見出し画像

僕を構成する10本の映画

最近あまり観れていないのだが、もともと僕はかなりの映画っ子であった。

小学生の時に映画にハマって以来、貪るように映画を観ていた。近くのTSUTAYAに毎週のように通い、5本まとめて借りて観ていた。今でこそ月額で映画はいくらでも観られる時代になったが、当時、5本DVDを借りてたったの1000円(店舗により値段の上下はあったが)というのは、時間は有り余ってるがお金の限られている学生にとってはありがたいものだった。

そんな生活を10数年していたので、観た数だけで言えば2000は超えてると思う。もちろん、ほとんどの映画は記憶に無いが、それでもその中から、いくつか強烈に記憶に残っている作品がある。そして、それらの作品は僕の人生に多大な影響を与えている。

というわけで、僕の人生や人間性を構成していると言っても過言ではない映画を10個選んでみた。個人的な「みんなに死ぬ前に一度は見て欲しい映画」たちである。

○シックスセンス

僕の映画人生を語る上で、絶対に外せないのがこの一作。これを観て映画の面白さ、そして、物語の面白さを知った。当時話題になった物語の"秘密"に頭を撃ち抜かれたような衝撃を受けたのだ。
ただのどんでん返し作品のひとつとして紹介されがちだが、全編にわたって作り込まれた伏線もさることながら、人間ドラマも作り込まれていて、驚きから感動まですべての感情を呼び起こす名作だ、と僕は思っている。
この映画を映画館に観に行ったのを機に「もっと面白い物語を観たい!」そんな欲求が呼び起こされ、僕の映画沼生活は始まったのである。


○ショーシャンクの空に

多くの映画ファンがオールタイムベストに選ぶ名作で、僕が紹介するまでもない傑作だ。
映画を観に行くようになったのは母親の影響なのだが、「シックスセンス」を観た後に母親に「他に面白い映画ない!?」と聞いたところ、この映画を教えてもらった。僕の映画好きに拍車をかけた作品である。
こちらも、伏線回収から自由への希望を感じる物語であらゆる感情が引き起こされる作品。この感動は何度でも観たくなる。


○パリ、テキサス

これは、僕が世界一好きな映画である。
大学生の頃に観たのだが、「美しい」とはどういうことなのかを細胞レベルで感じ取った一作である。
映像が美しく、音楽が美しく、ナスターシャ・キンスキーが美しく…とにかく終始魅入ってしまった。ホントに良いと感じたものは、言葉では表せないことを痛感した一作でもある。


○ヒート

「パリ、テキサス」と同じく、あまりにも面白い映画だったのでこの映画の良さをうまく言葉で表せない。
間違いなく言えるのは、「カッコいい」というのを細胞レベルで感じた一作、ということだ。
177分という長尺を感じさせない、静と動の連続に終始見入っていた。


○時計じかけのオレンジ

視覚的にもストーリー的にもエキセントリックで刺激的。映画の「作品つくりってこんなことを表現してもいいのか」と、思春期にモノづくりに興味を湧かせてくれた一作である。
「この映画みたいに人の脳みそをぐちゃぐちゃにかき回すモノをつくりたい」と10〜20代前半までは作曲や執筆にハマっていた。今ではそこまでの熱い気持ちは無いが、創作活動という意味では、今でも作曲は趣味でやっていて、今の僕に繋がっていると思う。


○12モンキーズ

これも「時計じかけのオレンジ」と同じく、僕の創作意欲に火をつけた一作である。
この言葉にしようのない独特の世界観にどっぷりハマってしまった。こんな世界観を表現できたらなぁと思っている。メインテーマの「ブンタ・デル・エステ組曲」は今でもたまに口ずさんでしまうほど好きな一曲だ。
ちなみに、たしかブラッド・ピットを1番最初に意識した映画でもある。この映画のブラッド・ピットがかなりのクレイジーなキレものキャラで、こういうイかれたブラッド・ピットをもっと観たいと、ブラピ出演作品ばかり観ていた時期がある。


○ガタカ

遺伝子により生まれた時からその人の能力が決められている、という未来。
「能力」というものについて深く考えさせられた一作である。「能力」は先天的なものと考えられがちだが、生き方次第で先天的な「能力」を越えることは出来るし、「能力がある=幸福になれる」というわけではないのだ。
結局のところ、「能力がある」ことと「良い人生を送る」ことは別のベクトルなのかもしれない。誰しも良い人生を送りたいが、それを能力の有無に振り回される必要もないのだ。


○ビル・カニンガム&ニューヨーク

ビル・カニンガムは、ニューヨーク・タイムズ紙で人気ファッションコラムを担当する写真家。ニューヨーカーにとっては「ビル・カニンガムに写真を撮られることがステータス」と言われるほど愛されている。いくつものファッションスナップを撮る彼自身は、いつも青い作業着に雨の日はテープで補強した破れた雨ガッパを着ている。
「ファッションスナップを撮る」ことを最上の喜びとし、それ以外のことは何も興味を持たず生きたビル・カニンガムの人生を追ったドキュメンタリー映画。
最高の人生とは何か?を深く考えさせられた一作。ビル・カニンガムのように、「自分の好きなもの」「最高に幸福を感じられるもの」を見つけた人が最高の人生を送ることが出来るのだ。この映画を観てから、「自分は何が好きなのか?」を真剣に考えるようになった。「好きな事をとことんやること」が幸福への近道なのだろう。


○サンキュー・スモーキング

この映画は、人にオススメの映画を聞かれたらまず頭に浮かぶ作品である。今の社会を生きるための知恵がたくさんつまっているからだ。
この映画で僕は「情報というものとどう付き合うのか」を真剣に考えるようになった。
コロナ禍でワクチンに関する議論が盛んだった時にも、僕の決断はこの映画から学んだことが基準になった。
正しい選択をすることではなく、自分が責任を取れる選択をすること。それが、情報に溢れた現代で僕たちが考えることなのではないだろうか。


○ダイ・ハード


大学の頃までは色んな映画を観た。特に尖っていた当時の僕は、カッコつけてフランス映画や難解なアート映画をいくつも観ていた時期があり、この「ダイハード」は、最初は小学生の時にロードショーで観たきりで、大学生の時には「どメジャーな映画」とバカにしてた作品のひとつだった。
「メジャー」をバカにしてマイナーなアート映画を貪るように観ていたが、働き出すとそんな映画を見る気力と体力も無くなってきた。
そんな折にふとこの「ダイハード」を観たのだが、めちゃくちゃ面白かったのだ。その瞬間に、今まで映画を観ることにカッコつけてた自分に気づき、途端に恥ずかしくなった。
「売れてるものは良いものだ」という当たり前の事実に大人になってから気づかせてくれた一作である。



と言うわけで、僕を構成する10本の映画の紹介でした。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?