TOKYO COMPLEX 「銀座は眩しかった」

銀座。
この単語が持つ輝きそのものに眼が眩んでしまいそうになる。

東京都中央区に位置する、有数たる高級商店街。「銀座」そのものが一種のブランド名となっており、地方にも銀座と名がつく商店街をよく目にする。

北海道に住んでいた幼少期の頃の僕ですら銀座という街は他の東京の街と比べワングレード高いイメージを持っていた。
昭和時代に近い描写ではあるが、正装をして家族で百貨店に行き、レストランで洋食を食べる。実際にそのイメージが現実的に正しいかと言われると自信がないのだが、意外にも他の方々も同じようなイメージを銀座に持たれているのではないだろうか。

東京に住んでいた学生時代。銀座という街に行くことはほとんどなかった。
理由は2つ。1つは僕が住んでいた国分寺から銀座に行くとなると荻窪、または四ツ谷にて東京メトロの丸ノ内線に乗り換える必要があり、意外と遠い印象があったため(実際、東京メトロに乗った回数はそんなに多くない)。
そしてもう1つは銀座という街に行く目的を僕が持ち得なかったからだ。
僕が街へ行く、となると音楽CDを買いに行ったり、ライブを見に行ったりすることが多かったのだが、音楽CDは吉祥寺のタワレコで済ませていたし、銀座で開催されるライブに行く機会はなかった。そして銀座にある百貨店や高級店に行く理由とそれ相当の身の丈が僕にはなかった。
幼少期に思い描いていた銀座に大学生時代の僕は全く追い付いていなかった。

はっきりとした意識の中で銀座に行ったことがあるのは恐らく就活の時。
銀座の隣である有楽町には合同企業説明会が開催されており、有楽町にはよく足を運んだ。そして個別で企業の面談を受けに銀座に足を運んだ。
その時は就職活動という明確な目的があり、且つその目的が娯楽のためではなかったため、あまり銀座という街を楽しんだ記憶がない。
ただ、物凄く煌びやかな印象を抱いた。あぁ、ここで働いたらどんなに素晴らしいのか。その銀座に所在する会社は1次試験で今後の就職活動をお祈りされ、銀座で働くという憧れはすぐに途絶えた。

あれから4年。
2017年5月のゴールデンウィーク。僕は久々に銀座へと足を運んだ。
厳密に言うと東京に遊びに行った際、しょうが好きとしてどうしても訪れたかった「銀座のジンジャー」に行ったぶり。約2年ぶり。
地元の友人と東京観光をする中で、煌びやかな東京の世界を楽しむ、を初日のテーマとし、丸の内や東京駅周辺を散策。そして銀座に訪れた。
銀座にはSNSで知り合った知人からお勧めのお店を紹介してもらい、そこで晩飯を食べることが目的であった。

にしても、銀座という街は相変わらず煌びやかだ。
街往く人々のセレブ感たるや。
ただの厭味ったらしいセレブ感ではなく、おしゃれなのだ。
大学を卒業し、ほんの少し社会経験を積んではいたが、まだまだ僕は銀座という街には相応しくない。

そんな自分にまたもコンプレックスを抱くのだった。

と、本来であればここで筆を止めるのだが、初めて銀座に訪れたのが就職活動の時、という文章を書きながら、ふと、過去の記憶がフラッシュバック。

そういえば、大学1年の時に銀座、行ってなかったっけ。

そう思い、mixiにログインし、過去の日記を参照。
当時からSNS中毒だった僕はしっかりと記録を残していた。

記憶と記録が合致した。

とある1日の話なのだが、少々長くなることが予想される。
書いている僕ですら想像しなかったまさかの後半は後日。

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