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1人映画デビュー

どうも私は孤独が苦手らしい。

1人で牛丼屋さんにもいけない。


そんな私が1人映画デビュー。

経緯は12月30日に友人が映画を観に行ったと報告してくれたこと。

本当は私はその友人と観たいと思っていたのだが先を越されてしまった。

だが、その映画を後から観たことがバレてしまうとその考えまで見透かされて相手に多少申し訳ない気持ちが湧いてくるのではないか。

と思った。

また、大晦日に何も予定がないのは久しぶりだった。

今年はnoteに始まり、サイトを作ったり、YouTubeに片足突っ込んでみたり、ラジオを聞き始めたり、お菓子を作ったり、キノコを食べられる様に....

と挙げだすとキリがないくらい大小様々な新しいチャレンジをしてきた。

その締めくくりに1人映画デビュー。

悪くない。


心はすでに映画の方を向いている。

だけれど友人と同じ映画はみてやるもんか。

という私の意地もあるため、

テアトル梅田でエッジの効いた映画でもみてやろう。

という結論に行き着いた。

そうと決まれば座席指定だ。


30日の夜中に何を観るかの1人作戦会議。

すぐに決まった。

のん(元・能年玲奈)さんが主演の私をくいとめてだ。

これしかないという直感に任せて購入。

梶井基次郎の作品「檸檬」にて主人公が爆弾(レモン)を本の上に置いて「誰も知るまい」といった様な自分だけのワクワク、秘密を大切に胸で抱えている感覚。

「俺が明日1人映画デビューするなんて誰が知ってる??俺は明日1人映画デビューするんだ。」

そんなワクワクと緊張が交錯した中眠りについた。


早起きして一張羅に着替える。

映画館へ向かう。

少し早いがそれでいい。これから上映される観る気もない映画の紹介ポスター達を興味深そうに一通り見る。これが1人映画でしょ。

上映時間が近づいてきた。

アイスコーヒーを注文しながら(トイレに行って、席について、、、)など流れを復習。

程なくして注文のホットコーヒーが手渡される。

これが1人映画。


懐かしいチャイムが鳴って映画が始まる。

内容は言えないのだが最近見た映画の中では群を抜いて好きだった。

難しい役を見事に演じるのんさん。

描写のリアルさとその中に潜む非日常感に泣いたり、笑ったり。

1人映画のいいところはここにある。

存分に泣けるし笑える。

誰も気にしなくていい。

作中で「お一人様最高!」とのんさんは叫ぶ。

私も同様に叫んでいた。


上映が終了して、作品にも1人映画にも大満足。

この気持ちを誰かに伝えなくては!!

と横を向く。

誰もいない。


1人映画の代償は大きすぎた。

この高揚感、や感想を伝える人がいないのは私にはヘヴィすぎる。

もうしないだろうな。と。


ただ、作品は大変気に入ってしまったため、誰かを誘って2回目を見に行こうかしらなどと画策している。


余談

1人映画を楽しめる人は素敵だ。

作品で感じたことや余韻を隠したまま街中で何食わぬ顔で歩いている。

まさしく「檸檬」である。

露出狂が裸にコートを着て潜んでいる事に喜びを得ているのなら少しだけ気持ちが分からなくもないなと思った。(それを見せるのはセンスない)

まぁそんな所に喜びを感じてる人はいないか。

電車で向かいに座っているスマホに釘付けの人たちも胸の中でワクワクしているのかもしれないと思うと世の中もっと楽しめそうだなって思う。

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