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モテなさすぎて包丁を振り回す

モテるためにギターを始めたという男は多い。包丁を持って暴れ回る前にぜひ始めてほしい。

そう、僕たちはずっとモテたい。

そのためならFコードにもチャレンジするし、作詞してスベるぐらい何でもないのだ。

女のひとからしたらアホに見えるだろう。
しかし「女性からのリスペクトを満たし、同性からも一人前に見られる」ということが我々にとっては人生の根幹、命題にも関わってきている。

そしてそれは女性たちの安全を守ることにもつながっている。

『インセルたちの反逆』というネットカルチャーをご存知だろうか。モテなさすぎた男たちがブチギレるという救いのない話だ。最近知った。

インセルらは

・「男性が女性に対して支配的立場にあるーという考えはウソ

・カップル成立には、地位、財力、容姿などで男性を選べる女性の決定権が大きい

・結婚制度そのものが女性の利益になる

・この世界で男性はむしろ不利に扱われている

みたいなことから社会や自分を愛さなかった女性たちにキレている。

そして銃を乱射したり、電車内で包丁を振り回したり、秋葉原にトラックで突っ込んだり、子どもを殺したりする。しかも卑劣なことに絶対に自分より腕力のない女・子どもを狙う。もしくは凶器で殺傷力を上げる。

迷惑そのものなのだけれど、僕だって14歳の頃に三宮のイシバシ楽器店でギターを買わなければどうなっていたか分からないというのが怖い話だ。

それぐらい男の思春期は自己尊重が強くなる傾向になる。誰しもがプライドが高いだけの自分大好きな甘ったれになってしまうのだ。

文化人類学の本にはこうある。

『長年に渡り、自分をいいほうへと考えていき、自らにとって好ましい自己像を作り上げていく。
大したことないのに自己尊重が過剰に強いので他人からの評価に敏感になり、他人からの客観的な評価と比べ、自分の主観的な評価がはるかに高いので、他人の評価が脅威となる。

自分が期待したよりも、他人の評価が低かったり少しでも冷遇された途端に、怒りが爆発し、攻撃行動をとる。

この折り合いつかぬ過剰な自己尊重を維持するために、自己像を修正するよりも他人を攻撃し続けるか、もしくは自らの行動範囲を狭め、極端な場合はひきこもり、オタク化する。攻撃的な方向に向けば大規模な犯罪を行うこともある』と書かれている。

「モテない男が治安を悪くするぜ」という話だ。

解決策は『メンタル的にタフになり、気分に流されず感情をコントロールする術を身につけること。他者の言動に感情反応しないよう、熱中できることに時間を費やすこと』とある。

さらに『精神的余裕ができれば自分に合った自己像を受け入れ、バランスの取れた人生を送ることもできる。もしくは時間とエネルギーを賢く有効に使い、未熟な自分を鍛え上げ、高い自己像に現実の自分を到達させてしまう』とも書いてあった。

マジでそうだと思う。

どれほど金を稼いでも人気を出しても、人生を崩壊させるのは「女性から認められない。そして同性から半人前扱いされる」という痛みがあると何も満たされない。

キャバクラで鬼のように金を溶かしたり、ドメスティックバイオレンサーになったり、酒を飲んだときだけ怒鳴るようになるのも「俺をナメんなよ!もっと俺を尊敬しろよ!」というエモい嘆きの果てなのだ。

僕もむかしから決して大量の美女を両脇に抱えてガハハハと笑いたいわけではなかった。

でもこのままではいけないことだけは分かっていた。モテたい、というかはモテないと男の世界で踏みにじられるフレーバーを、小学校高学年ぐらいからひしひしと感じていた。

ギターを始めたきっかけは「バトル・ロワイアルの七原がヒロインといい感じになっている。たぶんギター弾いてるから。政府にも逆らっててかっこいい」というアホの子としか思えないものだった。

だけどあれから20年以上も続いていき、写真のような光景まで見られるようになった。

中学の頃の自分がタイムテレビで見たら「モテたじゃん、大人になった俺!」と思うことだろう。
これが「モテ」かどうかはちょっと別の話になるのだが、まぁ14歳の自分がキャッキャと喜んでくれるならそれでいい。

男がしんどいことでもけっこう頑張れるのはこんなくだらないことなのかもしれない。

だけど油断すると「刃物を持った男」と呼ばれる日が来てもおかしくないのだ。

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