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お手本のような結婚式って何よ?の話

「結婚式のお手本のような結婚式やったな~」
と、母が言ったのは従妹の結婚式のこと。

本日の主役! 32歳のわたしの従妹はハイスペックなのだ。同じく32歳の新郎もそちら側の人間。
今日1組のパワーカップルの誕生を見届けて来た。

この上なくめでたい。
しこたま泣いて、しこたま笑って、しこたま食べた。酒は飲めない。

身内の結婚式はとにかく感動値がバツグンに高い。
わたしの実父の弟の次女にあたる従妹のなので、生まれた時から知っている間柄。
だから、あぁぁぁーあんなに小さかったのにとか、こんなに立派になったのねとか、少し親に近い感覚が余計に涙をいざなう。

そして血なのか遺伝なのか何なのか説明がつかないのだけど、我々一族は究極の涙もろさを誇る一族なのだ。

わたし達は毎度のことなので慣れっこだけど、新郎側のご参列者はさぞビックリ!! しただろう…。
これから新たに始まる親戚付き合いを通して本日の涙の嵐は特別なものではなく一族の通常運転であることを後に知ることになるだろう。

結婚式のすべての工程毎に涙する父を筆頭に今まで参列したあらゆる冠婚葬祭の類を全て涙で納めてきた我々一族。

今回も然り。

父よ…。
それにしても度が過ぎるほど今回は一段と泣いていた。
披露宴が終わるころには、今朝会った時と輪郭ちがくね?誰でしょーか?ぐらいの仕上がりになっていた。

涙製造機ほどの父の生産量には間に合わないにしてもわたし大概涙もろい。

いつもなんどきわたし的結婚式ジ~ンポイントがある。
例えば昨日の従妹の場合、わたしは従妹としてのポジションからしかその子を知らない。
結婚式はその子に不随する全ての人々が駆けつけてお祝いをしてくれる場である。
つまりその子に関わりのある全ての人間関係を一括して知ることができる唯一の場であるわけなのだ。

職場での上司から見た姿。部下慕われる先輩としての立場。友達との関係性や、親友とのやりとりなどを目の当たりにして愛されてるいるのねーが判明するとたちまち感動してしまう。

自分が知らないその子の人生の歩みを知って、身内以外に幸せを願って人生を豊かにしてれた人たちがいたんだと思うとありがとうとが溢れて泣ける。

今回の結婚式は冒頭に述べたようにハイスペックな二人のお式。
余興のクオリティーがレベル違いだった。

従妹は誰もが知る某航空会社に勤めている。
その会社では社内の者が結婚式を行う時にかならず行う余興がある。
社内の人間で発足された楽団による演奏ムービー贈られる。
ムービーと合わせて実演で機内放送をパロディ化したものを披露。

「これは機内に乗るとかかるあののアナウンスじゃんかよー。」

まるで披露宴会場が機内さながらプロの仕事を感じた。

ちなみこの余興はSNSへの動画のアップは厳禁。くれぐれも流出しないようにとの司会の方からの注意勧告まであった。披露宴ではあまりない聞かない勧告だ。
まず社内にそんなにも楽器にたけている人間がそろっていることにも驚きである。
ちなみに従妹はヴァイオリンを担当。バイオリンじゃなくてここではヴァイオリンが相応しい気がする。

余興の枠を超えて何かの作品を見せられたかのようで、その完成度は素晴らしかった。

代々結婚式の毎に継承されて続けてきたものだから当然といえば当然だ。

すばらしい余興であったので感動より単純にすごいの気持ちが先行してここでは泣くとかではなく、みんな感心していた。

例の一人を除いて…

そう父。

この余興でも隣のテーブルから涙に濡れる目を幾度もぬぐう父の姿をキャッチ。

涙に溺れる父の真横に座る母とテーブル越しにアイコンタクトで会話する。

「うぁーーーーぁ、この余興でも信じられんほどの涙流しちゃってるやん」

「泣いてるよ。泣いてるよー」

「これって泣くやつ?」

「ちゃうーーー、ここはちゃうとこ」

人間ってあまりにも感情に飲み込まれている人がそばにいると冷静になるらしい…。

その後も父の同行が気になって母と何度も目配せし合って心の会話を重ねていく。

「泣いてる?」

「うん。泣いてる」

「まさか、泣いてる?」

「泣いてますとも」



わたしだって涙の遺伝子を直系に引き継いでいるものだから、随所で感動し泣けるのは泣けるけど、父をみていたら涙を超えてなんかワラけてくる。

そんな父の泣きに翻弄されながらも
無事に終演を迎えた。

完璧な挨拶
完璧な余興
完璧な手紙
完璧なスピーチ
完璧なお料理
完璧なテーブルコーデ
完璧なドレス
完璧な感動
完璧な新郎新婦

完璧をいつくも重ねた完璧な結婚式。

42歳にもなると職場、友達、身内とそれなりにいろんな結婚式に出席させてもらってきた。
どの結婚式も素晴らしくステキな時間だったけど今回は郡を抜いてトップオブザ結婚式。

どの1部分を切り抜いても感動と誠実さに溢れていた。新郎新婦の人柄そのものだった。

ほんとに母の言うお手本みたいな結婚式であった。


さらに翌日からは自社の飛行機を利用してハワイまで新婚旅行へとご出発!!

う~ん!まさに完璧。

従妹の完璧な結婚式を終えた今、彼女のこれからの結婚生活が幸せなものであること心から願っている。

だだ一つ…従妹より少しばかり結婚生活の先輩としてもの申したい。

この世に、完璧な結婚生活なんてものは存在しないのだ。

人生だもの
人間だもの
いろいろあるのレベルにもいろいろあるだろうけど、とくかく生きいたらいろいろある。

完璧でない結婚生活を送るからこそ、その中で2人の完璧とは何か探していくのだ。

道思いっっっつきり半ばのわたし…だってそうなのだ。

完璧な家族ってなんやねーーん!
完璧な夫婦っでどこやねーーん!

完璧なるものを血眼に探して目指し絶賛修行中でただいま結婚生活17年。

おめでとうの先から始まるスタートに検討を祈る。

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