くさむら
目が奥で絡まって こぶしになる
頭のうしろを内から殴って
倒れた
その目の先に 草の先っちょと 空
頭を打った衝撃が
頭皮と地面の永遠の振動になる
空。
手を伸ばそうか やめようか
迷いのうじ虫が
手の先から肩を旅して 腰へと向かって
割れた
息の通り道が せまい
誰かに 呼吸はよくないことだ と諭されているかのような
私は黙る 出口を探して 軽く目を回し
安らぎを得ない視線は
空に捕まった
私は空から落ちてきたんだ
海から生まれて
この草たちに大地で出会う
そんな運命だったんだ
手を伸ばす
うじ虫も小指と一緒に
空を目指した
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?