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知りすぎたマスコミが失ったもの

September 21, 2022

Transcription

Russian President Vladimir Putin says his country is prepared to use all weapons, including nuclear, to defend itself and protect its territory.

At the United Nations General Assembly in New York, President Joe Biden accuses Russia of making nuclear threats and violating the U.N.’s founding document.

The German government takes over energy company Uniper for 7 billion dollars to ensure energy supplies to homes and businesses.

And in Puerto Rico, more than one million people are still without electricity or running water after Hurricane Fiona hit the island Monday.

訳例

ロシアのプーチン大統領は、自国を防衛し領土を守るために、核を含むあらゆる兵器を使用する用意があると述べています。

ニューヨークの国連総会で、ジョー・バイデン大統領は、ロシアが核で脅威を与え、国連憲章に違反していると非難しました。

ドイツ政府は、家庭や企業へのエネルギー供給を確保するため、エネルギー企業ウニパー(ユニパー)を70億ドルで国有化します。

また、プエルトリコでは、ハリケーン「フィオナ」が月曜日に島を襲い、まだ100万人以上が電気や水道がない状態です。

勝手に探究

ドイツ政府がエネルギー企業を国有化?公定価格でも導入するのかな。

ヨーロッパではエネルギーが高騰し、市民が困っているのはよく知られています。エネルギー不足が需要と供給のバランスを崩しているためです。

しかし、高く売れるならエネルギー企業が大赤字ってことはないと思うのですが、なぜ政府が支えることになったのでしょう。

調べてみると、8月2日にこんな記事がありました。

<ユニパーはドイツ最大のロシア産天然ガスの輸入者で、6月14日以降、契約上保証されたガス供給量からの急激な減少によって深刻な経営危機に陥ったため、7月8日に救済措置を申請していた>

なるほど、入ってくるものがなければ売ることも出来ず、売り上げがなければ従業員に給料を払えません。この原因は国際情勢の変化にあるのは明白なので、政府を頼るのも頷けます。

しかし、政府はどうやってこの企業を存続させるのでしょう。

<同救済措置の前提は、改正エネルギー確保法に基づき、全てのロシア産ガスの輸入者がロシア産ガス不足分を代替するガスの調達にかかる追加費用の90%を顧客に転嫁できるということだ。同転換は遅くとも2022年10月1日から可能になる予定だが、政府は前倒しして9月1日からの転嫁の可能性について検討中>

ほほう、代替ガス調達のコストをほぼ価格転嫁してしまうということですか。なかなかエグいっす、ドイツ政府。まぁムリして価格を据え置いても結局税金で補填するのなら同じことなのかもしれませんけど。

ロシアのガスを積極的に利用するというドイツの決断は、合理的ではあってもアメリカのエネルギー政策に脅威を与えてしまった。そして、その代償をドイツ国民が払うことになった、ということですかね。

この先、ドイツの工業もエネルギー不足や価格の高騰を受けて競争力を失うことになるので、製造業を米国内に取り戻したいアメリカ政府の思惑とも一致します。ついでにいえば、ロシアに近い中国も、世界がコロナを克服してもカントリーリスクのある国家であることは明白なため、積極的な投資は難しく、製造業を始めとした企業活動の米国内回帰を促すことになるはず。

そう、全てはアメリカの計画、いや、希望通りなんです。割高なシェールガスも販売好調ですし。

長いものには巻かれろといいますが、「長いもの」が「味方」でない場合、どうしても自衛策を考えてしまいます。しかし、その自衛策がくせ者。「長いもの」の癇に障るとえらいことになってしまうので、その塩梅が重要になります。情勢に通じた政治家ほど、慎重に事を運ぶことになる所以です。

すると、有権者は「正論」をぶつ野党や新党に魅力を感じるようになるのですが、肝心のマスコミはその出現を無視したり、「右翼政党」とか「左翼政党」とか表現してレッテル張りをする始末。情勢に通じ過ぎて勇気を失ってしまったのかもしれません(本当に失ったのは視聴者および定期購読者だったりして)。

政策に関して最後に決断をするのは政治家で、そこに至るまでのプロセスには非公開の部分があるのは分かりますが、マスコミは事実を報じ、国民に選択肢を提示し続けて欲しいと思います。

参考にしたページ


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