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ワークライフバランスはアンバランス

足跡

今週は小林秀雄の評論『小林秀雄 美しい花』(若松英輔)を読みました。また、その評論を書いた若松英輔氏の『藍色の福音』も読んでいます。その他に、友達に勧められた『進化思考 生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』(太刀川英輔)なども読んでいます。もちろん、小林秀雄全集も。

『小林秀雄 美しい花』の感想については、別途書いてみたので、そちらを読んでみていただければと思いますが、色々な本を読んでいると、人は「何か」に出会うことによって変わる、という当たり前のことが、しみじみと感じられます。一瞬一瞬を大切に生きている時、その出会いの意味というのはなかなかわからない。そもそも、出会っていることにすら気がつかないこともある。でも、他人は、奇跡的な出会いによって、どんどん変化していく姿を見ると、自分もそんな出会いが欲しい、きっとそんな出会いがあるはず、と外に「何か」を求めてしまいます。

「何か」というのは、人によっては、例えば、本であったり、人との出会いだったりするのですが、一見それはたしかに外にあるように見えますが、でも、昔読んだ時は全く自分の心にかすりもしなかった本が、何年後、何十年後に読んでみると、それが奇跡的な出会いだったと感じることもあるのです。本に書かれている言葉は全く同じです。でも、それを読む自分の心は変わっていたのです。

未来から見たらあの時がターニングポイントだったな、というのはわかりますが、現在から見るとそのポイントにいることはわかりません。僕たちは日々、点を打つことしかできないのです。それが振り返ってみると、線になっている。そして、ああ、あの時が大きな転換点だったな、と思えるだけなのです。でも、それも一つの小さな点でしかないのです。

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