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今年の5月から6月ころ、
ビールとランニングについて発信したくてNoteを書いていました。
あまり関心を得られなくて、
半ば心が折れていました。
ですが思わぬところで反響を受けていました。
これは5月に受けたアールビーズの取材の記事です。
この記事が、
「ビール ランニング」で検索すると1位に、
「ビール マラソン」で検索すると2位にヒットします。
びっくりしました。
顎が外れてどこかに行きました。
心臓が止まって頭に血が上りました。
その記事の中で自分は、
「多少お酒をのんでいた方が、速く走れるかもしれないよ!!」
と話しました。
ランニングをしている人は健康に気を使っているから、
お酒なんて飲まないだろ!!と思うかもしれませんが、
そんな事はありません。
2014年の関西臨床スポーツ医の研究会の会誌からで、市民ランナーのアンケート結果と、某企業の健診の問診票の結果を比較したものです。
喫煙率と飲酒率を提示しています。
ランナーは規則正しい生活を心掛け、喫煙率は低いものの、
ドカ食いや夜遅い食事、飲酒する人は多いとの結果でした。
では飲酒すると、ランニング能力は低下してしまうのでしょうか。
そんなことはありません。
もう一度、その根拠にした文献の説明をしてゆきます。
1. アルコールを日常的に飲んでいた方が、最大酸素摂取量が高かった。
2020年のアメリカからの報告で、日常的な飲酒量と最高酸素摂取量の関連を調べたものがあります。
面白いことに男女ともに適度に飲酒する習慣があった方が、飲酒しないひとよりも最高酸素摂取量が高い傾向にありました。
一日20-30g程度飲酒する人が、最高酸素摂取量が3程度高かったとのこと。これはフルマラソンのタイムでいうと10分以上となりますから、衝撃ではないでしょうか。
一応これは飲んでいる人が最高酸素摂取量が高かったという結果で、飲むと高くなるということではありません。
2.HIITをしながらビールを摂取しても、最大酸素摂取量は上昇する。
また2020年のスペインからの報告で、飲酒習慣を続けながらHIITをして運動能力がしっかり上がるかを調べたものがあります。
10週間週2回のHIITを行いながら、週5日間食事の際に飲酒をしてもらいました。男性は昼食と夕食時にBeer330ml、女性は夕食時にBeer330ml飲んでもらい、その後の最大酸素摂取量の変化をみました。
トレーニングに加えてBeerを飲んでも、効果は変わらないとあります。Beerに変えて同アルコール量のウォッカ水を飲んでも変わりませんでした。でもよく見ると、逆に飲酒していた方がよくも見えます(笑)。
3.ビールやワインを摂取する人は、心肺能力が高かった。
また2013年のアメリカからの報告では、徐々に負荷が上がるトレッドミルをどのくらい継続できるかを調べ、その検査の前1ケ月の食事ないようを調査したものがあります。
どのような食品を摂取すると、トレッドミルを長く継続できたか・・・を調べた訳です。結果おビールや、ワインがよい結果が出ました。
これはビールやワインを摂取すると、心肺能力が高くなるのではないか。という結果になります。
4.でもアルコールの残った状態で運動すると・・・
ですが、お酒が残った状態でのトレーニングはさすがにまずいようです。
2008年のスイスからの報告で、除脂肪体重あたり0.5g/kgのアルコールを摂取(除脂肪体重50kgの自分であればビール500ml1缶程度)をグビっと飲んだ後、パフォーマンスがどの程度落ちるかを調べてものがあります。
何故か13人中2人、飲酒後にパワーアップした人もいますが(笑)、平均してパフォーマンスが落ちています。パフォーマンスの落ちた練習は、能力上昇に差し支えます。
でも何故か、飲酒した方が能力が上がる人もいるんですよね(笑)。
5.飲酒はトレーニング効果が落ちないとはいえ、飲み過ぎないように・・・
他、飲酒すると筋再生能力は低下してしまうようです。
また、乳酸作業性閾値の文献はありませんでした。
なので筋肉量は落ちてしまうかもしれませんが、速く走るのに筋肉は必須ではありません。
お酒を飲んでいても速く・強いランナーが多いのは、マイナスの効果あれど、プラスの効果もあるからかもしれません。
とはいえ飲み過ぎはランニング効果は落とさなくても、病気になるリスクは高まります。
飲酒はホドホドにしましょう。
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