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①自分、おかしいのかも?と思った人へ (双極性に気付くまで)

※この記事を読むのに約3分半かかります。

はじめに。

私は双極性障害と診断されて治療をしています。
この症状の患者は沢山いるようです。
私が治療を始めてから、この病気に気付かずに苦しむ人が沢山いることを知りました。
私もこの病気に長いこと気付かずに、症状に振り回されてきた一人です。

意外に双極性障害の体験談や、発覚までの経緯を載せてる人が少なく感じました。
また、人によってそれぞれ症状が異なったりと、戸惑う事も多くあります。
せっかくこの病気になってしまったのなら、
私の体験を無駄にならないようにしたいと思いました。
同じ症状で困ってる人の参考になればいいな、と感じております。

また「どんな症状なのかサッパリわからない」と思っている人に対しても、
双極性障害がどのようなものか、知ってもらえる機会になれば…と思い記事を書きました。
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〜私が双極性に気付くまで〜

双極性障害とは、気分が高まったり(躁)、落ち込んだり(鬱)を繰り返す脳の病気だ。
誰しも良いことがあったり、嫌なことがあると、気分の浮き沈みはあると思う。
ただこの症状は訳もなく突然訪れる
二重人格のように自分の思考や行動がガラッと変わる感覚になる。ジェットコースターのように目まぐるしく変化していくようだった。

私の過去を遡ると、20歳頃からずっと双極性だったんだろうなと思う。

始まりは、気分の落ち込みだった。
特に不幸な事はなかったと思うが、
ずっと辛く悲しい気分が頭にへばりつき、
とにかく人に会いたくない。
体がだるくて仕方ない。
親が「様子がおかしい」と気付き、病院に連れて行ってくれた。
その時は〝軽いうつ病〟と診断された。
大袈裟だなと思いつつも、うつ病の薬を飲み続けた。
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しばらくして朝起きると、突然治っていた。
最高に気分が良く、体が急激に軽くなった
「なにこれ、うつ病って楽勝じゃん。治った!めっちゃ楽しいー!」
完治したと思い病院に行くのをやめた。

前日まで「死にたい」「もう終わりだ」などと
ヘトヘトになっていたのに。
うつ病なんてそんな簡単に治るものじゃない。こんな治り方はおかしいという事に、この時は全く気付かずにいた。
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それからは毎日、自信に満ち溢れ、充実して最高の気分だった。
仕事もめちゃくちゃ捗っているような気分になる。
また、カッとなってブチ切れたり、破茶滅茶な行動をとって人に迷惑をかける事もあった。
良くも悪くも常に興奮状態

突発的な衝動も抑えられなくなっていった。
突然夜中に「旅行に行きたい!」と思い立ち、気付けば早朝に出発していることもあった。
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みんなはその元気になった様子を見て、
〝いつもの調子に戻った〟と喜んでいた。

ただ親だけは心配そうに「どうしちゃったの?今までのあなたじゃない。絶対変だよ」というようなことを何度も言っていた。
私は、親の言葉に全く耳を傾けなかった。
〝本来の元気な自分を取り戻した〟と思い続けていた。

元々大人しい性格の人なら、急激な変化に
〝明らかにおかしい〟と気付けたかもしれない。
ただし私の場合は、子供の頃からうるさい程に活発で陽気な人間だった。
攻撃的になったり、突発的な行動は大人になって突然現れたのだが、自分自身これが病気の症状だと全く思いもしなかった。
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この後、鬱と躁の症状を、時間をかけて何度も繰り返すようになる。
その間に、平常に落ち着く時期もある。
鬱の症状は長く、躁の症状は割と短く終わる。
2年に1回、1年に1回、半年に1回…
だんだん入れ替わるスパンが短くなる
鬱の症状が辛い時期には休職もした。

30歳を目前にして、鬱と躁の症状が1〜2ヶ月に1回ほどのペースで入れ替わる事もあった。

月に一度のレディースデーのせいだと思い婦人科も通ったが、憂鬱になる時期が全然合わないので「PMSではない」と診断された。

そのうちに私は、鬱の症状になっても病院に行かなくなっていた。
薬を飲んでも鬱の症状は全然良くならないし、
反対に薬を飲まなくても突然元気になる。
自分は病気じゃないんだと思っていた。
〝感情の起伏が激しい性格〟
〝すぐに落ち込む精神が弱い人間〟

と自分のことを諦めていた。
常に〝自分はダメな人間だ〟と悲観するようになった。
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鬱の症状がまた当たり前に続いていたが、
30歳を過ぎてから、更に希死念慮が年々強くなってしまっていた。
「死にたい」「いっそのこと楽になりたい」
毎日そんな気持ちが強すぎて全く眠れない。
仕事も手につかない。
とにかくどうにかしたい。
すがるような思いで病院に行った。

そこで初めて〝双極性障害〟と診断される。
この10年以上、散々色んな病院に行ったのに、
そんな病名一度も言われた事がない。
「誤診かもしれない」と思い、病院を転々としたがどこも診断は一緒だった。
最後に脳の検査をしてもらったところ、やはり双極性の疑いがあると診断された。

そこで私はやっと〝自分は双極性障害なんだ〟と自覚した。
今まで自分でも理解できない不思議な行動をとってしまった事や、自分で制御できない感情に振り回されていた事…その理由の全てがやっと繋がった。


このまま病院に行かずに双極性と知らずに過ごしていたらと考えると恐ろしい。
本当に気付けて良かったと思う。
症状発覚した後の行動についてはまた次の記事で書こうと思う。

その後、双極性障害と知った後の
自分の失敗談と、失敗で学んだことを
②自分、おかしいのかも?と思った人へ      
(双極性と知ってから)

にて記事にしております。
併せて読んで頂けると幸いです。














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