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不祥事防止研修は何のためにあるの?

不祥事防止研修を職員会議の最初にミニ講座のように持ち回りで担当する。時間も限られていて(5分程度)で身のある研修になっているかと言われたら即答でYESとは答えられない。
立ち止まって何のためにするのか目的を確認する。

不祥事防止研修の目的はもちろん

もちろん、不祥事を起こさないためである。
しかし、不祥事防止研修を毎年しなければいけないぐらい不祥事が常態化している。

Q&Aで考えてみよう!

Q不祥事を起こしたらどうしてダメか?

A信用を失墜してしまうから。
社会(世間)、保護者、そして、子供からの信頼を失ってしまう。信頼を失った人は、教育を行いづらくなる。教育は、何をいうかではなく、誰が言ったかによるところが大きい。
信用ならない人から正論を言われても「おまえがいうなよ」となる。
だから、教員の不祥事は起こしてはいけないのである。
さらに、自分の学校で起きなければいいかといえば、違う。
人は、「〇〇は」というようにくくりで見てしまいがち。
「先生は」と思われてはやはり教育効果がなくなる。
自分の不祥事はもちろんいけないが、周りの不祥事も自分たちに降りかかってくる火の粉である。

では、

Q不祥事防止研修は楽しいか?

Aいいえ。
あたりまえのことをあたりまえに行う。さらにマイナス面を取り上げることになる。もちろん、起こしてしまった後の状況を想像することで不祥事に対する抑止力になる。
だから、楽しい必要はない。とも言える。
それでも毎年行っている。事例研究は、もうあきた。
教員の不祥事研修は、効果が上がらないことを研究した(塚本、2018)は、「学校教職員の不祥事と対策について-校内研修はどうあるべきか-」で不祥事防止研修の取り組み意欲が低下する原因を、

「事案そのものの他人事(ひとごと)性」
「研修の他人事性」
「人間的な抵抗感や拒絶感」の3つに分けている。

つまり、
①不祥事がひとごと
②研修が他人事
③不祥事からの忌避
がある。
だから、研修は、①専門家の講演、②監督責任者の訓話、③個人にチェックリストを配布、④事例を使ったグループワークになる。
時間が限られている中で、研修効果が少なくなってしまうのは、よくあることだ。
ここに、「日々の教育活動に役立つ研修」を入れることを提案する。

では、

Q積極的に不祥事を起こさない教育・職場を作る研修にするためにはどうすればいいか?

A不祥事になり得る要素(ファクター)を取り除き、日々の教育活動に役立つ研修とする。
不祥事になり得る教員の要素は、以下。
①日常が忙しい。

②教育活動がうまくいかない。

③ストレスが溜まりイライラした状態が続く。

④職場に相談できる人がいない。

⑤問題が解決しない。

⑥ストレス発散行為で不祥事を起こす。

不祥事になり得る職場の要因は、以下。
職場に助け合う雰囲気がない。3無。
①個人が何をしているか無関心。
②自分の与えられた仕事しかしない無気力。
③問題ばかりで子供の成長の変容がない無感動。

だから、解決すべき課題は、子供の変容を促すような教育活動を作り出し、お互いに喜び合えるような職場にすることである。

結局どんな研修をすればいいの?

これは、一言でいうことはできない。塚本(2018)も述べているように参加者が本音を出し合えることが重要。事例研究で本音を出し合うという提案がされているが、時間がない中で本音を交えて話し合えるのは難しい。そこで、短い時間(5分)で行える研修を3つ提案する。

①職場の関係づくり
②体験の交流
③日々の実践(時短)に役立つ

どれも不祥事防止の観点を入れる。さらに、なかなか思い出す時間は取れないので、不祥事防止研修の前に準備してもらうこともある。

①帰ってからのマイルーティン、私のストレス解消法などの自分のことを話す研修。(職場の関係づくり)
②今までで一番ヒヤリとした教育実践。逆に一番涙した教育実践。(体験の交流)
③毎朝のルーティンでの時短の工夫、提出チェックが漏れない工夫、学級経営チェックなどの交流(日々の実践(時短)に役立つ)

である。

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