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レプタイル 蜥蜴(2023)

グラント・シンガー監督「レプタイル 蜥蜴」をNetflixで見た。

主人公の刑事トムを演じるはベニチオ・デル・トロ。相変わらず…というかこれまでにも増して渋すぎる佇まい。トムの妻は上司アレンの姪、麻薬捜査官のウォーリーは親友と、地元警察は身内で和気藹々な雰囲気。そんなところに事件が舞い込む。

ある日、不動産の仕事をしている女性サマーが物件のひとつで滅多刺しにされ死亡しているのを同僚で彼氏のウィルが発見したのだ。サマーの元夫と、ウィルの両親と過去に土地の売買で因縁を持つ男が捜査線上に浮かぶ。

この2人を軸に捜査を進める中、容疑者である元夫が相棒の警官の銃を奪って銃撃戦になり、トムは彼を射殺してしまう。警察の仲間は相棒を救ったトムを讃え、サマー殺しは元夫が犯人だったと結論付けられるのだが、いくつか発見されていた証拠と元夫には関連性がなく、トムはこの顛末に疑問を抱く。

という、ひとつの殺人事件から、その背後に潜む大きな犯罪(絶対暴いちゃダメっていうヤツ)の枠組みが見え始め、周囲が止めるのを聞かずに主人公が調査を続けた結果… というお話。

パターンといえばパターン。でも、麻薬捜査と不動産業をかけた事例は、僕は初めて見たかな。物語も人間関係も、結構複雑でわかりにくいんじゃないかと思った。わかったけど。

そうだったのかーって唸らされるまでには届かない、それなりに複雑に凝った、でもどこかで見たような作品でした。けど、ベニチオ・デル・トロという俳優の見どころは満載!

【以下、ネタバレ】
トムが都会で刑事をしていた時に同僚の不正を見逃していた過去があって、警察の仕事を愛する者として2度と同じことは繰り返さないと心に誓っていたところに身近な仲間たちが関わる大きな不正が立ち現れるのが本作のキーポイントですね。

タイトルは「蜥蜴の尻尾切り」を示しているのか? 強欲な人間の冷徹さを示しているのか?

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