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ギックリ腰!椎間板の炎症?ヘルニア?



椎間板という背骨の軟骨(クッション、動きをスムーズにする役割)が原因の痛みについて紹介します、特に今回は殿部や下肢に痛みが発生する椎間板ヘルニアではなく椎間板性の腰痛について紹介します。この腰痛はどの年齢でも見られますが、特に30〜40代が多くアスリートにも発症することがあります。腰痛があり以下の項目に当てはまる方はぜひ参考にしてみてください。

・若年者(30〜40代)
・前かがみで痛い
・背骨の真ん中の狭い範囲が痛い
・ギックリ腰が原因の痛み

椎間板性腰痛


椎間板は本来痛みを感じることはほとんどありませんが、加齢や外傷などにより変形や損傷を受けると、椎間板に神経や血管が入り込み炎症により腰痛を引き起こします。ここからは他の腰痛との違いについて説明します、必ず当てはまるとも限らないのでご了承ください。長引く場合やしびれを伴う場合は整形外科や信頼できる接骨院を受診しましょう。

◆画像診断
画像初見だけでの判断は難しい、症状がないが椎間板が変性していたりヘルニアが確認されることは多いとされています。

◆特徴
椎間板性の腰痛の特徴を紹介したいと思います、ただし信用しすぎず、他の腰痛も同じ特徴を持っている場合もあります、注意しましょう。

・きっかけがあるか
①ない場合 
姿勢や身体の使い方によって慢性的な負荷が繰りかえされて発症したと考えられます。特に手を多く使う動作や捻り動作が原因動作になる可能性が考えられます。
②ある場合
椎間板に損傷が生じ、それを起点に炎症が生じていると仮説します。荷物を持ち運びするなどの前かがみ動作や捻り負荷、くしゃみをきっかけとして発症することが多いようです。「ギックリ腰」をしてから痛くなることも多いです。

・どのあたりが痛む?
椎間板性の腰痛の場合の痛みは背骨付近でやや狭い範囲を示すことが多いです、他の腰痛も同じ部位に痛みが出たり、痛みが原因の部位とは異なる部位で発生することもあるためこれだけでは判断できません。

・どのような姿勢、動作で痛む?
一般的に前かがみと座位時に腰痛が多く発現・増強すると理解されています。その他には捻りの動作が良く挙げられます。捻り動作時は単独で生じることは少なく前かがみ動作時の組み合わせで併発することを知っておくと予測に役立つでしょう。

・いつ痛みを生じるか
朝が痛いという症例が多く見受けられます。就寝時は負荷が加わらないため、椎間板が最も厚みを増した状態になります。厚みを増した状態から、荷重動作で椎間板の内圧が増し痛みが誘発されるのではないかと言われています。

○下記の項目はオーストラリアの椎間板障害に関する報告です

椎間板に起因する腰痛の特徴(Jon2012)
・腰痛がある(下肢痛の有無は問わない)          
・前屈動作に何らかの支障がある
・長時間(60分)の座位に支障がある            
・持ち上げ動作に何らかの支障がある
・初回受傷時から翌朝or翌日に症状が悪化した        
・立ち上がり動作に何らかの支障がある
・手を扱う仕事の経験がある                
・咳/くしゃみに何らかの支障がある
・受傷機転が屈曲/回旋and/or軸圧がかかった 
Jonらは上記4つ以上該当する場合は椎間板に起因する腰痛の可能性が高いと述べています

◆椎間板ヘルニアとの違い
椎間板ヘルニアとは背骨のクッションである椎間板が変性し神経を圧迫することです。椎間板ヘルニアによって生じる疼痛は椎間板の炎症による腰痛とヘルニアが神経根を刺激したことによる下肢痛があります。よって下肢痛がある場合は椎間板ヘルニアやその他の病態と考えられますので対応が異なります。

次はケア方法を紹介します、椎間板性腰痛の場合正しく対応すれば痛みが長引くことは少ないはずです。痛みが強い時期は安静が1番ですが少しずつ痛みが落ち着けば再受傷予防のためにも少しずつ運動療法をオススメします。

◆運動療法
椎間板障害の治療は「屈曲に伴う椎間板内圧上昇による炎症部位への刺激を減らすために何ができるか」を焦点に介入します。患部と患部外に分けて注意できるセルフケア方法を解説しますので参考にしてみてください。
①患部
・インナーマッスルエクササイズ
腰椎を分節的にコントロールし椎間板内圧を減少させる
②患部外
・ハムストリングスの柔軟性
椎間板内圧が増大しやすくならないようにストレッチをする
・スクワット動作改善のためのエクササイズ
動作時の猫背姿勢は椎間板障害の発生につながりやすいため 
・前かがみ、手を使う作業を抑制、負担を軽くする工夫
例えば洗面は膝を曲げたり、台を使うなどして工夫する

まとめ

椎間板性腰痛は前かがみ動作での作業、重いものを持ち上げた時、ギックリ腰などで発症することが多く、痛みの特徴は前かがみ(前屈)の際に痛むことが多いです。ヘルニアとの鑑別は椎間板性腰痛には殿部、下肢にはしびれ、痛みがないことです。椎間板性腰痛は炎症が落ち着き、正しく対応すれば痛みは落ち着きやすいはずです。しびれがある場合、腰痛が長引く場合は、信頼できる医療機関を受診しましょう。



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