見出し画像

患者の立場から、医療機関の支援をする立場に変わって気づいたこと

自分は1年ほど前から、ある漢方クリニックのお手伝いをしています。
IT業界でマーケティングに関わっていたものとして、集患から業務改善まで幅広くお手伝いをしています。

お手伝いをする中で、患者の立場だった時には知らなかった意外な点に気づきました。今回はその気づいたことを共有させてもらおうと思います。

クリニックや医者はラクに儲けていない

世の中の人がイメージとして抱いている、「医者は高給取り」というイメージ。これはたしかに金額から見ると事実です。

ただ、その中身を聞くとけして「ラクにサクッと儲けている」わけではありません。医大に入るための勉強はもちろんですが、医師になってからもあくなき勉強を続け、労働時間もたっぷり。

「大学病院で働く医師の3割が過労死ラインを超えて働いている」という話もあります。

知り合いの医師が1日40人以上の患者さんを診察しているのを見て、「こんなに多くの患者さんを診察して大変ですねー」と自分が言ったら、「大学病院で働いてた時は夜遅くまで残業して、土日もいつでも呼び出されるって状況だったから、それに比べたら天国だよ」と言葉を返されました。

もはや激務が前提です。しかも同業の医師も同じくらい働いているので、一般人と激務の基準が違うという。

患者がお願いした薬を処方してくれないのは、医者がひどいとは限らない

患者同士で話していて、こんな会話を聞くことがあります。

「あのクリニックではこの薬を処方してくれたのに、こっちのクリニックでは同じ薬を処方してくれない。あの先生は融通が効かない!」

患者が希望した薬を処方してくれない問題です。お手伝いをはじめて、これに関しては一概に「医者が偏屈だ」とは言えないことに気づきました。

「医師が患者にお願いされた薬を処方しない」時に考えられる代表の要因を以下に挙げます。

  1. その病気にその薬は効果がないと考えている

  2. 副作用の問題を考えて処方しない方がいいと考えている

  3. 過去に処方した時に、保険者(保険協会や組合)に弾かれたことがある

ひとつ目のケースは言わずもながですね。今回はあとの二つについて見ていきます。

副作用の考え方は医師によってさまざま

まず、前者の副作用の問題で処方しないケース。実は副作用の考え方は医師によって違います。「医学は科学なのに人によって違うなんてことあるか?」と思うかもしれませんが、それがあるなぁという印象です。

自分が話していて思うのは、「医師それぞれ診療や治療の中でしてきた経験が違うので、副作用の考え方も変わってくる」ということです。

医師はある薬を処方ときに、指導されてる先生から怒られた、患者さんに大きな副作用が出たのを経験した、そんなことを経験しています。

そんな経験が多かったとしたら、処方に対して前向きになれない薬があるのもわかります。

医師が薬の処方を許可しても、保険者の方で弾かれることがある

次に「過去に処方した時に、保険者(保険協会や組合)に弾かれたことがある」というお話。

みなさん、薬の処方は医師の判断だけで処方できると思っていませんか?これはある意味で正しいですが、ある意味で間違っています。

医師が処方を許可したとしても、その許可したものを保険者が弾くことがあります。「これは適正使用じゃないですよね?」と。聞いた話によると、保険者の方にも医師がいて、その医師が適正使用かどうかを判断しているようです。

日本の医療の基本は保険診療。3割は患者が負担していますが、7割は保険組合や協会が負担しています。保険者に弾かれると診療費の7割が支給されません。

そうなると一度処方をして、保険者に弾かれた処方は医師は処方したくてもできなくなってしまいます。

「前いた県だと普通に処方してくれてたけど、引越し先の県では全然処方してくれない」という出来事は、もしかしたら保険者の判断によって弾かれてるからかもしれません。

おわりに

今回は自分が医療機関に関わってきた中で気づいたことを紹介しました。
少しでも「みなさんの診療を受ける中での疑問」を解消できたなら嬉しいです。

また共有したいことを思いつきましたら共有します。お楽しみに。

よかったらサポートお願いします。 いただいたお金は日々の、おいしい水を買うお金に使わせてもらいます。