「Van Weezer」Weezer【ディスクレビュー】
先日何気なくTwitterのタイムラインをダラダラ流していると
「Van Weezer」
なる文字列が見えて来まして。
はて、Weezerは分かるけど「Van」って何だろう、と考えてみた訳ですが
Van……?
Vanと言えばVan Halen?
Van Der Graaf Generator?
Jean-Claude Van Damme?
Rob Van Damme?
うーん、ともかくWeezerって、あのWeezerしか知らないし、あのWeezerだとしても「Van」って何だよ。
そう言えばWeezerの名前の由来知らないし、もしかしたらWeezer違い?
ヴァン・ウィーザーさんって人がいるのかな?
なんて思いながらスクロールして戻ってみると
「Weezerのニューアルバム『Van Weezer』」
あのWeezerじゃん!!!!
Weezerを全然知らない人に、Weezerをあんまり知らない僕が説明しますと、90年代前半にデビューしたアメリカのロックバンドで、「泣き虫ロック」なんて評されるエモい(エモコアに非ず)曲調で日本のバンドにも絶大なる影響を与えた超ビッグネームなんです。たしか。
気になってApple Musicで検索してみる僕。
そして現れる衝撃の説明文。
ルーツとなるヘヴィメタル、ハードロックを昇華し、ポップに突き抜けた14作目
え!?Weezerってそっちがルーツなの!!??
しかしよくよく考えてみれば、90年代前半デビューという事は少年期に80年代のHR/HMブームを経験している訳ですし、それこそ日本だってスピッツみたいにルーツにヘヴィメタルを持ってるポップロックバンドなんてザラにいる訳で……
とはいえまさかあの野暮ったい陰キャバンドみたいな見た目のWeezerがねぇ……(エクストリーム失礼)
https://open.spotify.com/album/4QIZtPbEAQTu1smtYyDHXz?si=7ywyPnY3QtSQFeyyP-k8BA&dl_branch=1
何はともあれ、聴いてみなければ何も言えないと思い、軽い気持ちで再生をタップ。すると
♪1.The End Of The Game
リロリロリロリロリロ……
!!!!????
まさか、まさかまさかの出ライトバンドタッピングである。
続くイントロリフもハーモニクスを効かせたメタル的なもので、小気味の良いハンドクラップがパーティーロック感を高めています。
まさかここからボディロッキンで激ヤバなヘヴィメタルシャウトが来るのか……?
と一瞬身構えたものの、そこは流石のベテランWeezer。
歌か始まればいつものWeezerになり、聴き慣れていないはずのバンドなのに、謎の安心感を感じさせてくれます。
ルーツ路線に走り過ぎて迷走するケースもありますからね。誰のどれとは言いませんが。
♪2.All The Good Ones
あ、こういうの昔よく聴こえて来ましたね。ボン・ジョヴィとかが2000年前後にやってたスタイル。
♪3.Hero
耳が慣れて来たせいか、ここまで来ると00年代ハードロック寄りのパワーポップという感じ。
それにしてもいい感じの情けなさとカッコ良さのバランスが本当に凄いですね。Weezer
♪4.I Need Some Of That
サビと同じメロディのイントロリフに、黙々とブリッジミュートで刻むバッキング。非常にシンプルで、それ故にメロディーの良さが引き立つ良曲。Bメロからほのかにスピッツ臭。
♪5.Begining of the End
この辺はもはや僕のもつWeezerへのイメージ通りの楽曲。でもギターソロはいかにも80年代ヘヴィメタル然としていて謎の愛らしさを醸し出しています。
♪6.Blue Dream
!!!?!!!!???????
オジー・オズボーンの「Crazy Train」そのまんまじゃん!!???
「似てる」とかそう言うレベルじゃなくて、イントロリフからバッキングまで、ほぼ98%Crazy Train。
見える……見えるぞ…………!
半裸のリヴァース・クオモが野獣とゴリラに挟まれてウロウロしている姿が……!
歌メロが始まるといつも通りなんですけどね。
オマージュ……の枠に収まってるかな………?
♪7.1 More Hit
こちらは打って変わってブラック・サバス系のどっしりとしたリフから。間奏部分のテンポチェンジがもう親のテンポチェンジより聴いたテンポチェンジで笑みがこぼれますね。
他の曲にも言えるんですが、メタル調のフレーズからWeezer印の泣き虫ロックに落とし込む手腕が凄い。
♪8.Sheila Can Do It
ブロロロン、ブロロロン
デンデンデテデン
と来れば「Friday night and I need a fight」と歌いたくなるところですが、歌メロ自体はやっぱりWeezer。でも後ろでなってるハーモニクスがどう聴いてもモトリークルーなんだよなぁ。
♪9.She Need Me
この曲もハードめのパワーポップって感じなんですが、やっぱりギターソロから溢れ出る80年代臭にむせ返りますね。
♪10.Precious Metal Girl
アルバムのエンディングを飾るのはアコギ一本での弾き語りソング。
ナヨっとして情けない歌声と、誰に聴かせる訳でもなく自分のために歌ってるかのような雰囲気が謎のエモみを醸し出しています。
よくよく聴くと歌詞の中にL.Aガンズの名前が出てきてニヤリ。そう言えばWeezerって西海岸のバンドでしたね。
計10曲。
しつこくも無ければ食い足りなさも無いほどほどボリューム。
全体に散りばめられたメタル愛溢れるフレーズの数々と、やり過ぎないバランスがちょうどいい良作なのでは無いでしょうか。
強いて言えば、80年代HR/HMを聴いてる層とWeezer聴いてる層が全く被ってる気がしないくらいでしょうか……
いや、いるとは思うんですけどね?
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