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【キャリアストーリー】「好き」を追求したらキャリアに行き詰った??~外さない転職編①~

こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは『「好き」を追求したらキャリアに行き詰った??~解説編~』というキャリアストーリーについて書きました。

花子さんはこの後どうすべきか?

ここまで厳しい観点でコメントをしてきましたが、当然ここからでも花子さんは何とでもできます。すぐに「人生詰んだ!」と簡単に言う人がいますが、そんなことはありません。気づいた時があなたの人生で一番若いのです。すぐに動けば何とかなります。

では、具体的にはどう動けばいいのか?オプションは以下の通りです。

①業界、職種に拘らず、今よりも条件が良い企業を選ぶ
②今よりも条件をさらに下げてでも、将来性を見越した職種を選ぶ
③現職を継続しながらキャリアアップを目指す

細かい諸条件がない限り、この3つを比べても一概にこれが良いとは言えないです。一番ダメなのは、思考すること自体が面倒になり、一旦考えることを止め、決断を先送りにすることです。こういう人めちゃくちゃ多いので、自分のことだと思った人は注意をしてください。

動かないと見える景色は変わりません。つまり、待っていても思考が働きやすくなることはないでしょう。そして、日々、人は年齢を重ねていきます。チャレンジは1日でも若い方がいいのです。迷った人ほど③を選ぶ傾向にありますが、それは自分の中で都合の良い理由をつけているだけで、転職するというリスクを避けただけの思考停止判断である場合が多いです。ご注意ください。

さて、①③については、イメージがつきやすいと思います。すごく良い条件の企業がたまたま見つかったり、現職で自分にとって好条件の話がやってきたりすれば、それはそれでいいでしょう。しかし、現実にはなかなかそう言ったことは起きないので、今回は現実的かつ合理的な②に絞って説明します。今よりも条件を下げることに嫌悪感を抱く人もいるでしょうが、将来性を考え、合理的なステップを踏めれば、花子さんのような人にとっては、一番良い選択になる可能性が高いと思います。

ポイントは以下の通りです。

転職活動のポイント

今回のnoteでは1について解説します。

1.希少性の高い職種を選ぶ

希少性と言うとハードルが上がり、自分にそんな特別なスキルはないと思われそうですが、そんなことはありません。職種選びにおいて、希少性とは以下のように分解することができます。

職種選びにおける希少性の分解

正確に言葉の意味を紐解けば上記の分解方法が正しいわけではないのですが、今回はあくまでも転職活動という範囲の中では上記のように定義する、という前提で説明します。

①独自性:自分の磨かれたタレントを活用する

まずは『独自性』です。こちらは今までのnoteの中で説明してきた自身が持つタレントを活用することです。

繰り返しになりますが、タレントとは『息をするくらい簡単にできること』です。あなたと同じことができる人がいても、息をするくらい簡単にできる人は多くはありません。なぜなら、これも繰り返しになりますが、タレントの組み合わせは上位5つのタレントだけでも約3300万に1人の出現率であり、日本人の中であなたと同じタレントを持つ人は4人に1人しかいないのです。

息をするくらい簡単にできるあなたと、できるけども息をするくらい簡単ではない人では、長期的にみるとパフォーマンスは全然違いますよね。まずは何よりも自分のタレントを理解し、そのタレントが活きる職種と環境を探すところから始めてください。以下のnoteを参考にしてください。

②特殊性:自分だけができる領域を選ぶ

次に『特殊性』です。これは、スキルに限らず、他の人がほとんど経験していない事象や、経験している人がほとんどいない領域(業界/地域)のことです。すごくニッチな業界で仕事をしていた、ニッチな地域で事業を展開していた、ニッチな顧客をつかんでいた、など、特殊性のわかりやすいキーワードは『ニッチ』です。

ニッチほど狭くはないですが、あまり経験者がいない事象は他にもあります。

IPOを自分主動で行った
新規事業の立ち上げを自分主動で行った
新商品開発を自分主動で行った
海外進出を自分主動で行った
制度やルールの大きな改変を自分主動で行った

上記のような事象はある程度どこの企業でも起こり得ます。よって、このような経験をした人へのニーズは多いのですが、ポイントは自分主動で行ったかどうかです。チームの中のいちメンバーだとほぼ価値はありません。また、新しい何かを始める、何かを変えるときには、その規模感も重要になります。なぜなら規模感が大きければ大きいほど複雑性が増すので、その経験が特殊になるからです。つまり、特殊性とは、経験の難易度や複雑性の掛け算によって、その特殊度が決まるのです。

特殊性はその特徴からどこでも活きるスキルや経験ではありません。必要のない企業には永遠に必要ないかもしれません。しかし、その特殊性が必要な企業からするとなかなか労働市場では見つけることができない、喉から手が出るほど欲しい人材です。なので、まずはあなたの中にある特殊性は何かを整理し、その特殊性を必要とする企業を探すという視点を企業選びの軸に置いてみてください。

③専門性:専門的な知識を活用する

こちらはわかりやすいですね。士業などの専門職や高度な技術を要する開発職のような人たちが持つモノです。専門性が高ければ高い分野ほど学習が難しく、またスキル獲得にも時間を要します。その分、労働市場にほとんど現れないので、必然的にニーズが高くなり、業界を問わず必要とされます。

ここで勘違いしてはダメなのは、資格イコール専門性ではないということです。花子さんのように悩まれた方は、よく資格取得に思考を切り替えてしまわれるのですが、これはダメです。最近はリスキリングの文脈から、ちょっとしたスキルや知識を獲得することを、すごいことのように大々的に謳って集客している業者もありますが、だまされないでください。資格を保有していれば労働市場から必要とされるわけではありません。

また、ニーズはあるが報酬は上がりやすいのか、という観点を外さないでください。ちょっとした手作業人材を欲しい企業は山ほどあります。しかし、その仕事を続けていると報酬が上がるのかどうかは別問題です。勉強自体を否定しませんが、キャリアの専門家に聞いて、登ってはいけない山を登っていないか、登る前に確認するようにしてください。

④熟練性:高いレベルでできるスキルを活用する

専門性は職種と連動していることが多いですが、熟練性はどの職種でも身に着けることができます。例えば花子さんのような接客業においても「匠」と呼ばれるレベルまで接客を磨き、「接客の教科書」みたいな本を書けるくらいまでのレベルになるのであれば、接客の第一人者として活躍することはできます。報酬も上がるでしょう。

さすがにそれほどのレベルではないとしても、熟練性が高いということは当然かじっただけの人よりも労働市場ではニーズはあります。同じ職種を長年継続するだけで熟練性は経験と共に上がっていきます。ただし、熟練性が尊ばれるのは次回のnoteで説明する「経験や熟練性のレベルと業績が比例しやすいかどうか」が重要になります。残念ながら比例しない職種だと、無駄に年をとる、という状態が起こる可能性もあります。これも山を登る前に確認しなければならないですね。

⑤新規性:新しい職種を選ぶ

時代のニーズ変化やテクノロジーの発展にともない、新しい職種が生まれてきます。例えば営業職においても、一昔前は「新規営業」と「ルート営業」くらいしかなかったのが、「マーケティング」「インサイドセールス」「ダイレクトセールス」「カスタマーサクセス」と細かく分解されるようになりました。

このような変化に敏感になるのはとても重要です。なぜなら②~④と違い、新しい職種はみんなゼロからのスタートになるので、今からでも1位を取りやすいからです。早めにその職種を選び、②~④の力をつければ、希少性は高まります。

ただし、裏返すと新規性には賞味期限があるということを忘れてはいけません。新規性にみんなが飛び込んできて、新しくも少なくもないという状態になれば、当然ニーズも下がります。だから「早めに動く」ことが何よりも重要になります。ファーストペンギンという言葉があります。何でもそうですが、1番にチャレンジをした人には、それに見合うだけの価値が返ってきやすいということですね。

労働市場を知ろう

結局、花子さんはどんな職種につけばいいのでしょうか?それは、次回のnoteでポイントの2と3を解説したのちに説明します。ここまで読んでいただいたみなさんは是非、自分の中の①~④を整理してみてください。また、⑤の新規性については、労働市場に目を向けることで、マーケットのニーズを定期的に確認する癖をつけてください。

転職する人が増えたとよく言われますが、実際は「転職希望者」が増えただけで、転職者は増えていません。その点については以下のnoteにまとめています。

キャリアデザイナーとして日々、転職希望者と向き合っていますが、労働市場について知らない人が多いことに驚かされます。まだまだ日本では、「転職というオプション」があることが当たり前になっただけで、実際に転職を考えて現職にいる人はわずかなので、労働市場は自分に関係ないものだと思っているようです。

100年時代を生き抜くためには、自分の会社や自分が得意としている領域だけではなく、他の領域や労働市場全体を見て、転職リテラシーやキャリアリテラシーを高めてもらいたいと切に願います。


転職リテラシーやキャリアリテラシーを高めたいけどどうすればいいかわからないと思った人は下記よりご連絡ください。


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それでは今日も素敵な一日を!

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