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【No.1】鹿児島レブナイズが鹿児島を変えるかもしれない

今、鹿児島ではひとつの奇跡が起きている。

 2023年10月21日(土)、鹿児島市をホームタウンとし活動するプロバスケットボールチーム「鹿児島レブナイズ」が新シーズンのホーム開幕戦を迎えた。会場となった鹿児島県体育センター体育館には2,563名のブースターが集まり、立ち見で通路が埋まるほどの満員御礼。白熱した試合展開に、地響きのような大声援、今までに経験したことのない熱気にあふれていた。僕自身、ついに鹿児島もここまで来たと思わずSNSで発信してしまったほどに興奮を覚えていた。今回、初めて観戦に来られた方には大きく想像を超える光景が広がっていたに違いない。そして長年クラブを支えてこられた方々にとってはきっと、また一味違う見え方をしていたのではないだろうか。

 約7年前、このクラブは大きな経営難に陥った。それから少しずつ成長を続けてきたが2シーズン前ですら、1試合当たりの平均来場者数は600名を下回っていた。そんなクラブが今年、これほどまでに大きく成長する姿を誰が想像していただろう。僕は盛り上がる会場でこれまでの長く苦しかった時間を振り返り、これは間違いなく「奇跡である」とそう思った。

鹿児島県体育センター体育館を埋め尽くす「2,563名」の観客

県が描く「稼ぐ力」を持つ鹿児島の未来像

 僕が暮らす鹿児島県(県庁所在地:鹿児島市)は離島を含む43市町村からなり、面積は九州最大。人口は1,548,684人(※鹿児島県発表:2023年10月1日時点)であり、歴史、自然、文化、地域資源はどれも豊かで魅力のある、自慢の地元だ。しかし、少子高齢化や人口減少には抗えず、消費市場も縮小するなど様々な課題を抱えている。これらの課題に対する県のあるべき姿や県政の基本方針、戦略をまとめているのがかごしま未来創造ビジョンである。その中で、最も強く主張されているのが鹿児島の「稼ぐ力」を向上させる必要性だ。

「稼ぐ力」とは
 本県の魅力ある地域資源を生かした、地域の経済的な価値を高め、県民の所得を向上させる力

かごしま未来創造ビジョン<改訂版> P7

 鹿児島県は「稼ぐ力」向上させるために取り組む産業の一つに「観光関連産業」を掲げている。実は鹿児島ユナイテッドFCと鹿児島レブナイズのプロクラブは鹿児島県も鹿児島市も保健体育部署でも教育委員会でもなく、観光部署が管轄をしている。つまり、鹿児島においてプロスポーツは少なくとも長期的には観光資源となることを期待されているのだ。

 プロスポーツがどのように観光資源になっていくかはまた別の機会に考えていきたいと思うのだが、ここからが今回の本題となる。下の図(「かごしま未来創造ビジョン」からの抜粋)をよく読んでいただきたい。鹿児島県は「地域経済の好循環を高め、本県の持続的発展につなげることが重要」と言っている。そして、そのために必要な取り組みは「域外から稼ぐ」「稼いだ資金を循環させる」「域外への資金流出を防ぐ」の3つだとしている。鹿児島の暮らしを豊かにするために当然と言えば当然の内容なのだが、簡単にできればここまで苦労はしていない。さらにこれを実現するためには行政だけでなく、企業や我々県民一人ひとりの理解と協力が必要となる。だからこそ、あえて重要項目と取り扱っているのだろう。

鹿児島の「稼ぐ力」の向上イメージ

鹿児島レブナイズが鹿児島を変える

 急成長を遂げる鹿児島レブナイズのホームゲームで我々は来場者数の増加以外にもう一つの奇跡を目撃している。国内でデリバリーサービスを展開する出前館が冠スポンサーとなり、代表の藤井英雄社長が会場にてフリースローを披露された。国内3部リーグに所属する地方の小さなクラブに日本を代表する企業がスポンサードしている。これは大変光栄なことであり、これまでの鹿児島レブナイズでは考えられなかった非常に大きな出来事である。

 出前館はなぜ鹿児島レブナイズを応援するのか。実は鹿児島には出前館サービスのコールセンター機能をもった子会社が所在している。そして更に、地域に貢献する企画をやっていきたかったと藤井社長は話されていた。大企業が社会貢献を果たしていく中で、プロスポーツクラブとの連携が大きな成果に繋がっていくのではないだろうか。

 鹿児島レブナイズと出前館の取組みを鹿児島県の発展という視点から見ていくと、これがとても有意義で価値のあるものであることがわかるようになる。先ほどの鹿児島県が掲げる「稼ぐ力」の向上イメージの3つの取り組みを見てほしい。するとお気付きになるだろうか、まさしくこの連携が鹿児島が目指す理想の未来になっているのだ。

 ① 域外から稼ぐ
  出前館が鹿児島レブナイズをスポンサードする。
 ② 稼いだ資金を循環させる
  鹿児島レブナイズ
  ・県民(ブースター)への良いサービスの提供
  ・選手や新たなスタッフ、新規事業によるの雇用の増加
  ・地元企業との取引の活性化
  出前館
  ・新規顧客の獲得→生活環境の向上、飲食店の活性化
  ・県内での雇用(ドライバーやコールセンタースタッフ)の増加
 ➂ 域外への資金流出を防ぐ
  鹿児島県内での売上の向上→スポンサードと地域連携の継続

 地域でプロスポーツが発展するのはとても難しいと言われてきた。実際に鹿児島レブナイズも長い間苦しい時間を過ごしてきた。しかし、成長とともに鹿児島は今新たなステージに進もうとしている。県民にとっての娯楽である「プロスポーツ」が県の未来を変え、支える。そんなモデルケースが完成しようとしている。ここで改めて、明確にメッセージを届けたい。

プロスポーツは鹿児島を変える


 最後にもう一つ、重要なことがある。鹿児島を変えるためには県民の理解とともに進もうという意思と行動が必要であるということだ。プロスポーツを応援しなければならないとは言わない。みんなが好きなことを好きな時にできるそんな街で良い。たださ、せっかく出前館が300円のクーポンをくれたんだから、気になってるあの店で使ってみようよ。レブナイズもユナイテッドFCも盛り上がってるらしいから、ルールとかよく分からないけど1度行ってみようよ。そんなノリがこれからの鹿児島を変えていくと僕は確信している。皆で前向きに楽しみながら日常をアップデートしていこう。豊かな未来と街を一緒に作っていこう。

最後に

 このマガジンでは鹿児島をより魅力的な街にしていくため、鹿児島県が打ち出している政策とリアルな鹿児島の姿をできるだけ分かりやすく、面白く取り上げていきたいと考えています。ぜひご覧いただけると幸いです。また、ここで書かせていただいているのは僕個人の意見と見解です。もし内容に誤りや不足があれば、ぜひ教えてください。そこでいろいろなコミュニケーションが生まれることも楽しみにしています。

 初回はレブナイズへの想いが強すぎて、内容がレブナイズによってしまいましたが後悔はありません笑 僕はこれからも鹿児島のプロスポーツを応援していきます。
 次回は鹿児島レブナイズの成長を「オーナシップと鹿児島の発展」というテーマで掘り下げていきます。

ご覧いただき、誠にありがとうございました。

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