上高地で冬キャンプしてきた
卒論を書き上げ、つかのまの春休み。かねてから計画していた雪上キャンプin 上高地に行ってきました。
1.上高地とは
長野県松本市にある、標高1500mの山岳景勝地。年間120万人を超える観光客や登山客が絶景を求め上高地を訪れます。
上高地のシーズンは4月中旬から11月中旬。冬は道路が封鎖されるため、登山客しか訪れることができない土地となっています。
冬期に入山するときの注意ポイント
冬期は気温がー20℃に冷え込んだり、雪崩や、落石、地吹雪などが発生したりと、冬山登山と同等の装備を必要とします。
また、上高地線が通行止めとなっているため、中ノ湯ゲートから7kmほど林道を歩く必要があります。
細かいことは公式のウェブサイトで確認してください。
2.出発!
1日目はこんな予定を組んでました。
・京都駅 23:05発 ~ 松本BT 6 : 20 着
・松本BT 7:55発 ~ 中ノ湯(登山口)9:13着~登山開始!
しかしここでトラブルが起こります(まだ登山してない)。
意気揚々と中ノ湯のバス停で下車し、25kgもあるザックを背負い、YAMAPを起動しようとしたそのとき!
「スマホがない……」
自慢ではありませんが、僕は物の整理ができないタイプの人間です。いつものことだとバッグやウェストポーチ、重ね着している服のポケットを1つずつ丁寧に調べました。
「やっぱり無い……」
絶望です。バスはもう行ってしまいました。状況を飲み込むため、僕の頭がフル回転を始めました。
登山道に入る前にプチ遭難()
とりあえず、一緒にバスを降りたおじいさんにお願いして、僕のスマホ鳴らしてもらうことにしました。やっぱり無かったので、とりあえずおじいさんと別れ、悩みに悩んだ末3つの選択肢が浮かびました。
1.中ノ湯で待機する
2.平湯温泉まで歩く3.諦めて登山する
1だと僕のスマホを乗せたバスがもう一度ここに戻ってくる確信がなく、最終的に2番、次のバス停の「平湯温泉」まで歩くことにしました。
地図をよく見ると「中ノ湯IC」の文字。そうです、ここは中部縦貫自動車道。長野と岐阜をつなぐ自動車道でした(完全に忘れてた)。
流石に徒歩で進入するほど焦っては居ません。しかたないのでヒッチハイクをすることに。
何台かにスルーされ、このままではまずいと思い、「助けて~!」と叫びました。IC手前で75Lのザック背負った大きめの成人男性が助けを求めている絵面はなんとも怖すぎますが、なんと女子大生二人組が停まってくれました。
事情を説明し、平湯温泉まで乗せていってもらいました。感謝しても仕切れません。
再出発!
バス会社に連絡してスマホを回収し、中ノ湯に戻ってきました。
行程より3時間遅れてのスタートとなりましたが、これでも15時にはテント場所の小梨平に着ける計算だったので、いざ出発!
あいにくの空模様でしたが、雪が想像より浅くてサクサク進めたので、気づいたら見慣れたバスターミナルに着いていました。
ちょうど下山していた、あの携帯電話を貸してくれたおじいさんと運命的な再開を果たしました(一本道)。
3.到着!
風が強くなってきていたので急いでテントを建てて仮眠。
一人で心細くもありましたが、それ以上にわくわくがとまりません。
割り箸を忘れたので、そこらへんの枝を煮沸。誰もが一度は経験ありますよね??(圧)
仮眠から目覚め、お手洗いに行こうとテントから這い出すと、日中は雲に隠れていた穂高の稜線が!!しかもこれまで見たことないほどの満天の星空。
急いで三脚を取り出して撮影開始。気温はー15℃ぐらいでしたが、寒さを忘れて撮り続けました。
4.2日目
絶景 of 絶景
3時頃に目覚め、大正池に向かって真っ暗な(本当に何も見えない)林道を歩きます。視覚を塞がれると音に敏感になるもので、雪が落ちたり、枝が折れる音に過敏に反応していました。熊が間違って冬眠から起きていないことを祈りつつ、時折自分を鼓舞するために叫んだりしてました。
道中ずっとMOROHAの曲を聴いて意識を保っていました。
プレイリスト置いておきます。ご査収ください。
やばくないですかこれ。貸し切り状態でこれを見ることができて、感極まって小躍りしてました(こけたのでやめました)。
ゆっくりと穂高の稜線が赤く染まっていく時間は一生忘れられないと思います。
絶景を前に語彙力を失いつつもなんとか、構図を考えます。幸せなひとときでした。
朝焼けが終わってもずっと絶景が続きます。水面から水蒸気が立ち上り、あたりを幻想的に包み込みました。
2度目の絶望
日が昇りきったので、そこらへんを散策していると、梓川のほとりに出られる場所を見つけました。
ここおすすめです。梓川のさらさらとした音と、暖かな日差しですごくリラックスできます。
しかし、絶望は突然に……
川縁に面白い形の氷をみつけ、撮ってみようとカメラを三脚に載せたそのとき、カメラ落としてレンズが壊れ、ボディ側もオートで露出が合わなくなりました。
2度目の絶望です。しかもどうすることもできないので、とぼとぼとテント場へ帰ります。
気分をあげるべく、ニホンザルを撮影しました。
余談ですが、上高地に生息するニホンザルは世界で最も過酷な環境で生息する霊長類だと言われています。そして、過酷な環境で越冬するために、魚をつかまえるように適応したと考えられているそうです。
ニホンザルにいやされていると、少しずつ日が傾き始めました。
夕焼けを撮影していると雲が出てきたので、この日は星の撮影を諦め、テントでゆったりと過ごしました。
このテント場所素敵やん……
3日目
ちょっとした吹雪の中、早朝の撮影を終え、帰路につきました。穂高に後ろ髪を引かれながら下山します。
終わりに
テントから這い出て見上げた星空、凍傷にならないように雪原を走り回って待機した朝焼け、暗闇のナイトハイク、厳しい環境に適応した生き物たち。
なんてことない雪道にすら心奪われ、すごく幸せな山行となりました。
他の構図の写真はinstagram やtwitterにて随時更新中です!
そちらも是非チェックしてください!
ではまた!
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