あるカラテのトーナメントに出た時のこと。
相手は実績のない無名の選手だった。

「普通に試合すれば負けることは無いだろう」

僕は高をくくってた。
相手が粘れば粘るほど、「時間の経過」と共に僕は焦った。

本戦引き分けーーー。

勝つ予定の試合で引き分けに持ち込まれ、そのまま延長戦でズルズルと負けてしまった。

相手の技術や戦術に負けたというよりも、

僕が勝手につくった最初の設定と、その時に起きてる現実のギャップに、完全に自滅したのだった。

これとは別のケースもあった。

相手の実績も、名前も知らない対戦相手。

情報が無い中で、僕はいつも通りに試合をし、
本戦で判定勝ちをした。

その試合が終わって、先輩が僕に教えてくれた。

「二重作、よく勝ったな、相手は全日本常連だぞ」

試合が終わってビックリしたが、それがなんとも深い自信となり、その日は決勝まで駆け上がれた。先輩の話が無ければ、そのあとのエネルギーになってなかっただろう。

情報があったほうがいい時。

情報がなかったほうがいい時。

情報を正しく使えている時。

情報を間違えて使っている時。

いろいろなケースがあって。

僕はいまも日々七転八倒して、砂だらけになりながら、
真実を学んでいる最中なのだと思う。