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猫のトロロよ、仕事を手伝ってくれなくてもいいから、校正紙を踏もうとしないで

我が家の猫、トロロには使命があった。
認知症になり会社を辞めた夫の、ココロを動かして脳を活性化させ、私の精神も癒す。

しかし、以前書いたように、トロロはなかなか手の掛かる猫であった。
しかも、ものすごい「かまってちゃん」。

私は二十年くらいまえから、ときどき校正の仕事を頂いて、ほそぼそとやっている。私が読んでいる取説は、数百ページに及ぶもので、納期に余裕をもらっていても、けっこうきつい。(歳を感じる。老眼だし)

久しぶりにお仕事がきて、普段のようにトロロに構っていられないのだけれど、トロロ、うるさい。
にゃあにゃあ、とうるさいのではない。
「ねえ、来てよぅ。来てたら。遊ぼうよー。ねえ、ねえってば!!!」
と、うるさいのである。

そして、とうとう自分からやってくる。私が仕事をしている机に乗ろうとする。
「うわっ、ちょっ、待って、踏まないでね!」
と、慌ててトロロから校正紙を守る私。

そんな感じなので、ちょっと席を立つときも、校正紙の上に木の板を乗せたりする。だってトロロ、紙を食い散らかす癖があるのだもの。なんて恐ろしい。

しかし、私が集中していると、不思議と邪魔をしない。
私の、すぐ斜め後ろの棚に乗っかり、キチンと座って、置物のようにきっちりと、真剣な顔をして寝ているのだ。

偉いよトロロ。何もしないのが、最高のお手伝いだからね。

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