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❓❕【哲探進歩/てったんしんぽ】❕❓…🐾14歩目(レンゲの世界にもあった熾烈なポジション争い)🐾

(「散歩」で気づきを得て、「探究+哲学」で考察を重ね、「進路」で学問・仕事と結びつける)

「散歩…気づきの土台・地面」
テイクアウトでガパオやカオマンガイやカオカームー(豚足を煮込んだご飯)など、お米が主体の料理を注文すると、親切な店ならばプラスチックのレンゲを入れてくれる。そのまま外で食べるならばそれを使うのだが、家に持ち帰った場合は家にあるスプーンや箸を使うので、プラスチックのレンゲが日に日に増えている。そしてキッチンの一角に集めていたのだが、先日、レンゲの集合体を見ていて、それらが単一の種類ではないことに気づいた。

「探究<課題の設定>…気づきの芽」
これまで何となく「小さめの白いプラスチック製のレンゲ」として認識していた。しかし、それらは同じ種類ではなかった。そこから「テイクアウトのレンゲはどれくらいの種類があるのだろうか(❓)」という疑問が浮かんできた。

「探究<情報の収集>…気づきへの無機養分」
テイクアウトの際には、レンゲだけでなく、食べ物を入れる袋も必要である。水分を多く含むもの場合はこぼれることのないようにビニール袋に入れられる。ご飯ものの場合は発泡スチロールや透明なプラスチックの容器に入っていることが多い。また、パッタイや焼きそばなどは内側が防水加工された紙に包まれることが多い。カオマンガイの場合は、紙に包まれることもあれば、発泡スチロールの容器に入っている場合もあり、店によってまちまちである。

さて、こういったテイクアウトで使われるレンゲ・入れ物・袋などは一体どこに売っているのか、私はとりあえずコンビニやスーパーに行ってみた。すると、コンビニにはプラスチック製のスプーンはあっても、レンゲはなかった。しかもスプーンはテイクアウトのレンゲのように薄手のプラスチックではなく、厚めで耐久性がありそうである。スーパーや20バーツショップにはレンゲはあった。ただ、そのレンゲはいずれも「金属製」であり、テイクアウトでついてくる薄手のプラスチック製ではなかった。そのほか入れ物・袋についても、コンビニ・スーパー・20バーツショップでは、蓋のない器やゴミ袋はあるのだが、テイクアウト用の入れ物・袋ではなかった。

そして市場のような場所に足を運んだとき、これらの入れ物を専門に扱うお店を発見した。プラスチック製の蓋つきの入れ物、薄手のレンゲ、袋などが売っていた。さらにドリンク屋さんのテイクアウト用に必要なストローも相当な本数がひとまとまりになって売っていたし、輪ゴムもまとまって売られていた。おそらく屋台の人はこうしたお店でテイクアウトのアイテムを仕入れているのだろう。

ただ、その専門店を見る限り、プラスチック製で薄手のレンゲは1種類しか取り扱っていなかった。

「哲学…気づきへの水」
「競争戦略の本質は差別化である」
これはアメリカの経営学者であるマイケル・ポーターの言葉である。最近はSDGsや世代間倫理の考え方が浸透し、環境への影響度外視であった20世紀に比べれば、現在、モラル無き大量生産・大量消費の時代ではなくなったといえるだろう。しかしそれでも、大抵の商品は競合他社が存在しているため、自社製品がより売れるようにするには、他社との「差別化」が必要である。今回の考察対象のレンゲの場合、レンゲの扱いやすさを考えて、大きさや形状を工夫することが「差別化」のポイントと考えられる。また買い手に示すための直接的な差別化ではないが、レンゲそのものを製造する際に効率良く製造できるものの方が生産コストは抑えられ、安い単価で提供できる。するとそれも結果的に価格面での差別化になるのである。

「探究<整理・分析>…気づきの剪定」
私はここまでの内容も含め「データ・チャート」を使いながら、考察をスライドにまとめることにした。
私は家に戻り、テイクアウトのレンゲを見比べてみると、家にあったレンゲは色、形、その他の特徴の3点で整理をしてみると、「5種類」に分けられることが分かった。

「探究<まとめ・表現>…気づきの花」
家にある5種類のレンゲの特徴をもとに、実際の食事においてそれらがどのような評価を得るか考えることで、「レンゲの差別化」についてまとめてみようと思う。

まず色について、透明なレンゲは見た目にも涼しげな印象があり、食事する際にポジティブな評価が得られるのではないだろうか。ただ、私は工業製品の素材についての知識がないので、感覚値でしかないが、透明なレンゲの方が柔らかく、多くの具材を乗せすぎると、熱も影響しているのか、一瞬曲がって具材がこぼれてしまうことが時折起こるのは、扱いやすさという観点からはネガティブな評価になるだろう。

また底の深さや広さも扱いやすさに大きく関わっている。汁気のない具材を食べる場合には底が深くても浅くても気にならないが、汁気があったり、スープと一緒に食べたりする場合は、底が浅いと液体がこぼれてしまう。その際、スープを飲むのにその都度、底の深いスプーンなどに持ち替えていたのでは、面倒であり、扱いやすさは具材がどんなものであるかで変わってくる。

それから、これはレンゲ自体の話ではないが、専門店が多様なレンゲは扱わないのは、客(基本は屋台の人)に選択肢の幅を持たせるメリットとコストを天秤にかけたとき、ある一社と繋がりを持って1種類だけ仕入れる方がローコストであり、他方、多くの種類を仕入れることにはメリットがそれほど生まれないと考えた結果と言えるのではないか。

そして専門店はどのレンゲを仕入れるべきか様々な状況を考えながら悩むわけである。ワールドカップの選手起用におけるポジション争いに「勝るとも劣らない」厳しい状況が、レンゲの世界にもあったわけである。

「進路…気づきの果実」
今回の考察によって、商品が売れるためには「差別化」が必要であり、買い手の扱いやすさをイメージすることの大切さが明らかになった。ここから、学問の一例として「生産工学、経営学、デザイン工学、マーケティング学」など、仕事の一例として「食器製造、卸売、工業デザイナー」などが連想される。

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