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逝去の雨、自由の涙

あなたの憧れのヒーロー、影響を与えたカリスマ、希望を与え救ってくれたセイヴァー、

そんな人が突然、この地球からいなくなったとしたら、どうする?

「人は死ぬ。誰ひとり例外はない」

そんなことはわかってるさ、言われなくても。
だけど、そんな借りてきたような言葉で、心の空白が埋まるものか。

2016年4月21日、プリンスが旅立った日。

「もしプリンスがいなくなったらどうしよう?」1985年からずっと考えないようにしてきたことが、実際に起きてしまった。明け方4時過ぎからメッセージやメールが矢継ぎ早にやってくる。

「プリンスいなくなって寂しいね」
「二重作くん、大丈夫?心配。」

が半々くらいだった。(今更ながら、優しい友に恵まれている)

 どうやらニュースがホントらしい、とわかった時、僕は「ある行動」に出た。ほとんど衝動に近い行動だった。

「いちばんの感動をもらった想い出の場所」=ミネアポリス郊外のシャンハッセンに向かったのだ。

ペイズリーパーク・スタジオ。

約10億円をかけてプリンスが建設した巨大な建造物だ。

 僕個人にとっては、
2002年に初めて訪れた場所であり、初めてプリンスのステージに上がった場所であり、ダンスを彼に認めてもらった場所であり、プリンスと会話した場所でもあり、バンドメンバーやクルーとの交流が生まれた場所であり、世界中からきた彼の支持者たちと仲良くなれた場所だった。

プリンス逝去ーーーー目の前に降りかかった重すぎる現実に、過去最大級の感動の記憶をぶつけて、中和させようとしたのだと思う。それ以外、心を守る術が見つからなかった。

その時の詳しい話は、また何かの機会に書かせていただくとして。

 「オレを失った『アフタープリンス』の時代を、キミはどう生きるつもり?」

 彼の命の終焉をもってQUESTIONが投げかけられた気がした。心のウソを見透かし、真実を鋭く射抜く、あの眼光と共に。(集中しきった時の『至近距離プリンス』はマジでおっかない。邪魔した瞬間に叩き切られるんじゃないか、くらいの怖ろしさだ)

 僕はこれまで「プリンスのスピリットを感じられる場をつくろう」と試行錯誤してきた。SNS発信、コミュニティ運営、WEB記事、国内&海外書籍、そしてイベントなど、いろんな形で。

コロナ禍前のNew Power Partyも、2023年6月よりPurple Universityとして新スタートを切り、早くも2023年12月9日で無事に8回目を迎えた。

毎回、何か発見や学び、気づき、感動があるんだけど、これがもう、なんかすごく【ああ、やってきてよかったなぁ】と心から思えるような空気感になってきて。全てはプリンスを愛する皆さんのお力添えのおかげ、そしてプリンスのおかげだ。ありがとうです!

たくさんのご感想をいただいたので、ご紹介&コメントを。

The Beautiful Onesがまだ頭の中で流れています。幸せ~。あの音源をあの音響設備で聴けて最高でした!今コンサートの帰りのような気分で興奮しています。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
(moromiiiさん)

嬉しいですね、同じ曲をいろんな形で。違った魅力がみえてくる!


初めて参加させていただきました。貴重な音源や映像だけでなく、プリンスが実際に着用したジャケットや、ラリー・グラハムの帽子などの貴重なアイテムまでたくさん楽しませていただきました。とても楽しかったです。ありがとうございました!(Peggyさん)

これは本当に嬉しいことで。「場」があることで、みなさんがいろんな貴重なグッズを持ち込んでくれていて。ちょっとしたプリンスミュージアム感あるかも。

レア音源とレア映像に痺れました。プリンスの全盛期は80年代ではないと強く実感!(Gorgeousさん)

まさに。先日スガシカオさんと「プリンス話」をする機会があって(Tunaさんありがとう)、スガシカオさんも92年の”SEXY MF”でガツンと来たらしい!すごく納得ーー!

DJとしてたくさん貢献くださったDJ PIROさんもデビュー。選曲、繋ぎ、ともにプリンスずっと聴いてきた人って感じがした。早く到着した方々も設営を手伝ってくれて、15分だけ、30分だけ参加でも来てくれた方もいて。ホント、有り難いです!

そしてそして、

Purple Universityでは「初めての人に疎外感を感じさせない」を大切にしている。音楽ファンの集まりは「ただでさえマニアックな話題に偏りがち」だけど、それは居酒屋などでやればいいと僕は思ってる。

たくさんプリンスに「初めて」を経験させてもらったのだから、「初めて」を心地好く提供するのも、影響を受けた者たちの役割かもしれない。

「なんか面白そう」でノコノコ参加したプリンス忘年会、めっちゃ楽しかった! 後方で映像観ながら好き勝手にずっと踊っていた。座って静かに観る人、曲に合わせて身体を揺する人、そっと口ずさむ人、立って踊る人と様々な形で楽しめる空間いいなー!(晃さん)

映像も音源も初めて見聞きするものばかりで本日どれほど貴重な体験をさせて頂いたのかは正直よく分かっていないのですが、どれもこれもが素晴らしくて楽しくて刺激的であっという間の5時間でした! 遅れて着いてすぐ聴いたリスニング、8曲目辺りでなぜか涙がポロポロ溢れ出して自分でも驚きました。 哀しみとも感動とも異なり、例えるなら「魂の浄化」とでも言うのでしょうか?涙を流しながら不思議と幸せな気持ちに包まれました。(晃さん)


プリンス自身はもちろん、皆様のプリンス愛にも触れ、堪能できて、この贅沢な空間を、ものすごく居心地よく過ごさせて頂きました。最高です!!! ぜひまたお邪魔させて頂けましたら幸いです!!! 今後とも、どうぞ宜しくお願い致します(七味まゆ味さん)

 プリンスをほとんど聴いたことが無い人が参加するには、多少なりとも一歩踏み出す勇気が必要だと思う。その勇気に可能な限り応えていきたいし、これからも「アクセスしやすさ」を大切にしていきたい。

貴重な音源や映像、今日は最高の忘年会。本当に楽しかった。1セクションが終わる度に参加者が車座で語り合う濃密なスタイルも良かったな。今日はとりわけ、「初めましての人」含めて、皆と一気に距離が縮まる感じがした。(TomomiBrunさん)

そして「初めましての人」を快く受け入れる皆さんの優しさが嬉しかった。積極的に話しかけ、「今、この時間と空間を特別なものにしたい」という想いが至るところにみられた。


かつてプリンスがこのように語った通り、GIVERマインドにあふれた本物のファムが集ってくれるようになった。嬉しいことだ。

そして最後に、1990年に東京ドームで出逢った殿下ねーさん。

LIVEで。あまり聴いてない曲。 こんなんしてたのって。
踊る人もいたり。 座ってじっくり聴いたり。 自由だけど自由じゃないとこが、ほとんど。でも、ここは。 自由で、うれしいよ。 Free 。ありがとう。(殿下ねーさん)

殿下ねーさんの言葉に、僕は思わず涙した。

自由だけど自由じゃないとこが、ほとんど。

そうだ、そうなんだ。

僕がつくりたかったのは「自由を感じられる場所」だったんだと。
みんなの笑顔に、涙に、ダンスに教えてもらった。

「あなたには心を変える自由がある、それが僕は嬉しい。行きたいところに、行きたいときに、行けばいいんだ」

プリンス ”Free”

プリンスもこのように歌ってたね。彼の音楽も、メッセージもきっと、初めての人には今日届くんだ。

ここまで読んでくれた全ての皆さんに感謝と自由を。

追伸1
プリンスはもちろん、僕が糸井重里さんや羽生結弦選手はじめ、尊敬する人たちへのリスペクトを公言し、発表するのは「RIPじゃ遅い」と知っているからです。あなたのヒーローがいるならば、いま発信しよう。いま気持ちを届けよう。それは「リアルタイムだからできる」ことなんです。

追伸2プリンスの影響大。


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