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バンドのトラブルは過緊張・気抜き・貧乏のコンディンションで起きる

バンドのトラブルは「緊張しすぎ」か「リラックスしすぎ」のときに発生する。あとは異様に貧乏なとき。

・メンバーが荒れる
・音が止まる
・スケジュールの密度と預貯金が合っていない

トラブルというのは上記のようなものだ。
したがって「曲ができない」とか「メンバーのやる気が常時ありません」みたいなケースはシンプルに実力不足なのでちょっと異なる。

自分たちの実力以上のものをひねり出そうとすると活動が苦しくなる。無茶はいいけど無理は続かない。

数年規模でやっていくバンド活動なのだから「実力と関係ないトラブル」というのは減らすに限る。

このトラブルというのはある発生条件がある。というか発生したときに増殖して深いダメージを負うか、トラブルをこじらせずに軽傷で済むかの違いだ。

つまりトラブルの被害規模というのはバンドの免疫状態によって変わるのだ。

免疫が下がっているというのは「視野が狭くなってるとき」だ。
「視野が狭い」というのをさらに言語化すると「気を張っているとき、気を抜いているとき、金がないとき」のどれかだ。

他のメンバーが前のめりのときは自分は一歩引き、自分自身が前のめりの時は外部に観察できるひとを置いたり、他のメンバーが引いてみる担当ができるなら一番良い。

お金に関しては金銭感覚が馬鹿すぎるやつとバンドをやらないようにするに限る。

人間が何かしらしていたらトラブルというものは必ず起きる。どんな大企業で働いていても、公務員であっても想定外のエラーというのはつきものだ。

だけどやっかいなことにトラブルをゼロにすることはできない。そしてトラブルのダメージをゼロにすることも不可能だ。

だからこそ痛みを減らして、トラブルが致命傷にならないようにしていく。免疫力を上げて被害を抑えるのだ。綺麗に処理してしまえばチャンスに変わるケースもある。

昔、大阪に行く途中の高速道路で大雪の足止めを食ったことがある。6時間かけて、東京から横浜までしか到達できなかった。

結果、僕たちのバンドは途中で車を降りて新幹線で移動することにした。スタッフが多かったので13万円もした。当時の僕たちのバンドとしては大金だった。

間違いなくあの雪はトラブルだったのだが、大阪での公演は大成功だった。異様に物販が売れたり、当日券チケットがやたら売れたのだ。一つ要因がある。

「大雪の影響でそもそも僕たちのバンドが到着できるかできないか」という状況を配信し続けながら移動したのだ。これがファンの熱をさらに上げた。

他のバンドが諦めてキャンセルしてしまったこともあり、相対的にボルテージが上がったのかもしれない。

おかげで物販の売上が最高記録だったり、ギャラもライブハウスが多めに払ってくれて、結果としては大黒字になった。何より「こういうときでも来る連中」という強烈な印象が残った。
バンドという「応援してもらう仕事」においては大きな財産をつかんだ日になった。

これが視野が狭かったらどうだろう。「新幹線で移動」という発想がなかったかもしれない。

金銭的に困窮しまくっていたら、行くのを躊躇ったと思うし、そもそも行けなかったかもしれない。顔面蒼白でひねり出したお金だったら、配信するなんて余裕はなかったとも思う。

「気を張ってもいないし、抜いてもいない。爆裂な貧乏でもない」という心理状態が自分たちをトラブルから救い、チャンスに変えたのだろう。

あれから10年経って、juJoeをやりながら会社をやっているけれど、今もあの日の教訓を心に置いている。

「気を張ってもいないし、抜いてもいない。爆裂な貧乏でもない」という心理的コンディションをとっておくとピンチも怖くないんじゃないかなぁと。

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