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さよならバンドアパート番外編

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「さよなら、バンドアパート」の主人公である川嶋の10代の頃の短編です。
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#小説

さよなら、バンドアパート.美咲の話3

僕と美咲は時折公園で話すようになった。 二人きりで話さないと人間の本質には気づけない。学…

takuro(juJoe)
2年前
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さよなら、バンドアパート.美咲の話2

二年生になり、ますます孤独は進んだ。完全に地球上でひとりぼっちになった気がした。中二病と…

takuro(juJoe)
2年前
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さよなら、バンドアパート.美咲の話1

「いいとこね!」 つないだ手の先から、風鈴のような声が聴こえた。何故かは分からなかった。…

takuro(juJoe)
2年前
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神戸に酒鬼薔薇が登場した時、小学三年生をやっていた話!

酒鬼薔薇事件を知っていますか。 時は1997年。近所の学校の校門に切断された首が置かれ、神戸…

takuro(juJoe)
2年前
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さよなら、バンドアパート2

1.嬉しさよりも安堵が先にやってきた 幕張のステージに立つと、八千人近いオーディエンスが溢…

takuro(juJoe)
3年前
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さよなら、バンドアパート1

1.キレる事前作法として、まず質問「バンアパは理想が低い!サザンを目指せ!」 マネージャー…

takuro(juJoe)
3年前
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中学のとき教室内にアイコラ会社ができた話

鬼束ちひろさんが好きだった。 アーティストとしてもだけど、もう女として好きだった。 会えもしないし、よく知らない。 それでも僕は鬼束ちひろさんが大好きだった。 中学一年生。そんなガキだった。 芸能界にはたくさんの美女がいた。 友人たちは後藤真希や大塚愛、深田恭子に加藤あい、松浦亜弥などに夢中だった。その中で『鬼束さんフリーク』はマイノリティと言えた。 「なぜあえて鬼束ちひろなのか?」と問われ続けた。 好きなものに理由など無い。何もかもが好きだった。 中学生と

働く力が全然ない人間こそ!

空が火事になったみたいな夕焼けの中、交差点を猛スピードで車が行き来していた。梅田方面、豊…

takuro(juJoe)
4年前
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雨の日のアイスコーヒー

予感もあてにならない。 あの冬の日からずいぶん時間が経った気がしたけど、カレンダー上はま…

takuro(juJoe)
6年前
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寒い日のアイスコーヒー

「イマ歩きたかった道を歩いてる」 「いつからそうしたかったの?」 「金がとんでもなく無か…

takuro(juJoe)
6年前
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担任にムリヤリ魔女宅を見させられた話

学校の黒板の向きは法律で決まっている。 誰が決めたのか知らないが、窓が南側に位置するから…

takuro(juJoe)
3年前
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世界一嫌われている食べ物の話

ドラえもんの声優が変わった年だった。皿洗いのバイトをしていた。 正確に言うと和食屋の厨房…

takuro(juJoe)
3年前
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男女の友情、絶対ある!

アレは紛れも無く「友情」だった。成立する。永遠ではなくとも、ギリギリのバランスで成立して…

takuro(juJoe)
4年前
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我らmixi世代!

「mixi世代」なんて言葉があるのか分からないが、僕はたぶんその世代なのだと思う。 今のTwitterやInstagramと異なり、mixiはそう易々と入れないSNSだった。 すでに入会している登録ユーザーから招待を受けないと利用登録ができないのだ。 完全招待制という方式は、ユーザーそれぞれの素性が明らかになり、健全で安心感のあるコミュニティを維持するという目的だったそうだ。 たしかに今のSNSと違って一定の治安が守られた場所だった。 しかし当時SNSなんて呼び名はな