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【キャリアストーリー】「好き」を追求したらキャリアに行き詰った??~外さない転職編②~

こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは『「好き」を追求したらキャリアに行き詰った??~外さない転職編①~』というキャリアストーリーについて書きました。

29歳の花子さんがどういう人物かを理解するために、下記のnoteを確認してペルソナをイメージしたから読み進めてください。

今回のnoteは転職編の続きです。
前回のnoteの再掲ですが、30歳が間近に迫り、将来性を見越した転職を行う上で重要なポイントは以下のとおりです。

転職活動のポイント

今回のnoteでは、ポイント「2」について解説します。

2.経験や熟練性のレベルと業績が比例しやすい職種を選ぶ

前回のnoteを参考にして、希少性が高い職種を選んだとします。しかし、経験や熟練性を極めたとて、業績に比例しづらいのであれば報酬は上がりません。当たり前のことを言っているのですが、そこに気づいていない人は意外と多いです。それは、人はどうしても「働いた時間」や「働くにあたって消耗したエネルギー」と報酬を等価交換したがるからです。「頑張ったのに給料が上がらない」と言っている人はその典型ですね。

頑張ったから給料が上がるのではなく、頑張った結果、業績が向上したから給料が上がるのです。つまり、経験や熟練性のレベルと業績が比例しやすい職種を選ぶと、頑張った分だけ成果が上がり、自分の成果が会社の業績に繋がり、自分の報酬UPとなって返ってくる、というスパイラルが作れるわけです。

経験や熟練性のレベルと業績の関係


具体的にどういう職種なのか。まとめると以下の通りになります。

比例しやすい職種と比例しづらい職種


ひとつづつ解説していきますね。

①知識集約型職種 V.S. 労働集約型職種

「知識集約型」の職種とは、人間が持つ知識や情報を活用し、高度な技術やサービスを提供する職種のことです。知的労働力、つまり専門知識を要求される頭脳労働が中心になる業務です。例えば、IT関連職種、士業やコンサルタントなどの「先生」と言われる職種などが挙げられます。

対して「労働集約型」の職種とは、人間が肉体的労働力を使ってサービスを提供する職種のことです。例えば、接客、介護、運送、などの職種が該当します。機械化や自動化できる範囲が制限されているため、人間が手足を使う必要があります。人間には体力の限界があるため、働く時間が制限されます。

頑張れば成果が出るのはどちらも同じです。しかし、知識集約型職種は、上記の「経験や熟練性のレベルと業績の関係」のスライドのオレンジの矢印のように「指数関数的」なグラフを描けるのに対し、労働集約型職種は、紺のグラフのように「一次関数的」なグラフになります。つまり、知識集約型職種は、労働1に対してアウトプットされる業績が大きく、労働集約型職種よりもレバレッジがきく職種であると言えます。

人は年齢と共に体力は目減りしていきます。よって、レバレッジをきかせる目的だけではなく、長く働くことを目的にする場合においても知識集約型職種を選ぶ方がいいでしょう。若い人は元気なのでなかなかこの視点に気づけないのですが、体力は間違いなく落ちます。気合根性を頼らず、仕組みに頼る思考を身に着けましょう。気合根性は万が一の状態が起きた有事に使うモノであり、平時から使うモノではありません。

②管理職 V.S. 一般職

管理職は部や課といった組織単位ごとにおいて、企業の指揮命令を労働者に伝えていく立場です。一方で、一般社員は組織内において管理職の指揮命令に従う立場です。

経営学者のピーター・ドラッカーは、管理職の仕事として以下の5つを挙げています。

目標の設定
チームの編成
モチベーションの向上とコミュニケーション
現状の把握
人材の開発

お分かりの通り、管理職は知的労働職種と類似しています。専門知識ではないですが、高度なマネジメント能力を要求される頭脳労働職種です。よって、一般職よりもレバレッジをきかせることができます。

知的労働職種と違い、高度な知識を獲得しなくても、経験の中で上記の5つのスキルを身に着けることはできます。また、知的労働職種の専門職種よりもツブシが効きやすいです。なぜなら、組織が拡大するほど管理職が必要とされるため、業績の成長を望む企業であればどの企業でも管理職は必要だからです。

下記の記事でもお伝えしたように、30代後半以降の転職では管理職経験が必須となるケースが多いです。

花子さんのように管理職の打診がきたのに断るのは非常にもったいないことです。管理職になりたくないという人の声を聴くと、部下をマネジメントする分、より自分の時間を割くイメージを持っている人が多いように思います。管理職初心者は一時的に労働時間のボリュームが増えることもあるでしょうが、上記で伝えたように、管理職は本来は知識集約型労働者に近く、時間をかけずにレバレッジをきかすことができる職種です。修業期間は必要ですが、上記の5つの能力を身に着けることで、労働時間短縮ができます。是非、怖がらずにチャレンジして欲しいと思います。

③顧客接点が近い職種 V.S. 顧客接点が遠い職種

顧客接点が近ければ近いほど、自身の業務成果と業績の相関性が明確になります。営業職や接客職はその典型ですね。逆にバックオフィスと言われる職種は顧客接点が遠いので、自身の成果によって業績にどう影響したのかは見えづらくなります。相関性が明確であれば、企業は当然、業績に応じた報酬を従業員に支払うことを厭わなくなります。

ここでポイントなのは、顧客接点とは自分と顧客という物理的な接点だけではないということです。サービスサイトお客様が直接使っているプロダクトなども、顧客接点が近く、情報や体験といった提供価値の変化によって、業績を向上させることにダイレクトに繋がります。特に今はデジタルの力によって顧客のレスポンスが測定できるようになったため、アナログの広告や製品と違い、それらを作るマーケター、デザイナー、エンジニアなども顧客接点が近い職種となりました。

また、職種の中でも業務によって顧客接点の近さは分かれます。例えば人事の機能だと、採用は近く、労務は遠いわけです。厳密には採用担当者が近いのは候補者であって顧客ではないのですが、採用対象となる営業職の人材を採用担当が扱うプロダクトだとすると、そのプロダクトの如何によって業績にダイレクトヒットするので、顧客接点が近い職種として分類しても良いと考えます。

このように考えると、①②と違い、③は必ずしもこの職種は近い、遠い、とは決めきれず、業界や業務機能によって違ってくることがわかります。ただし、レスポンスが正確に取りやすいという意味では、ITを絡める働き方が必須だと考えます。ITの必要性はここで語る必要もないくらい必須事項です。いまだにITへの苦手感を持っている人もいますが、専門スキルを磨かないとしてもリテラシーは必ず高めるようにしてください。

スキル:専門知識を使える力
リテラシー:専門知識を理解できる力

リテラシーがあれば、IT専門職種の人たちと会話ができるので、プロジェクトメンバーに入れますが、リテラシーすらないと会話ができず、共に仕事をすることは不可能になります。Chat-GPTに代表されるような新たなデジタルプロダクトが出た際にはいち早く使いこなすなどして、リテラシーを高める努力をしましょう。

常に業績について考える癖をつけましょう

①②③について説明してきましたが、重要なのは、自分の業務によって業績にどうヒットするかを考えることです。

経営者は常に業績について考えています。採用するのも、投資するのも、コストはかかりますが、それ以上に業績に跳ね返ってくるなら実行します。この感覚を皆さんも持って欲しいのです。この感覚を持っている人は、自分を採用することでどれくらい会社が成長するかを説明できます。上司と目標を立てるときにも、自分の業務によってどれくらい業績が上がるかを考えて目標を立てれば、成果は上がったのに報酬は上がらなかった、なんて事象はなくなります。

例え③における「顧客接点が遠い職種」だったとしても、自分の目標を定量化し、その定量目標を達成すればどれくらい業績にヒットするかを論理的に説明できればいいのです。そういう人材は必ず結果が出ますし、経営にも上司にも尊ばれます。よく採用の世界では、「この候補者は金のにおいがするかしないか」について議論します。これは、候補者が金に対する欲があるのではなく、上記のように、自身の業務及び生産価値と業績の関連性についての視点を持っているかどうか、ということです。

このような視点を持っている人は必ずレバレッジについて考えるようになります。そうすれば自ずと①②の職種を選ぶようになります。必ずしも①②③の職種を選ばないという人がいたとしても、「頑張ったのに成果が上がらない」という考えにはならないはずです。大事なことなので何度も伝えますが、常に業績について考える癖をつけましょう!

次回はポイント「3」について説明していきますね。


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それでは今日も素敵な一日を!

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