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神は細部に宿る

 モーニング読書会で読書会を企画し、ファシリテータを続けること6年、早朝に150回以上読書会を開催してきました。150回以上の読書会開催でルーティンワークを繰り返した結果、本質として見えてきたもの、まだまだ何も見えていないものが存在します。結局それは、ルーティンワークに取り組む際、細部へのこだわりの有りや無しやよるものと思い至りました。

ゲームプログラムの写経という報酬系

 改めて人生を振り返ると、読書会のように良いサイクルで続けられた習慣が、自分の強みに繋がっています。
 例えば、小6~中3まで、MSX-BASICで書かれた雑誌掲載のゲームプログラムを、ひたすら写経し続けました。同時期に子供向けのプログラミング本も読みましたが、訳も分からずにゲームプログラムを写経していたことが、プログラミング能力の獲得に繋がります。
 訳も分からずプログラムを写経 → エラーが出る → 写し間違った場所を見つけて直す → ゲームが動く → 楽しい → 別のゲームプログラムを写経 → エラーが出る → 写し間違いを見つけて直す → ゲームが動く → 楽しい、というループする習慣が回転し続けます。その横で、自分でもゲームを作れるように、プログラムを理解しようとして、プログラミングの本を読んで実験する習慣が断続的に発生するのです。そして、4年ほど経過した高校生の頃には、独学でコンピュータプログラムの読み書きができるようになっていました。
 写経という報酬系があったからこそ、本を読んで実験するという苦行に耐えることができた。

自転車での長距離移動という報酬系

 他にも、2006~2011年の期間はロードバイク(自転車)での遠乗りにハマりました。この頃は、休日になると100km以上の距離を1日かけて走り、最盛期は年間6000km以上を自転車で移動し、体脂肪率が9%というアスリート並みに締まっていた時期もあったくらい、自転車にどっぷりとハマってました。
 ロードバイクの遠乗りやヒルクライムも、頑張る → キツイ → こんなに遠くまで来れた達成感 → また頑張りたくなる の循環が回り続けたわけです。この経験のおかげで、日常的に自転車に乗らなくなったいまでも、片道30kmくらいなら自転車で移動できる距離と直感的に判断し、一人移動で時間があるなら自転車で移動しちゃいます。それが楽しいと、本能が訴えるので。

圧倒的積み重ねから、強みは生まれる

 プログラミングができることは、システムエンジニアになる自信となり、自転車で遠くに行けることは、スポーツが苦手な自分でも、体を動かすことは好きだと言える自己肯定感に繋がりました。
 そうすることで、コンピュータと運動を自分の強みとして捉えることができるようになった訳です。

みんなと共同する能力の開発

 さてさて、プログラミング能力の開発は独学、自転車での遠乗りも常に一人旅だったので、ながらくソロプレイヤーとしての強みしか持ち合わせていませんでした。そんな自分が他者との協働を人並みにこなせる様になったのは、お仕事での実務経験もさることながら、モーニング読書会の存在が大きいです。
 コンピュータが得意という、自分の強みを活かしつつ、モーニング読書会の運営に参加し、読書会に継続参加したおかげで、多種多様なバックグラウンドを持つ人々と対話する機会を得ることができました。さらに、読書会グループの主催メンバーとして運営に関わることで、自律型組織を作り上げる方法を実体験として学ぶことができています。このことで、ソロプレイ重視だった自分でも、他者と共同する能力の開発に恵まれることになりました。

ルーティンワークの細部に、神は宿る

 「読書会の主催」も自分にとっては、「ゲームプログラムの写経」や「自転車での遠乗り」と同様に、同じルーティンの繰り返しによる報酬系の快楽となっています。
 そんなルーティンワークの読書会主催であるからこそ、「神は細部に宿る」を意識したいです。
 この記事のタイトルは、「家、ついて行ってイイですか?」や「ReHacQ」を企画した、映像ディレクター高橋弘樹さんの著作「1秒でつかむ」の「9 ルーティン本気力」から引用してます。高橋さんは『神は「細部にしか」宿らない』と言い換えてますが、表現が扇情的すぎるので、巨匠ミースの名言「神は細部に宿る」としました。

ルーティンの森を突き抜けた先に「絶景」がある

 読書会の進行やテーマには、毎回ではないのですが自分なりのこだわりを追求しています。なので、読書会を繰り返し開催してきたことで、どうすれば面白い読書会になるのかが見えてきた気がします。
 ですが、読書会開催レポートの作成が億劫で近頃は書けていません。このため、価値ある読書会開催レポートとはどんなものなのかが見えないまま、書くことへの苦手意識が増幅されてしまいました。

 なので、面倒くさいを言い訳にせず、読書会開催レポートというルーティンワークを徹底的に細部まで突き詰めて積み重ねていきたいと強く想い、ここに宣言することにします。その先に、価値ある読書会開催レポートという「絶景」があることを信じて。

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