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京都アニメーション放火事件について思うこと

 2019年(令和元年)7月18日に戦後最大級の放火殺人事件が起こってしまった。アニメ制作会社「京都アニメーション」第一スタジオに青葉真司という名の当時41歳の男性が侵入し、バケツに汲んだガソリンをその場でばら撒きライターで放火、炎は一気に燃え広がり、36人の犠牲者を出した。僕は京都アニメーション制作のアニメ「日常」を好んで、よく観ていた。その主要スタッフも何人か亡くなってしまった。あの火災事件から、もう4年が経つ。僕はどうしてこんな酷い出来事が起きてしまったのかをずっと考えていた。犯人の青葉真司の生い立ちと過去は暗い。彼は父親から絶え間ない虐待を受けていた。現在行なっている裁判で彼は父親からの虐待についての質問に対して「日常的に殴られ過ぎて覚えていない。」と答えた。そして、原因は分からないが事件を起こす以前に彼の父親と兄と妹が自殺により他界している。例えば、殺人事件の犯人の生い立ちを調べると幼少期から虐待を受けて育ち、親の愛情を受けることなくそのまま大人になってしまった人が多い。秋葉原連続通り魔殺人事件の犯人である加藤智大と附属池田小事件の宅間守も幼少期の頃から親の虐待を受けていた。犯人の青葉真司が幼少期にネグレクトの環境下にあったということは事件の要因の一つとしては有力だとは思うが、それが全てではないと僕は思っている。もちろん、彼がもしも愛情溢れる家庭で大事に大事に育てられたのならば、こんな事件は起こらなかったのではないかとも思う。つまり、事件を起こした加害者本人だけが悪いのではなく、彼らに虐待を行なっていた親も第二の加害者と言っても過言ではないはず。少なくとも虐待をしていた親に何の落ち度も無いとは言えないと思います。ところが、自分の子供に虐待をしてしまう親も幼少期に虐待を受けて育ったケースが非常に多いのだ。人間には暴力を受けた人が暴力を行なってしまう「暴力の連鎖性」というものが確かにある。出来事と言うものは一つの直接的な原因で起こるのではなく、それまでに多くの要因が幾重にも複雑に絡み合って、一つの出来事として現れるのである。バタフライ効果(バタフライエフェクト)と言う言葉がある。バタフライ効果とはほんの些細な、小さな出来事が最終的に大きな出来事を決定づける要因になっていたというものである。京都アニメーション放火事件にも何かバタフライ効果が働いたのかもしれない。

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