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リチャード・バックに捧ぐ

「眉毛がつながっている。」
って言われた。

小4次女が帰宅するなりノシノシとキッチンまで近づいてくる。
ただいまより先に発した言葉から少し圧感じた。

えっ…。

確かに君の眉毛は、自他ともに認めるほど確実につながっている。
赤ちゃんの時から繋がっている。
未だかつて途切れたことのないカモメアーチ。

かもめ眉毛⌒⌒

あまり落ち込んでる様子はなかったのだけど…。ノシノシした足取りが気になった。

「それはおちょくり発言なん?」
「それとも子どもの純粋な人体への興味?」

どっちやねんな。

が、親としては気になるところ。
我が子が悲しむ姿は1ミリも見たくないのだ。
おちゃくりの方ならやっぱり心は痛む。

次女はスーパーポジティブ元気爆裂ガールなので、本来眉毛ごときでどーのこーの言われようが落ち込むようなタマではない。

と、そうは思っておるが、子どもの成長は体だけでなく日替わりで心も成長を遂げている。

間近でそれをヒシヒシと感じるので、ある日を境にガラスのハートデビューしていたとしてもなんらおかしくない。

少しお年頃になりつつあるので、もしかして傷ついてるのかもしれない。

母としては早合点もいけないのでとりあえずはリアクションを伺うことにした。

その時の前後関係を詳しく聞いたところクラスの子は単純に眉毛が繋がっている人体の不思議を発見したことからの率直な感想だったようだ。

その子は恐らく眉毛のつながっている人類を目にした事なかったのだろう。
きっと薄毛気味の一族の元に生まれそだったに違いない。

次女沖縄の血がうっすら入っているので、南国がところどころ顔だしているような容姿だ。

思い返すと今朝の次女の行動がきっと眉毛をより一層引き立てたんだろうと思われる行いが確かにあった。

いつもは朝は水でサッと洗面して完了のところ今日は保湿クリームを少し顔に付けていた。

その流れで余ったクリームで眉毛をなぞったら、
「なんか眉毛でてきた。」
と言っていたのを思いだす。

クリームで作られた毛流れが足しかに一層普段の眉毛をより凛々しく仕立て上げていた。

結局はお友達の発見に対して、繋がってる眉毛を誇らしげに披露してきたそうだ。
「繋がってる方がいいねんで!」
の謎の捨て台詞を残して。

何がいいかは知らんけど…。
本人がいいならいいのだ。

ノシノシは自信の現れだったようで母はほっとした。

娘よ!
君のかもめアーチを私は愛しているよ。

そんな眉毛を誇らしく語る君のことも。

自信の欠けらも無いわたしから自信の塊が生まれたことが神様のギフトにしか思えない。

神様は親子でも全く相異なる性格を授けてたりするのだから、その計らいに真意を探したくなる。

そんなことを考えるのが好きなのだ。

昔から理由とか、意味とか、使命とか、自分とか、魂とかが気になってしゃーない。

それはずっと捜している。
今も。

少し前のこと。
私たちが親子だと最近認識した娘のクラスのお母さんがいる。

年末の学校の文化祭の輪投げのお当番で初めてお会いした。

ふだんからわたしは子どもの集まりや公園にはあまり姿を見せないので爆裂ガールの母どんな人だろうか?と期待値が上がっていたようだ。

苗字と子どものを名前を告げるなり

「えーーー!!○○子のお母さんなの?」

イナバウワーばりに仰け反って、

「今年1番びっくりました。」
「全く親子の感じしないですねー」

ちょうど近くにいたご主人まで呼び寄せて、この方がお母さんやって!

ご主人も、もちろんはじめまして。

顔こそ平静を装って、

「ども。」

みたいな挨拶だっけど

「こん人があん子の母かよ…。」

そんな心の声は聞こえてしまった。
しっかりと。

そう他人に言わしめるほど容姿だけでなく、性格もまるで対局にいる私たちなのだ。

もうそのリアクションは娘の母を9年しているのだから、慣れっこ。

「ねーー似てないですよー」を幾度となく繰り返してきた。

ちなみに私の容姿は沖縄のクウォーターなのに、京都どすえな感じ。
全くトロピカルじゃない。

性格も違う。
声のトーンも声量も体型もとにかく全部違う。

わたしは人から容姿について何か言われようものならいいことでも悪いことでも赤面がもう止まらない。

そして眉毛が繋がっているなんて発見されて日にはもうその眉毛を手放したくなることを咄嗟に考えてしまう…。

今朝は昨日の事があったから朝食たべながら正面に座る娘の立派なかもめアーチが1番に目に着いた。

まじカモメ!
羽ばたけよ!
味噌汁を飲みながら心でエールを送った。

大人になってもその素敵なまゆと自信を持ってあのかもめのジョナサンみたいに勇敢に生きてくれ。

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