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世界を広げるために、35mm画角を言語化して使いこなす。

こんにちは、カメラマンの矢野拓実です!

実は最近Youtubeをやっていたりします。

https://www.youtube.com/channel/UCyk1gRSWw1YLdwR3wnz1HdQ



これまでに35mm画角について10回くらい取り組んでみて、色々とわかったことがあります。
35mmは、28mmと比べてちょっと狭いですが、50mmと比べて広いです。つまり、ちょっと中途半端な位置にあるのですが、それでもやっぱり使いやすいと感じる部分があります。



ただ、少し狭いというよりは、広い要素が強いですね。28mmなども難しいですが、特に街の中で使うと、建物と建物は動かせないですから、その位置で撮影したり、人物の配置を考えたりするのは非常に難しいと感じました。


ですので、今回は「なぜ写真が垢抜けないのか?」という点について少し調査してみました。そして、「垢抜けない写真にするにはどうすればいいのか?」という点について考えてみました。
また、ポートレートも実際に試してみましたので、ポートレート撮影においてどのように工夫すればいいのか、最後に少し話してみたいと思います。

35mmは垢抜けない写真を量産してしまう




今回僕が話した内容を元に、一度撮影してみるだけでも、案外写真が変わるのではないかと思います。35mmという広い画角、そしてそれだけでなく、28mmや24mmといった他の広角レンズで撮影することについても意識すると、写真が変わってくるのではないかと思いますので、ぜひ一度お試しください。



この写真を見て、何が足りないのか、どうしたらより良い写真になるのかを考えるために見直しました。例えば、街のスナップ写真や色の要素が大きい写真、広がりを感じさせる写真は、どこかパッとしないと感じることがあります。




この写真において、特に注目したのは空の要素です。
ハイライトや輝度を調整しましたが、空の要素が含まれることで色のばらつきが生じ、視線をどこに持っていけばいいのかがわからないと感じました。


風景や街並みを撮ると、空が映り込むことが多いですが、その扱い方次第で写真の印象は大きく変わると最近気づきました。


普段は人物撮影が多いため、街のスナップ写真を撮るようになって初めて気きました。

例えば空を一切写さない写真を撮ってみる

例えば、左側の写真には空が含まれていますが、同じ場所を橋から撮影し、道路だけを撮影すると、単なる道路の写真に見えますが、バイク一台だけが目立ち、道路の矢印が視線を奥に誘導するストーリー性を感じることができます。



このような写真は、例えば本の中で「未来に進もう」や「旅をしよう」のようなテーマの写真として活用できます。



一方、左側の写真だけでは、視線をどこに向ければいいのかがわからないため、そこにはストーリー性が生まれません。
空の要素や車など、視線を分散させる要素が多いと、視線の焦点が定まらないことが問題なのかもしれません。
このような場合には、車だけを撮影する、左側の建物だけを撮影するなど、視線を絞ることが重要でしょう。
つまり、選択肢を削り、広角で撮れる範囲を絞ることで、より良い写真が撮れるのではないかと思います。


例えば、私が以前エジプトで仕事をした際の写真を見てみると、空を撮影する際には構図を意識することが重要だと思います。


この写真は、広角レンズ、具体的にはXF23mmF2を使用し撮影しました。
ラクダに乗った人が中央にくるように待ち、ピラミッドの位置はあらかじめ決めて撮影しました。つまり、配置をしっかりと決めて、被写体が来るのを待つという手法を用いました。

35mm以下の画角での撮影は難しいと言われることがありますが、しっかりと構図を決めることでうまく撮影できると思います。
この写真の構図は、ラクダに乗った人が中央に位置し、空、ピラミッド、砂漠という三分割の構図になっています。
つまり、被写体と背景の配置を決め、適切な構図を作ることで、まずは整った写真を撮影することができると思います。

敷き詰めてみる



先ほどの話題で、空を写真から排除して考えてみると、敷き詰めるという観点が面白いかもしれません。
例えば、渋谷や原宿で撮った写真を見てみると、その画角を活かして、画面全体にバーっと情景を敷き詰めて迫力ある写真を撮ることができます。


望遠レンズである50mm、85mm、200mmなどを使うと、車は2台から1台に絞られ、看板も1枚だけになる等、主題を強調して伝える写真が撮れます。

しかし、風景要素を含む写真としては、広角で敷き詰めた構図がいいのかなと思います。


ポートレートで35mmを活かす



最後に、ポートレートについて考えてみます。35mmはポートレート撮影には少し使いにくいかもしれません。


今回、私がピックアップした2枚の写真は、広角の特性を活かして背景を映し、人とその環境というストーリーを描くことができています。
人だけではストーリーを描き切れない場合もあります。もちろん、服装や動作から人のストーリーを伝えることは可能ですが、どこにいるのか、誰と一緒にいるのか、背後にどれだけの人がいるのかといった情報を含めることができます。
たとえば、浅草や鎌倉の八幡宮のような場所で撮影すると、人が多く映り込んでしまいますし、被写体との距離を保つことが難しいです。
そのような場合でも、広角を活用することで選択肢を広げることが可能です。

今回、35mmという一つの画角について深く考える機会になり、自分にとっても非常に良い経験になりました。これからは、35mmの画角を使った企画を10本進めていきます。

また、これまでに公開した10本の動画ではCaptureOneというソフトを使った写真現像についても詳しく解説しています。
CaptureOneの使い方に不明な点がある方は、これまでに配信した動画をご覧いただければと思います。


次回の動画では、チャンネル登録者数が500人を超えたこと、私が現在チャレンジしているプロジェクトなどについてお話ししたいと思います。チャンネルの趣旨も少し変えていく予定ですので、ぜひチャンネル登録をお願いいたします!

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