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自故日記⑶

ようやくラオスの猛暑は落ち着いてきた。

毎年こんなに暑いのではなくて、今年は以上の暑さが続いていた。

病院に行く際のタクシーに乗るといつも話題は「暑すぎる。今年は異常だ。」である。

ラオスの彼らが異常だというんだから本当に異常だと思う。

3年間しかいない僕もその異常は感じている。

日本にいた時は雨が降ることを嫌っていたけれど、この猛暑国にいると雨が降ることをとても嬉しく思う。

気温が下がるからだ。
今年の猛暑の影響はこの雨量の低下であった。

さて、前回は手術中の話を少し書いた。

日本だったら本来は全身麻酔で行うようだ。
僕は局所麻酔だったので全ての記憶がある。

というか、こんな手術は患者が見るべきではないと手術中に思っていたのだけれどその勘は正しかったんだね。

映画SAWの登場人物の1人となったような気分だった。

Make your choice...なんて言って。

そして、麻酔が少し切れかかっていたように感じた。ああ、ここ切ってるというのがわかったからだ。でも、幸い痛みに関してはそんなに感じなかったので、良かった。

あんだけ、始める前は「痛み」に関しての強さを見せびらかしてしまった。

今の「痛い」は君(麻酔医)と話したあの時のそれとは違うんだ。僕の基準で痛いんだよ。

こんな時に限って、君は「ちょっとだけだから」と言う。

これがあとどれくらい続くのだろうか…手術室の時計を僕はじっと眺めていた。

まるで、今度は24(トゥエンティーフォー)の世界に飛び移ったかのようだった。

頑張れ、ジャック・バウアー…。

1時間でドラマが進むあれとは違い時間は1時間半に及んだ。

手術を終えると、僕はなぜかこんなことを聞いたんだ。

「コカコーラ飲んでもいい?」

手術を終えたばかりの人が聞くべき質問ではないだろう。普段全く飲まないのだけれど、そのときは猛烈にそれが飲みたかった。

やっぱりあれは麻薬的な飲み物なのだろう。

手術を終えて病室に戻ると僕は眠りについた。
結構長く寝た気がする。

それもそうだろう。
SAWから24(トゥエンティーフォー)と2代超大作を渡り歩いたんだ。

いまでも、術中のあの光景が目に浮かぶ。
手術というより工作といった方が正しいのではないか…本当にそう思った。

自分の骨の中に金属が入っている。
想像もできない。

自分の体内ではなくて、骨の中にあるんだから。

重さは100gくらいらしい。
携帯電話より軽いくらいだ。

でも、自分の体内に

・異物が入っている
・金属である

と思うことで重く感じる。試しに怪我していない足の上に携帯をまくりつけて足を上げてみた。

そんなに感じない。

学生時代にこんなことを聞いた。

「人間は200g以下の重さを感じない。」

これは本当なのだろうか。
感触や視覚でものを認識して、重さとして感じているらしい。

もちろん、それを投げてキャッチしたりする時には違う力が働いているから「重さ」を感じるだろうけれど。

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