

「この事象によってゴール達成に近づいたな」「むしろこの失敗によって気づけて良かった!」「これは自分のゴールに対してどうでもよいことだから関係ないや!」一瞬はみんな落ち込みます。テンションも下がります。しかし、ゴールを設定している人は、上記のようにV字回復が早いのです。

マザーハウスの山口絵理子さんは「ビジョン以外は方法論」と言って、どんな壁にぶち当たっても「方法がだめなら変えればいいだけだ」と考えていたそうです。蛇足ですが、山口絵理子さんが大事にしていたのは日々の散歩と日記を続けること。このような行動もゴールに向かうために大事なのですが、それは別のnoteで解説します。

理由⑤:ゴール設定によって、ポジティブな副産物が生まれる
ゴールを設定することで方向性が見え、創造的エネルギー、モチベーション、自尊心、意欲、がわいてきます。

誰かに相談してヒントをもらった時のことを想像してください。「確かに!」「その通りだ!」「それやってみよう!」「だったらこういうのもいいかも!」「なんかワクワクしてきた!」このような気づきや悟りがまさにゴール設定がもたらすポジティブな副産物です。

ゴールへの道が見えたことで、今まで見えていなかったものが見え始めます。今まで見えていなかったものが見え始めることで、ゴールに近づくイメージがより具体化してきます。アイデアがどんどんわいてきて、すぐにでも動きたい欲求にかられるでしょう。これが別のnoteで解説する、ゲシュタルト、コンフォートゾーン、アファメーション、RASとスコトーマというものの働きによるものです。これらが機能するためにも、何よりもゴール設定が重要になるのです。

ゴール設定をするうえでの『3つのポイント』

ここからは認知科学コーチングにおける、最も大切な「ゴール設定」について解説していきます。認知科学に基づくコーチングで特に扱うゴール設定では「3つの条件」があります。

①本音のwant toであること
②現状の外側に設定すること
③人生における大切な指標の全てでゴールを設定すること

それぞれ順に解説していきます。

①本音のwant toであること

ゴール設定において大切な条件のひとつ目は「本音のwant toであること」です。本音の本音で、やりたい!と思うことってありますか?誰かの期待に応える、とかそういう話ではなく、自分自身が心の底からやりたいことです。

組織にいるとその組織のルールに従うことが当たり前になっています。よって、口では「やりたい」と言っていても、実は「やらされている」ことが多いのです。親や家族の期待に応えたい、顧客に満足して欲しい、評価されて給料をUPしたい、そういう想いが勝ってしまって、最初は純粋にやりたくて始めたことでも、「やらなきゃいけない」という表現を無意識に使っていることってありませんか?

集団行動の中でしか生きていけない人間にとって、want to(=やりたいこと)とhave to(=やるべきこと)をきちんと分けるのは至難の業です。

よって、認知科学コーチングでは、want toとhave toの境界線をわかりやすくするために、want toを以下のように定義しています。

wan toとは、
「期待に応えたい大好きな人や、権威的な人から強制、または禁止されたとしても、それでもなおやってしまうこと」

「音楽は止めて普通に正社員として働いて」と恋人から言われているのにミュージシャンの夢をあきらめずに続ける人はわかりやすい例ですが、こういう例を出すと、そこまでやりたいことはない、と言う人がほとんどだと思います。

自分のwant toはもっと身近にあります。
例えば、私であれば小学校の鬼のような先生から「裏門から出るな」「横断歩道以外のところで道路を横断するな」と口酸っぱく注意を受けていましたが、守ることはしませんでした。それは裏門から出た方が圧倒的に家に着くのが早いし、車が来ていないのをきちんと確認できれば横断歩道がない場所で横断する方が効率的だったからです。その様子を見つかるたびに叱られていましたが、何度も続けました。

ここからわかるのは、自分自身の中に「速さ(早さ)が何よりも重要」ということや、「人に迷惑をかけないルールを守るよりも自分で決めたルールを守りたい」というwant toが強くあるということです。

図解すると以下のようなイメージになります。

「 have to」と「want to」の違い

とはいえ、1人で自分自身のwant toを見つけるのは難しいと思いますので、そのためにコーチがいます。コーチングセッションでは、ご自身の過去体験を時系列的に書き出すことで、自身のwant toをあぶりだすワークを行います。

②現状の外側に設定すること

ゴール設定において大切な条件のふたつ目は「現状の外側に設定すること」です。認知科学コーチングでは、現在の状態のままいけば十分に起こりうると予測される未来は「現状の内側」にあると定義しています。

例えば会社員の人が、年収を5,000万円にする、取締役になるといった類のゴールを設定しがちなのですが、このようなものは全て現状の内側のものです。

では、現状の外側とはどういったものでしょうか?それは以下のような点を抑えているものです。

・ゴール設定時点ではプロセスが全く見えない。想像もできない。
・本当にやることを想像すると怖くなる
・周囲の人間が止めた方がいいと言ってくる

例えば、ワンピースのルフィが「海賊王になる」って決めるやつですね。あれは現状の外側にあるゴールです。今(2023年12月現在)でこそ相当強くなったルフィですが、連載開始当初はただ体が伸びるだけの人間でした。仲間もいない、船もない、方法もわからない、だからこそ「海賊王になる」ということを公言すると聞いた人から嘲笑されました。「お前には無理だ」そんな言葉をたくさん浴びせられました。こんな状態のものが「現状の外側のゴール」だと思ってもらえると良いかと思います。

つまり、ゴールは過去の経験や現在の延長線上にあるものから考えるのではなく、まったくゼロの未来に旗を立てるイメージで「作る」という感覚です。

「探す」アプローチではないからこそ、自分一人で設定するのはほぼ不可能無理なんですよね。だからこそ、コーチがゴール設定のために介入していきます。この介入のアプローチが一般的なコーチングとの大きな違いといえます。

「現状の内側のゴール設定」と「現状の外側のゴール設定」の違い

③人生における大切な指標の全てでゴールを設定すること

ゴール設定において大切な条件の三つ目は「人生における大切な指標の全てでゴールを設定すること」です。コーチングセッションを希望される人のほとんどが、仕事のゴールを作ることを期待してやってこられます。しかし、仕事のゴールを達成しても、健康を害していたり、家庭が崩壊していては意味がないですよね。

よって、コーチングセッションでは以下の8領域に対してそれぞれゴール設定を行います。これを「オールライフでのゴールを設定する」と言い、8つの目標をまとめた以下のような図を「バランスホイール」と言います。

バランスホイール

それぞれの領域の定義は以下の通りです。

仕事    :身銭を切ってでもやりたいこと。人の役に立つこと。
趣味    :身銭を切ってでもやりたいこと。人の役に立たないこと
人間関係  :仕事とプライベートの人間関係
家族    :両親やパートナーや子どもにとって自分はどう在りたいか
社会貢献  :自分の利益ゼロで自分の重要度の外への貢献(慈悲心)
知性    :抽象度を高める、体系知識を身につける学び(生涯学習)
健康美容  :上記ゴールに対して必要な運動・栄養・休息・美容の在り方
ファイナンス:上記ゴールを実現している際に必要な収入

オールライフのゴールを達成できると素晴らしいと思う一方で、こんなにたくさんの目標を掲げても達成できるのか、ゴール達成に向けての時間をとれるのか、という疑問が出ると思います。これはマインドのカラクリによって「できる」と言い切れます。ただし、それには、上記3つのポイントを押さえたゴール設定があればこそ達成できるのです。コーチングセッションでは、この3点をしっかり押さえたあなたのゴール設定への介入を行いますので、ご期待いただければと思います。

ゴール設定が不安という方へ

ワンピースの例を出したことで、わかりやすくも不安になった人もいるかと思います。そんなゴールを掲げることができたら素敵だと思うが自分にはむりなのではないか、、そう考える人が多いでしょう。

私自身もそうでしたが、マインドのカラクリを理解しゴールに対する臨場感が高まれば、その不安は解消します。それには、もう少し前提の理解を深めてもらう必要がありますので、次回は、ゴール設定によって目に見える世界が一変する「RASとスコトーマ」について解説したいと思います。


コーチングのモニターを募集します

ここまでのnoteを読んでいただき興味を持っていただいた方、これから書き連ねる他のnoteを読んでコーチングを受けてみたいと思った方に対してモニターセッションを実施させていただきたく思っています。

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また、僕と全く面識がない方からのご応募もお待ちしています。当然、知らない人にコーチングをお願いするのは躊躇いもあると思いますので、僕はモニターセッション開始前に自己開示を兼ねて認知科学コーチングについてのアウトプットを始めることにしました。デビュー前にファンを作るジャニーズJr.戦略です(笑)僕のことを知らなかったけど、僕のアウトプットを見て興味を持った方は、是非、以下のフォームからご応募ください。

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それでは今日も素敵な一日を!


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