植物のある住まいだから実現できる。見て、使って、整える癒やし【Living with nature project 】Vol.3
季節と生きる。植物のちからを借りて暮らす。Living with nature projectは、心身ともにヘルシーな日々を送りたい人たちのためにおこなう、実験です。
自分にできないことは、他者にもできないという考えのもと、「どうやったら無理を強いない暮らしを送れるだろうか?」Vol.3で考えてみました。
Living with nature project について
ベルリン在住のガーデナー・hommyさんと、編集・デザインチーム「白梟」の荻原ゆか・小松﨑拓郎が、1DKの小さな小松﨑家の新居を舞台に、小さな植物園をつくるプロジェクトです。
0)小さなリビングに、小さな植物園を。Living with nature project をはじめます
1)【Living with nature project】Vol.1|ガーデナー・hommyさん 我が家に来たる!
2)【Living with nature project 】Vol.2 お庭での過ごし方|ロンドンとベルリンのガーデン事情
今回はガーデナーとしてロンドンとベルリンのガーデン事情を見てきたhommyさんと「理想の自然との関わり方」を考えていきます。
(写真左から、おぎゆか、hommyさん、拓郎)
hommyさん東京時代、多忙さな日々を癒やしていたグリーンと、培ってきたデザインを掛け合わせて何かできないか?と、渡英しガーデナーの仕事を始めたhommyさん。ベルリンでは日本大使館のお庭など、こちらでの活動は多岐に渡ります。
心身ともに健全でいるために、どんなふうに暮らす?
拓郎 ぼくらは自分にも、他者にも、地球にも無理を強いない暮らしを目指しています。
言い方を変えると、心身ともに健全な暮らし。そのためには、ベルリンの若い人たちが持っているような価値観、つまり人と社会、地球環境、地域のことに思いやりをもつ必要があると思っています。
ただ、そんな壮大なことを言ったとしても、まずは自分にやさしくできないと、他者になんてできるはずがないので、今回はどうやったら心身ともに健全になれるのか考えたいです。
hommy 植物の力を借りて生きる、じゃないですか……? 人間はハーブとか、植物が持っている力を得て生きてきているんだなと、最近感じていて。
拓郎 なるほど。
hommy 植物でなにができるだろう?って日々考えるなかで、食べものも野菜も、アロマセラピーで精油をつくるにも、薬も、もとをたどれば植物の成分を抽出しているし、テーブルも木を加工してつくられている。
植物を暮らしに取りいれて人間は発展してきたんだっていうことを、最近つねづね感じているんです。
ベルリーナーの植物との関わり方
ゆか ベルリンのひとたちの植物との関わり方が気になりますね。
ドイツに来てびっくりしたのが、スーパーにハーブティーが多いのと、ハーブの植木がふつうに売られていること(笑)。ハーブとの距離感がすごい近いんだろうなって感じた。
hommy それでいうと、ドイツ人のハウスメイトはシーンに応じたハーブティーの使い方を知っていて、私がおなかを壊した時には「これを使いなさい」、「風邪をひいたときにはこのハーブティーにジンジャーを入れてね」って教えてくれたりします。
日本では風邪をひいたら市販の薬とか栄養剤を飲んでお医者さんに行くのが普通だけど、ドイツは自然の力を借りて病原体に打ち勝つ、それを手助けするものとして植物を使っているなと。
拓郎 それ!ほんとそうですよね。ドイツ人の生活様式に習って〝続けたい暮らし〟としてアーカイブしようと思ったくらいです。
hommy 楽しいとかしあわせって、健康があるから成り立つことだと最近つねづね感じておりまして(笑)。
日常生活で植物を使うなら、どんなことから始められる?
拓郎 意味深(笑)。じゃあ、日常生活で植物を使うしたら、どんなことから始められそうでしょう……?
hommy 自分に癒やしを与えるようなことがいいんじゃないかと。ロンドンに行ったときにニールズヤードのアロマオイルを買ったんです。
そのときに店員さんからこの精油にたいしてはこのオイルで、どこに塗りたいかによってキャリアオイル(精油を希釈するための植物油)も違うという説明をしてもらって、興味深いなぁって。
(引用:Neal's Yard Remedies)
hommy 疲れてるな、緊張してるな、とか、女性だったらホルモンバランスで体調も変わってくると思うので、そのときの自分にあわせて植物の力を借りることができたらいいなと。
「風邪をひいてしまった。お医者さんに行かなきゃ!」っていう選択だけじゃなくて、自宅で自分でコントロールできるから。
ゆか 体調、変わるねえ(笑)。
hommy そう! なので、そういうときに自分で解決できる方法をもっていたら、毎日が豊かになるのかなと。アロマディフューザーは使ってますよね?
拓郎 はい!ドイツでつくっているPRIMAVERA(プリマヴェーラ)のアロマオイルを使ってます。
(PRIMAVERAの公式映像)
拓郎 ゆかさんは仕事をするときにミント系のオイルを使ってるよね。
ゆか 私、乗り物酔いが激しいんですよ……。電車とかバスに乗るときにミントの香りがあるだけで、だいぶ落ち着くんです。だから草のちからは信じていて(笑)。いつもお守り代わりにアロマオイルを持っています。
hommy いまは大丈夫ですけど、「肝臓が弱い人はこれはだめ」とか「妊婦さんはこれを避けて」とか、アロマはこういう使い方は危ないとか注意しないと。自分の体にかかわることなので、正しい知識を得られるといいですよね。
拓郎 なるほど! そういう一面を考慮しながら、植物のちからを借りて暮らせるような居住空間をデザインしていくのがいいかな?
知識というより生活の知恵として、植物のちからを日常的に使える仕組みをつくりたいです。
ゆか そうだね。ここまでの話を整理すると、「見る」癒やしだけじゃなくて、「使う」癒やしがあるといいのかも。
◎見る癒し(視覚的な癒し
→植物を設えて鑑賞したり、森林浴やガーデニングといった視覚的な植物とのかかわりで得られるもの
◎使う癒し(機能的な癒し
→食べたり、飲んだり、アロマといった植物製品を使ったりする、植物を直接使用して得られるもの
設計図を描いてみた!
こんな経緯のもと、ぼくらは3つの要素「見る、使う、整える」癒やしをどのように空間のなかに組み込めるか、設計図に描いていきました!
hommyさんの設計図
拓郎の設計図(ちょっと意味わからない…笑)
おぎゆかの設計図
設計図の詳細については、また次回!
日本に帰国していたhommyさんがベルリンに戻ってきました。
いよいよ描いた間取りをもとに描いた設計図をもとに、部屋を大改造していきます。
ゆっくり進むプロジェクトですが、それでも地道に進んでいます。
またのレポート、お楽しみに!
◎毎日のことはInstagramのストーリーで更新しています。
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